米子市会計事務所社長殺害事件
米子市会計事務所社長殺害事件(よなごしかいけいじむしょしゃちょうさつがいじけん)とは2009年に発生した殺人事件。
概要
編集2009年2月21日午前11時から午後0時にかけて、鳥取県米子市日ノ出町で会計事務所代表(当時82歳)と同居女性(当時74歳)が会計事務所兼自宅のビルで殺害され、キャッシュカードを奪われて現金約1200万円を引き出される事件が発生。
2人の遺体は青いシートでくるまれ、会計事務所の施錠された部屋等に遺棄されていたため、当初は行方不明とされたが、6月3日に遺体が発見された。会計事務所の会計担当者(当時54歳)が6月4日に死体遺棄容疑で逮捕された。6月24日には強盗殺人容疑で再逮捕され[1] 、7月15日に強盗殺人罪等で起訴された。被疑者は工具を用意した上で会計事務所代表らを殴打や首を絞めて殺害した後、遺体を隠蔽し、被害者のキャッシュカードで現金約1200万円を引き出していたことが判明する[1]。
2010年2月23日から裁判員裁判となった。被告人は殺害を認めた上で、強盗罪を否認[2]。裁判では会計事務所代表に事務所の資金繰りを負担させられ借金を重ね、被害者に私的雑務に使われていたことなど被告人に有利な情状が出てきた[3][4]。複数人殺害の事件は裁判員裁判としては初めての事件として注目され、死刑求刑の可能性も指摘されたが[5]、検察は無期懲役を求刑した[6]。3月2日、鳥取地裁[7]は無期懲役判決を言い渡した[8]。2010年9月13日、広島高裁松江支部で被告側控訴棄却[9]。2012年7月2日、最高裁で被告側上告棄却、確定[10]。
脚注
編集- ^ a b “強盗殺人容疑で再逮捕 米子の税理士死体遺棄”. MSN産経ニュース. (2009年6月24日) 2009年9月5日閲覧。
- ^ “強盗目的を否認、殺害は認める 強盗殺人罪などで初公判”. 朝日新聞社 (2010年2月23日). 2013年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月12日閲覧。
- ^ “裁判員裁判:凶器の工具など証拠品確認 鳥取の強盗殺人”. 毎日新聞. (2010年2月23日) 2010年2月28日閲覧。
- ^ “裁判員裁判:鳥取強殺公判 裁判員が被告の妻に質問”. 毎日新聞. (2010年2月24日) 2010年2月28日閲覧。
- ^ “裁判員裁判:初の死刑求刑の可能性 強盗殺人で鳥取地裁”. 毎日新聞. (2010年2月22日) 2010年3月7日閲覧。
- ^ “鳥取の2人殺害の裁判員裁判 被告への求刑は無期懲役”. 朝日新聞社 (2010年2月26日). 2010年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月9日閲覧。
- ^ 米子支部では裁判員裁判を行わないため本庁となる。
- ^ “鳥取強殺、求刑通り無期懲役の判決 裁判員「重い役割だった」”. 日本経済新聞社 (2010年3月2日). 2024年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月27日閲覧。
- ^ “二審も無期、裁判員裁判の判決支持 鳥取の2人殺害”. 朝日新聞. (2010年9月13日) 2010年9月15日閲覧。
- ^ “鳥取2人強殺、被告の無期懲役確定へ 最高裁が上告棄却”. 日本経済新聞社 (2012年7月4日). 2024年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月27日閲覧。