終わらない悪夢と新たな旅
「終わらない悪夢と新たな旅」(おわらないあくむとあらたなたび、原題 : "Resolution")は、イギリスのSFドラマ『ドクター・フー』のエピソード。エグゼクティブ・プロデューサーのクリス・チブナルが脚本を、ウェイン・イップが監督を担当し、2019年1月1日に BBC One で初放送された。伝統的に続いてきたクリスマススペシャルではなく新春スペシャルであると共に、2019年に放送された唯一のエピソードとなった。視聴者数は713万人であった。
終わらない悪夢と新たな旅 Resolution | |||
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『ドクター・フー』のエピソード | |||
監督 | ウェイン・イップ | ||
脚本 | クリス・チブナル | ||
制作 | ニッキー・ウィルソン | ||
音楽 | セーガン・アキノラ | ||
初放送日 | 2019年1月1日 | ||
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あらすじ
編集年越しの瞬間を何度も繰り返し楽しんでいた13代目ドクター(演:ジョディ・ウィテカー)らは、シェフィールドでエイリアンが暗躍していると知る。9世紀に当時の人類の三勢力によって封印されたエイリアンは、考古学者により体の一部が発掘されたことで復活し、下水道に退避して女性研究者に憑りつき、彼女を傀儡にして外殻の形成を目論む。
エイリアンの正体はダーレクの偵察兵であり、ドクターは艦隊を呼ばれる前に退治を決意する。イギリスの欧州連合離脱による貿易摩擦を受けて対エイリアン組織のUNITは無期限の凍結状態にあり、ドクターは独力でダーレクを追うが、部品を手に入れたダーレクはイギリス陸軍が傷一つつけることができずに壊滅するほどの強さを誇り、艦隊の招集は時間の問題であった。
一方、ライアン・シンクレア(演:トシン・コール)を彼の父アーロン(演:ダニエル・アデグボーイエガ)が訪ねていた。アーロンはグレースの葬儀に出席しなかったことをライアンや義理の祖父グレアム・オブライエン(演:ブラッドリー・ウォルシュ)から責められるが、偶然にもターディスに乗り込んでしまい、政府通信本部でのダーレクとの戦闘に巻き込まれる。アーロンの開発していたオーブンレンジの技術が艦隊召集前にダーレクの外殻破壊に貢献し、さらに生身のダーレクに寄生されたところをライアンに救出され、親子は絆を取り戻す。
製作
編集開発
編集2005年の「クリスマスの侵略者」以来『ドクター・フー』新シリーズでは毎年クリスマススペシャルが放送されてきたが、2017年の「戦場と二人のドクター」が最後となり、伝統的なスペシャルエピソードは2019年元日に移されることになった[1]。エピソードタイトルは2018年12月8日に "Resolution" として明かされた[2]。
チブナルは「終わらない悪夢と新たな旅」を含む第11シリーズの撮影の間に、ダーレクが登場することはないという旨の発言をしていた[3]。しかし2018年12月25日にBBCは新春スペシャルにダーレクが登場すると明かした[4]。
撮影
編集「終わらない悪夢と新たな旅」は第11シリーズと共に撮影された[5][1]。
配役
編集2018年12月6日にBBCはシャーロット・リッチー、ニケシュ・パテル、ダニエル・アデグボーイエガが順に考古学者リン、考古学者ミッチー、父アーロン役で出演することを発表した[6]。
プロモーション
編集放送と反応
編集専門評論家によるレビュー | |
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レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
エンターテインメント・ウィークリー | A-[8] |
ニューヨーク・マガジン | [9] |
ラジオ・タイムズ | [10] |
The A.V. Club | A-[11] |
デイリー・テレグラフ | [12] |
ガーディアン | [13] |
インデペンデント | [14] |
タイムズ | [15] |
TV Fanatic | [16] |
放送
編集「終わらない悪夢と新たな旅」は2019年に放送された唯一の『ドクター・フー』のエピソードである。続く第12シリーズは2020年に放送された[17]。「新生ドクター、地球に落ちる」と同様に本作にはオープニングタイトルがなかった[18]。
日本では2019年4月19日にHuluで字幕版・吹替版共に配信が開始された[19]。
レーティング
編集「終わらない悪夢と新たな旅」のその晩の視聴者数は515万人で、番組視聴占拠率は22.4%、イギリスの全チャンネルにおいてその晩では第4位となった[20]。しかし、これは『ドクター・フー』の年一回のスペシャルエピソードの中では最低記録であった[21]。合計視聴者数は713万人で、その週にイギリスで視聴された全番組中で第14位となり、Audience Appreciation Index は80を記録した[22]。
ホームメディア
編集「終わらない悪夢と新たな旅」は単独でDVDとブルーレイディスクがリージョン2/Bで2019年2月18日に[24]、リージョン1/Aで2月19日に[25]、リージョン4/Bで3月6日に発売された[26]。2020年5月4日に発売されたリージョン2/Bの『ドクター・フー』第12シリーズのボックスセットには本作も同梱されたが、リージョン1/Aのボックスセットには同梱されなかった[27]。
日本では2019年6月7日に『ドクター・フー リボーン』という邦題でKADOKAWAから第11シリーズのDVDボックスが発売され、本作もそれに同梱された。特典映像には「『終わらない悪夢と新たな旅』制作の舞台裏」と「ダーレクの再生」という2本の関連映像が収録された[28]。
サウンドトラック
編集セーガン・アキノラが作曲した本作に由来する2本のトラックが第11シリーズのサウンドトラックに収録されており、2019年1月11日にシルビア・スクリーン・レコーズより発売された[29][30]。
出典
編集- ^ a b Dee, Christel (14 November 2018). “Doctor Who festive special to air on New Year's Day”. Doctor Who TV. 14 November 2018閲覧。
- ^ Fullerton, Huw (8 December 2018). “Doctor Who New Year's special title revealed – but what does it mean?”. ラジオ・タイムズ. 8 December 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。8 December 2018閲覧。
- ^ Fullerton, Huw (20 July 2018). “Doctor Who series 11 will not feature any Daleks confirms new showrunner” 20 July 2018閲覧。
- ^ Jones, Paul (26 December 2018). “Classic villain to return for Doctor Who New Year special”. RadioTimes. 26 December 2018閲覧。
- ^ Fullerton, Huw (19 July 2018). “Jodie Whittaker WILL get a Doctor Who Christmas special after all”. ラジオ・タイムズ. 20 July 2018閲覧。
- ^ Fullerton, Huw (5 December 2018). “Doctor Who New Year's special casts Charlotte Ritchie, Nikesh Patel and Daniel Adegboyega”. ラジオ・タイムズ. 6 December 2018閲覧。
- ^ Fullerton, Huw (9 December 2018). “Doctor Who New Year's Day special trailer promises epic festive fun”. ラジオ・タイムズ. 9 December 2018閲覧。
- ^ Coggan, Devan (1 January 2019). “Doctor Who recap: The Doctor faces her deadliest foe in a delightful New Year's special”. エンターテインメント・ウィークリー. 3 January 2019閲覧。
- ^ “Doctor Who New Year's Special Recap: Reconnaissance of the Dalek”. Vulture.com (2 January 2019). 3 January 2019閲覧。
- ^ Mulkern, Patrick (1 January 2019). “Doctor Who New Year's Day special review: it's time to enjoy some fireworks as an old foe returns”. ラジオ・タイムズ 1 January 2019閲覧。
- ^ “Doctor Who is full of fireworks in its exhilarating New Year's Day special”. The A.V. Club (1 January 2019). 3 January 2019閲覧。
- ^ Lawrence, Ben (1 January 2019). “Doctor Who: Resolution, review – the Daleks return in a thrilling New Year's Day special”. デイリー・テレグラフ 1 January 2019閲覧。
- ^ Lawson, Mark (1 January 2019). “Doctor Who: Resolution review – old foes and Brexit gags in spectacular satire”. ガーディアン. 1 January 2019閲覧。
- ^ Power, Ed (2 January 2019). “Doctor Who review, 'Resolution': The Daleks return for a New Year's special that honours tradition”. インデペンデント. 3 January 2019閲覧。
- ^ Midgeley, Carol (2 January 2019). “Never underestimate the power of a six-pack”. The Times (Times2) (72733): p. 7. ISSN 0140-0460
- ^ Keng, Diana (2 January 2019). “Doctor Who Season 11 Episode 11 Review: Resolution”. TV Fanatic. 3 January 2019閲覧。
- ^ Hurley, Laura (26 December 2018). “Doctor Who Teases The Return Of An Iconic Villain In New Year's Special”. Cinema Blend. 1 January 2019閲覧。
- ^ Huw Fullerton (2019年1月2日). “11 burning questions we have after watching the Doctor Who New Year's special”. 2021年1月9日閲覧。
- ^ “Huluプレミア「ドクター・フー」シーズン11 特別映像解禁”. TV LIFE web. ワン・パブリッシング (2019年2月8日). 2021年1月7日閲覧。
- ^ Marcus (2 January 2019). “Resolution – Overnight Viewing Figures”. Doctor Who News. 2 January 2019閲覧。
- ^ Ritman, Alex (2 January 2019). “'Doctor Who' Festive Special Hits 13-Year Ratings Low for BBC”. The Hollywood Reporter. 3 January 2019閲覧。
- ^ Marcus (16 January 2019). “Resolution – Final Figures”. Doctor Who News. 16 January 2019閲覧。
- ^ “Timeshifted: Wednesday 2 January 2019”. TV Tonight (2019年1月20日). 2019年10月21日閲覧。
- ^ “Doctor Who New Year's Day Special – Resolution DVD”. The Doctor Who Site (13 December 2018). 13 December 2018閲覧。
- ^ “Doctor Who: Christmas Special 2018 (DVD)”. 13 December 2018閲覧。
- ^ “Doctor Who: Resolution (DVD)”. 3 February 2019閲覧。
- ^ “Doctor Who - Complete Series 12 [Blu-ray [2020]]”. 7 March 2020閲覧。
- ^ “Blu-Ray / DVD”. KADOKAWA. 2021年1月9日閲覧。
- ^ Marcus (12 December 2018). “Doctor Who - Series 11 Soundtrack”. Doctor Who News. 12 December 2018閲覧。
- ^ “Doctor Who Series 11 Soundtrack Digital Booklet”. www.silvascreen.com. 2019年1月11日閲覧。
外部リンク
編集- Resolution - BBC