羽束川
羽束川(はつかがわ)は、兵庫県南東部を流れる二級水系武庫川の支流。武庫川の支流としては最大である。本項では上流である天王川と併せての記述としている。
羽束川 | |
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羽束川渓流 三田市小柿 | |
水系 | 武庫川 |
種別 | 二級河川支流 |
延長 | 36 km |
流域面積 | 95,000(武庫川流域の約19%) km2 |
水源 | 大阪府能勢町天王 |
水源の標高 | 610 m |
河口・合流先 | 武庫川 |
流域 | 兵庫県 |
地理
編集源流と本流
編集源流は大阪府能勢町にある深山(みやま)(標高790.6m)の中腹、標高約600m付近にあり [1] 、上流域での名称は天王川(てんのうがわ)と称される。ちなみに付近の天王峠は加古川水系篠山川支流との分水界である。川はそこから南西に向かって下り、府県境を跨ぎ羽束川となる。
途中、標高約400mの丹波篠山市の籠坊温泉を抜け、山間の後川(しつかわ)では、いくつかの支流と合流し次第に水量を増していく。三田市の渓谷、農村地帯を湾曲し宝塚市、神戸市を流れ武庫川に流入する。なお、波豆川と合流するエリアで1919年(大正8年)神戸市が開発したダム湖(千苅水源池)となり神戸水道を通じて神戸市の水道水にもなっている。また、千苅ダムから武庫川に合流する部分の川の名称は波豆川ではなくこの羽束川となる。
川の長さは、上流部の天王川が3,716m、続く羽束川が32,354mで流路総延長としては約36kmで武庫川およびその45に及ぶ支流、小支川の中で最大であり、高低差に関しても天王川源流から河口となる神戸市北区道場の標高約140m地点までは約470mとなり、これは本流の武庫川より勾配が大きい。[2] [3]
生物相
編集上流では国の特別天然記念物であるオオサンショウウオが多数生息しているのが知られており、アユやテナガエビなども生息している。また多種多様な植物が周辺に自生もしており、夏前には多くのホタルも舞う大変生物相の豊かな河川である。
流域の自治体
編集主な支流
編集道路
編集その他
編集- 自然豊かな羽束川沿いには、三田市野外活動センターや伊丹市立野外活動センターなど公設のアウトドア施設も整い、川遊びをはじめ、キャンプやバンガローなどでの宿泊やバーベキューなどが楽しめる。
- 羽束川近くに羽束山があり、手軽に登山できる山で三田市のランドマーク的な山である。
- 神戸市では羽束川の水質を守るため「羽束川・波豆川流域水質保全協議会」を付近の神戸市・三田市・宝塚市と両河川流域の住民を対象に水質の保全に関する普及啓発事業を行っている。[4]
- 川では付近の漁業協同組合が管理するアマゴやニジマスなどの放流釣場が点在する。
- 三田市小柿には有効落差 54.39m、最大450kwの関西電力の小水力発電の施設があり、羽束水力発電所として1918年(大正7年)から稼動しており、三田市の近代遺産でもある。