筑豊電気鉄道5000形電車
筑豊電気鉄道5000形電車は、2015年に登場した筑豊電気鉄道(筑鉄)の鉄道車両の一形式である。
筑豊電気鉄道5000形電車 | |
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5000形5001編成 (2015年3月 筑豊香月駅 - 楠橋駅間) | |
基本情報 | |
製造所 | アルナ車両 |
主要諸元 | |
編成 | 3車体2台車固定編成 |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 |
直流600V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 60[1] km/h |
起動加速度 | 2.5 km/h/s |
減速度(常用) | 4.4 km/h/s |
減速度(非常) | 5.0 km/h/s |
編成定員 | 87人(座席34人) |
編成重量 | 約23t |
全長 | 17,600 mm |
全幅 | 2,380 mm |
全高 | 3,970 mm |
主電動機 | 三相かご型誘導電動機 |
主電動機出力 | 85kW |
駆動方式 | 直角カルダン自在継手方式 |
歯車比 | 5.82(64/11) |
編成出力 | 170kW |
制御装置 |
VVVFインバータ制御 (IGBT素子) |
制動装置 | 回生・発電ブレンディングブレーキ |
保安装置 | 自動列車停止装置・保安ブレーキ・デッドマン装置 |
備考 | 型式:リトルダンサーUa |
概要
編集筑鉄としては1988年導入の3000形以来となる新形式車で、既存車両の流用品を使わない純然たる新製車両としては同社初となる車両である。
アルナ車両製のリトルダンサーUaタイプ、3車体2台車型の連接車[2]で全長は17.6m、定員は87名。床面を従来車両より約40cm下げることでホームとの段差をほぼなくした同社初の超低床電車で、運転席前の正面ガラスには曲面ガラスを採用し、かつ傾斜させたエクステリアデザインとしている[2][3]。
インテリアには随所に木材を使用し、座席の柄はマルチストライプ柄とした。環境にも配慮しており、車内照明のLED化や高効率な制御装置と電力回生ブレーキの搭載により、従来の車両と比べて消費電力量の大幅な削減を実現している[2][3]。nimocaのサービスに対応した機器を搭載しており、車内では日本語および英語の自動放送を導入しているほか、遮断機のない踏切の安全対策等としてミュージックホーンを搭載している。ドアチャイムは導入しておらず、自動音声による戸閉予告放送を行う。
本形式の導入ならびにICカード「nimoca」の導入に当たっては国・福岡県および沿線自治体である北九州市・中間市・直方市の財政支援を受けている[2][4][5]。これにちなんで、第1編成・第3編成の車体塗色には、福岡県および3市の花(福岡県:ウメ、北九州市:ツツジ、中間市:コスモス、直方市:チューリップ)に共通するイメージであるピンクを基調とした塗色を採用している[2][6][3]。また、第2編成の塗色には自然豊かな3市と明るい未来をイメージする「ライトグリーン」を[7]、第4編成にはちくてつ電車まつり2016来場者の投票で選ばれた、遠賀川・響灘をイメージした「ライトブルー」を採用している[8]。
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運転台(2021年12月)
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車内(2021年12月)
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扉付近と優先席(2021年12月)
導入と現況
編集第1編成が2014年11月に搬入、11月29日・30日に黒崎車庫で開催された「ちくてつ電車まつり2014」で初公開され[9]、同年12月9日に報道陣に公開された[10]。
2015年3月14日のダイヤ改正時に運行を開始し、nimocaのサービスも他車を含めて全線で導入を開始した[2]。 また、第2編成は2016年3月1日に運行を開始した[7]。2017年2月13日には第3編成も営業運転を開始した[6]。 当初予定の最後の編成となる第4編成は2017年12月4日早朝、楠橋車庫に搬入、12月18日より運行を開始した[8]。これにより、当初計画の4編成が出揃った。
編成とカラー
編集- 5001 ピンク
- 5002 グリーン
- 5003 ピンク (2020年3月の脱線事故により休止していたが、現在は運行している。)
- 5004 水色
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5002(2016年11月 筑豊直方駅)
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5004(2018年8月 筑豊直方駅)
脚注
編集- ^ 筑豊電気鉄道株式会社5000形電車用電機品 - 東洋電機製造『東洋電機技報』第135号(2017年4月・インターネットアーカイブ)。
- ^ a b c d e f 『新型低床式LRT5000形の運行開始および出発式の開催について 国、福岡県、北九州市、中間市、直方市のご支援を頂いて平成27年3月14日(土)に運行を開始いたします。』(PDF)(プレスリリース)筑豊電気鉄道、2015年3月5日。オリジナルの2020年10月16日時点におけるアーカイブ 。2020年11月12日閲覧。
- ^ 平成26年度当初予算案における筑豊電気鉄道の高機能化 (PDF) - 北九州市、2014年2月12日
- ^ “筑豊電鉄:新型車両導入へ ICカードシステムも 沿線3市と支援協定”. 毎日新聞福岡版. (2014年7月11日) 2015年4月17日閲覧。
- ^ a b 『筑豊電気鉄道 低床式車両5003号運行開始 〜平成29年2月13日(月)より〜』(PDF)(プレスリリース)筑豊電気鉄道、2017年2月11日。オリジナルの2020年11月12日時点におけるアーカイブ 。2020年11月12日閲覧。
- ^ a b 『5001号の「ピンク」に続き、5002号は「ライトグリーン」 筑豊電気鉄道 低床式車両5000形の2編成目を導入 〜平成28年3月1日(火)運行開始〜』(PDF)(プレスリリース)西日本鉄道、2016年2月19日。オリジナルの2019年1月30日時点におけるアーカイブ 。2020年11月12日閲覧。
- ^ a b 『低床式車両5000形の4編成目搬入完了 ボディーカラーは遠賀川・響灘をイメージした「ライトブルー」 〜平成29年12月18日(月)運行開始〜』(PDF)(プレスリリース)筑豊電気鉄道、2017年12月8日。オリジナルの2017年12月13日時点におけるアーカイブ 。2020年11月12日閲覧。
- ^ “『ちくてつ電車まつり2014』で5000形が展示される”. 鉄道ファン 鉄道ニュース (2014年11月30日). 2015年4月17日閲覧。
- ^ “筑豊電鉄に新型車両「5000形」”. 読売新聞九州版. (2014年12月9日) 2015年4月16日閲覧。