緑の光線 (小説)
『緑の光線』(みどりのこうせん、原題 仏: Le Rayon vert )は、1882年に刊行されたジュール・ヴェルヌの恋愛小説。
緑の光線 Le Rayon vert | ||
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著者 | ジュール・ヴェルヌ | |
イラスト | レオン・ベネット | |
発行日 | 1882年 | |
発行元 | P-J・エッツェル | |
ジャンル | 冒険小説、恋愛小説 | |
国 | フランス | |
言語 | フランス語 | |
形態 | 上製本 | |
前作 | ロビンソンの学校(L'École des Robinsons) | |
次作 | 頑固者ケラバン(Kéraban-le-Têtu) | |
ウィキポータル 文学 | ||
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概要
編集公海で日の出や日没に発生することがあるとされるグリーンフラッシュを題材としている。ヴェルヌとしては異色の、女性が主人公の恋愛小説として仕上がっており、スコットランドの風光明媚な土地と文学への、ヴェルヌの思い入れが随所に見受けられる。
あらすじ
編集水平線に太陽が沈む一瞬に発するとされる緑の光線を目撃すると、自分と他人の心の中が見えるようになるという言い伝えが、『モーニング・ポスト』紙に掲載された。記事を元にエレナ・キャンベルは、2人の伯父とともに水平線を探す旅に出るが、なかなか見ることができず、ヘブリディーズの島々を放浪する。
登場人物
編集- エレナ・キャンベル (Helena Campbell) - 緑の光線の伝説の影響で、伯父たちとヘブリディーズの島々への旅に出る。
- サムとシブ (Sam et Sib Melvill) - ヘレナ・キャンベルの伯父。エレナに振り回される。
- アリストビューラス・ウルシクロス (Aristobulus Ursiclos) - 無粋な科学者。
- オリヴァー・シンクレア (Olivier Sinclair) - コリヴレカンの渦潮に捲き込まれるが、エレナ一行の船に救助される。
日本語訳
編集- 『緑の光線』中村三郎 訳、パシフィカ、1979年 - 『北海の越冬/緑の光線』に収録される。
- 『緑の光線』中村三郎 訳、文遊社、2014年 - 他に初期短編『メキシコの悲劇』小高美保 訳
関連作品
編集関連項目
編集脚注
編集参考文献
編集- Robert Pourvoyeur, Une autre lecture du Rayon vert, Bulletin de la Société Jules-Verne no 93, 1er trimestre 1990.
- Olivier Dumas, À la poursuite du Rayon vert, Bulletin de la Société Jules Verne no 93, 1er trimestre 1990.
- Christian Porcq, Helena Campbell et ses filles, ou les rayons du Rayon vert, Bulletin de la Société Jules Verne no 93,1er trimestre 1990.
- Philippe Amaudru, Notes de lecture à propos du Rayon vert, Bulletin de la Société Jules Verne no 149, 1er trimestre 2004.
- Ronaldo de Freitas Mourao, Le Rayon Vert : le roman comme agent stimulateur de l'observation scientifique, Revue Jules Verne no 19/20, 2005, p. 216-224.
- Eric Frappa, Jules Verne et le mystère du Rayon vert, Bulletin de la Société Jules Verne no 198, mai 2019, p. 77-89.