羅王常
1535-1606, 中国・明代の墨匠、篆刻家
略伝
編集羅龍文(号は小華)の子でもとの名を南斗といった。父の羅龍文が権勢家の厳嵩・厳世蕃の不正事件に連座し北京にて処刑される[1]と、戸籍を捨て松江府に逃れ父の友人の顧従徳に匿われた。その後、姓名を王常(おう じょう)と偽り、字を延年または幼安、号を懶軒・青羊生などと改称した。事件後、40年経過してようやく本姓を復し、羅王常と名乗った[2]という。
父から引き継いだ製墨を業としていたが、逃亡後は篆刻家として著名になる。浙派に属する。また骨董を商い詩文に長けた[3]という。
顧従徳に請われて印譜『集古印譜』の編纂に携わる。その後、この『顧氏集古印譜』を呉伯張とともにおよそ20年にわたってを増補・編纂し続けた[4]。この書籍は羅王常没後、呉伯張によって『秦漢印統』として刊行されている。
脚注
編集出典
編集- 銭君匋共著『印と印人』北川博邦・蓑毛政雄・佐野栄輝共訳 二玄社<藝林叢書>選訳Ⅰ、1982年。