老夫妻の二連画
『老夫妻の二連画』(ろうふさいのにれんが、仏: ortraits de deux personnes âgées、英: Diptych of an elderly couple)は、初期フランドル派の画家ハンス・メムリンクが1470-1472年ごろに描いた夫妻の胸像肖像である。それぞれの肖像画は以前、釘で接続されていたが、1894年に別個に売却された際、分断された[1][2]。現在、男性像はベルリン絵画館に、女性像はパリのルーヴル美術館に所蔵されている[1][2][3][4]。2点を並べて眺めると、背景の風景は1つの全体像を形成する。
フランス語: Portraits de deux personnes âgées 英語: Diptych of an elderly couple | |
作者 | ハンス・メムリンク |
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製作年 | 1470-1472年 |
寸法 | それぞれ縦35、横29センチ |
所蔵 | 絵画館 (ベルリン) 、ルーヴル美術館 (パリ) |
作品
編集二連画が分断される以前のことは何も知られていない。作品は、1894年4月にミラノのF. メアッツァ (F. Meazza) の売り立てで売却された[1][2][5]。当時のボーデ博物館が男性像を購入し[2]、後にウィリアム・ヘンリー・ジェームズ・ウィール が博物館で作品を見て、1901年のメムリンク目録に加えている。目録には、「別の初期の肖像画がベルリン絵画館にある。だいたい70歳くらいの男性の胸像で、左を向いており、手は欄干に置かれている。毛皮で縁取られた黒い布地の服を身に着けて、部分的に耳を覆っている黒い帽子を被っている。背景には草原と木々がある。右側には銃眼が付いた橋のある城がある。騎士が小川で馬に水を飲ませており、その小川はより幅の広い川に流れ込んでいる」[6]。
女性像のほうはレオ・ナルドゥス により購入され、最終的に1908年、F. クランベルジェ (F. Kleinberger) からルーヴル美術館に売却された[2][3]。それ以前に、女性像はウィールの1902年の展覧会のために貸し出されているので、彼はメムリンク目録を出版した直後に作品を見たにちがいない。目録では、ベルリンの肖像画の対作品であると言及されている[7]。
脚注
編集- ^ a b c 『NHKルーブル美術館VI ルネサンスの波動』、1986年、20-21頁。
- ^ a b c d e Portrait d'une femme âgée”. ルーヴル美術館 (1400年). 2023/07/54閲覧。 “
- ^ a b オランダ美術史研究所. “Portret van een bejaard echtpaar (man), ca. 1470-1472”. RKDimages. 15 October 2016閲覧。
- ^ 『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、2011年、229頁。
- ^ Catalogue de tableaux, objets d'art et de curiosité formant la galerie de Mr. le Chevr. F. Meazza de Milan : tableaux de maîtres italiens, flamands, hollandais, français et espagnols, gravures et dessins, faïences, porcelaines, bronzes, verreries, armes et armures, meubles et objets de curiosité., sale catalog by August Riblet, 1884
- ^ An old man, Berlin Royal Museum, portrait, 529C description in Hans Memlinc catalog pp. 67 and 102, by William Henry James Weale, 1901
- ^ Cat. nr. 71 in Exposition des primitifs flamands à Bruges
参考文献
編集- ヴァンサン・ポマレッド監修・解説『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011年刊行、ISBN 978-4-7993-1048-9
- 坂本満 責任編集『NHKルーブル美術館VI ルネサンスの波動』、日本放送出版協会、1986年刊行 ISBN 4-14-008424-3