連れ子
連れ子(つれご)は、 単身世帯の人と結婚、または交際した人物から見て、配偶者や交際相手の子ではあるが、自分にとっては、生物学的な子でも養子でもない者のこと[1][2]。
連れ子は、ある人物から見て配偶者の過去の他者との関係から生まれた子であることもあれば、養子縁組による親子関係ということもあり、その場合、その子は生物学的には両親のいずれとも血縁がないことになる。また英語の「stepchild / stepchildren」の場合は、より曖昧に、親のパートナーが子と同居しておらず、親権がない関係も「stepparent」と称される[3]。
日本
編集日本の民法では、連れ子は「継子(けいし)」、連れ子から見た親の配偶者は「継親(けいしん)」と称され、「継親子(けいしんし)」の関係は血族一親等として扱われていた[1]。現行の民法は、継親子の規定を廃止し、この関係を姻族一親等としている[1]。このため、養子縁組の手続きをしなければ、未成年の子の親権は継親にはない[1]。同様に、養子縁組の手続きをするか、遺言で特段の指定をしない限り、継子は継親の相続人とはならない[4]。
連れ子殺しや虐待
編集動物はまるで本能のように現在の番が別の番だった時に産んだ子を群れから追い出したり、虐待したり、殺傷をしたりする。サルなど比較的知能が高い動物でさえも他の動物のように連れ子を殺傷する。人間でも連れ子殺しや虐待が見られる[5][6]。
人間の場合、継母(義母)による「継子いじめ」は継子いじめ譚があるように世界各国で昔からよくあるケースである。そして内縁の夫や交際相手など義父親(継父)の場合は、交際相手や結婚相手である(元)シングルマザーの連れ子を虐待したりするだけでなく、殺すケースもある[6]。単独親権である日本では、群馬連れ子殺人・人肉食事件、岸和田中学生虐待事件や目黒女児虐待死事件といった、男に依存するタイプの女性が、離婚後の交際相手や再婚相手による子供への虐待を阻止出来ない(しない)ケースが多発している。最終的に死亡させるケースも珍しくない[7][8][9][10]。
脚注
編集- ^ a b c d 「連れ子」『日本大百科全書(ニッポニカ)』 。コトバンクより2023年1月21日閲覧。 - 執筆:高橋康之
- ^ 「つれこ」の読みも許容されている。:道浦俊彦 (2018年6月12日). “新・ことば事情 6828「連れ子2」”. 讀賣テレビ. 2023年1月21日閲覧。
- ^ National Stepfamily Resource Center Archived 26 June 2009 at the Wayback Machine.
- ^ “連れ子に相続権はない!連れ子に財産を引き継がせる2つの方法”. ランドマーク税理士法人. 2023年1月21日閲覧。
- ^ サル学の現在第2巻 p436,立花隆,1996
- ^ a b 子ども白書 - p123
- ^ 共同親権が日本を救う: 離婚後単独親権と実子誘拐の闇,p72, 高橋孝和, 2021
- ^ “連れ子に対する虐待はなぜ起こるのか? 母が「簡単にSOSが出せない」事情とは”. BIGLOBEニュース (2020年3月15日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ “児相、内縁夫の「叱ったが反省」受け入れ 保護を解除 女児虐待”. 朝日新聞デジタル (2022年2月11日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ “岡山5歳“鍋虐待”死 内縁夫の“二重家庭” 本妻の告白60分”. 文春オンライン. 文藝春秋 (2022年2月16日). 2023年2月24日閲覧。