第32回スーパーボウル
第32回スーパーボウル(だい32かいスーパーボウル、Super Bowl XXXII)は1998年1月25日にカリフォルニア州サンディエゴのクアルコム・スタジアムで行われた32回目のスーパーボウル。AFCチャンピオンであるデンバー・ブロンコスとNFCチャンピオンであるグリーンベイ・パッカーズの対戦。ブロンコスがパッカーズを31-24で破って、5度目の出場でチーム創設以来初めてのスーパーボウル制覇を果たした。MVPはブロンコスのランニングバックであるテレル・デービスが受賞した。ブロンコスの勝利で第19回スーパーボウルから続いていたスーパーボウルでのNFCチームの連勝は、13連勝で止まった[1]。ワイルドカードからプレーオフを勝ち上がったチームがスーパーボウルを制覇したのは2度目のことであった[1]。また、ブロンコスのQBエルウェイはQBの当たり年として知られた83年ドラフトの1巡目指名のQB(83年組)であり、83年組が10回目の挑戦で初めてスーパーボウルに勝利したことが話題となった。
第32回スーパーボウル Super Bowl XXXII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 1998年1月25日 | ||||||||||||||||||||||||
スタジアム | クアルコム・スタジアム | ||||||||||||||||||||||||
開催地 | カリフォルニア州サンディエゴ | ||||||||||||||||||||||||
MVP | テレル・デービス, ブロンコス | ||||||||||||||||||||||||
優勝予想 | Packers by 11 | ||||||||||||||||||||||||
国歌斉唱 | ジュエル | ||||||||||||||||||||||||
コイントス | ジョー・ギブス、ダグ・ウィリアムス、エディ・ロビンソン | ||||||||||||||||||||||||
ハーフタイム | ボーイズIIメン スモーキー・ロビンソン テンプテーションズ フォー・トップス | ||||||||||||||||||||||||
入場者数 | 68,912 | ||||||||||||||||||||||||
アメリカにおけるテレビ放送 | |||||||||||||||||||||||||
ネットワーク | NBC | ||||||||||||||||||||||||
実況と解説 | ディック・エンバーグ、フィル・シムズ、ポール・マグワイア | ||||||||||||||||||||||||
視聴率 | 44.5 (全米) | ||||||||||||||||||||||||
占有率 | 67 (全米) | ||||||||||||||||||||||||
CM広告料 (30秒) |
130万ドル | ||||||||||||||||||||||||
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テレビ中継はNBCが担当した。
背景
編集1993年10月26日にシカゴで行われたオーナー会議でサンディエゴでの開催が決まった。サンディエゴで開催される大会は第22回スーパーボウル以来10年ぶり2度目のことであった。
グリーンベイ・パッカーズ
編集パッカーズは、13勝3敗の成績でNFC中地区優勝、2年連続スーパーボウル出場を果たした。オフェンスは得点でリーグ2位、獲得ヤードでリーグ4位、ディフェンスは失点でリーグ5位、喪失ヤードで7位の成績を残した。
ブレット・ファーヴはパス513回中304回成功、3,867ヤードを獲得、35タッチダウン、16インターセプト、ランでもチーム2位の187ヤードを走り、史上初の3回目のMVPに選ばれた選手となった(この年はデトロイト・ライオンズのバリー・サンダースとともに同時表彰。)。WRアントニオ・フリーマンがチームトップの81回のレシーブで1,243ヤードを獲得、12タッチダウンをあげた。WRロバート・ブルックスがディープスリートとして60回のレシーブで1,010ヤードを獲得、7タッチダウンをあげた。TEマーク・チュムラは38回のレシーブで417ヤードを獲得、6タッチダウン、プロボウルに選ばれた。RBドーシー・レーベンスは1,435ヤードを走り7タッチダウン、53回のレシーブで373ヤードを獲得、プロボウルに選ばれた。FBウィリアム・ヘンダーソンは113ヤードを走るとともに、41回のレシーブで367ヤード、1タッチダウンをあげた。スペシャルチームではビル・シュローダーが33回のパントリターンで342ヤード、24回のキックオフリターンで562ヤードを獲得した。
ディフェンスラインではベテランのレジー・ホワイトがチームトップの11サックをあげた。ラインバッカーでは、サンタナ・ドットソンが37タックル、5.5サックをあげた。ディフェンスバックでは、リロイ・バトラーがチームトップの5インターセプトに加えて70タックルをあげた。Sユージン・ロビンソンはチームトップの74タックルに加えて2.5サック、2ファンブルリカバー、1インターセプトを記録した。CBマイク・プライアーが4インターセプト、新人のダレン・シャーパーは2インターセプトし、いずれもリターンタッチダウンをあげた。
デンバー・ブロンコス
編集ブロンコスは、第12回スーパーボウル、第21回スーパーボウル、第22回スーパーボウル、第24回スーパーボウルとこれまでスーパーボウルに4回出場したがいずれも敗れた。しかも彼らは大差で敗れており、4試合の得失点は、50得点に対して163失点であった。過去3回のスーパーボウルの先発QBはジョン・エルウェイで彼は4年間で3回AFCチャンピオンシップゲームで勝利、スーパーボウルに出場した。彼は1991年にもAFCチャンピオンシップゲームにチームを導いたが、バッファロー・ビルズに7-10で敗れ第26回スーパーボウル出場は果たせなかった。
1995年、マイク・シャナハンがヘッドコーチに就任した。シャナハンは、ダン・リーブスの下で攻撃コーディネーターを務めていたが1991年に解雇され、1992年から1994年まではサンフランシスコ・フォーティナイナーズの攻撃コーディネーターとして第29回スーパーボウル優勝を味わった。彼の在任中、ナイナーズのオフェンスは毎年獲得ヤードでリーグ1位であった。1995年のドラフト6巡でテレル・デービスを獲得、彼はチームのラン攻撃再建のキーパーソンとなった。彼は1年目に1,117ヤードを獲得、この年チームは8勝8敗であった。
1996年、オフェンスはリーグトップの5,791ヤードを獲得、AFCトップの13勝3敗の成績をあげたが、プレーオフでチーム創設2年目のジャクソンビル・ジャガーズに27-30で敗れた。
1997年もオフェンスはリーグトップの5,872ヤードを獲得、リーグトップの472得点をあげた。12勝4敗で13勝3敗をあげたカンザスシティ・チーフスに次いでAFC西地区2位でシーズンを終えた。
テレル・デービスは、1,750ヤードを走り、15タッチダウン、42回のレシーブで287ヤードを獲得した。37歳のエルウェイは、3,635ヤードを獲得、27タッチダウン、11インターセプトの成績でプロボウルに選ばれた。TEシャノン・シャープが72回のレシーブで1,107ヤード、ドラフト外入団で過去2年間に22回のレシーブ、389ヤード、3タッチダウンであったWRロッド・スミスが70回のレシーブで1,180ヤード、12タッチダウンと活躍した。1994年にシャナハンの下でナイナースでプレーしたWRエド・マカフリーが45回のレシーブで590ヤード、8タッチダウンをあげた。オフェンスラインには、7度目のプロボウルに選ばれたLTゲイリー・ジマーマン、Cトム・ネイレンもプロボウルに選ばれた。
ディフェンスラインには、元カンザスシティ・チーフスのニール・スミスが28タックル、6.5サックをあげた。DEアルフレッド・ウィリアムズも36タックル、8.5サック、ラインバッカーには、55タックル、2サックをあげたビル・ロマノウスキー、4サック及びチームトップの97タックルをあげたジョン・モブリー、ディフェンスバックにはチームトップの4インターセプトをあげたタイロン・ブラックストン、53タックル、1サック、2ファンブルフォース、2インターセプトをあげたスティーブ・アトウォーター、50タックル、2サック、4ファンブルリカバー、4インターセプトをあげたダリエン・ゴードンの存在があった。
プレーオフ
編集ブロンコスは、ジャクソンビル・ジャガーズに42-17、カンザスシティ・チーフスに14-10、ピッツバーグ・スティーラーズに24-21で勝利し、スーパーボウル出場を決めた。
パッカーズは、タンパベイ・バッカニアーズに21-7、サンフランシスコ・フォーティナイナーズに23-10で勝利し、スーパーボウル出場を決めた。
試合前の話題
編集前年の第31回スーパーボウルでニューイングランド・ペイトリオッツを35-21で破ったディフェンディングチャンピオンのパッカーズが13勝3敗、プレーオフでも楽勝していたことから、12勝4敗でプレーオフでも接戦を演じたブロンコスより11.5点有利と予想された。
各選手はスーパーボウルのロゴが縫い付けられたユニフォームでプレーした。ロゴ入りのユニフォームで選手がプレーしたのは第25回スーパーボウルに続いて2度目のことであった。
放送とエンターテインメント
編集NBCが全米中継を行い、実況をディック・エンバーグ、解説をフィル・シムズ、ポール・マグワイアが担当した。
日本ではNHK-BS(実況:近藤冨士雄、解説:大社充)の他に、日本テレビが4年ぶりに中継を行った(実況:増田隆生、解説:後藤完夫、ゲスト:掛布雅之)[2]。
ハーフタイムショーには、ボーイズIIメン、スモーキー・ロビンソン、テンプテーションズ、フォー・トップスが出演した。
試合経過
編集ドライブごとの試合経過 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ファーヴからフリーマンへの13ヤードのタッチダウンパスでパッカーズが7-0と先制した。ブロンコスはデービスのタッチダウンで7-7の同点に追いついた[1]。
その後、ファーヴがロバート・ブルックスを狙ったパスをブラックストンがインターセプト、敵陣45ヤード地点からの攻撃権を得た。エルウェイの1ヤードのタッチダウンランで14-7とリード、さらにパッカーズの攻撃でアトウォーターがブリッツし、ファーヴがボールをファンブル、ニール・スミスがボールを敵陣33ヤード地点でリカバーした。ジェイソン・イーラムが51ヤードのFGを決めて第2Q残り12分21秒、ブロンコスは17-7とリードを広げた。前半残り12秒にチュムラが6ヤードのタッチダウンレシーブをあげた。後半最初のドライブでブロンコスはテレル・デービスがファンブル、第3Q残り11分59秒にライアン・ロングウェルの27ヤードのFGが成功、パッカーズが17-17の同点に追いついた。デービスの2回目のタッチダウンでブロンコスは24-17とリードした。第4Q初めにファーヴがフリーマンへの13ヤードのタッチダウンパスを通して24-24の同点となった[1]。ブロンコスは、FBハワード・グリフィスへの23ヤードのパス、パッカーズの2度の反則で25ヤードを前進、第4Q残り1分45秒にデービスがあげた1ヤードのTDランが決勝点となった[1]。パッカーズの最後の攻撃では第4ダウンにファーヴが投げたパスをモブリーがたたき落として試合は終わった[1]。
テレル・デービスは、偏頭痛に悩まされながら30回のランで157ヤードを走り[3]スーパーボウル史上初めて3タッチダウンランをあげた[1]。ブロンコスディフェンスは、ブリッツを多用し、ファーヴから3回ターンオーバーでボールを奪った[1]。エルウェイは、パス22回中12回成功、123ヤード、タッチダウンなし、WRへのパスはマカフリーへの2回のみであった。
ファーヴは、パス42回中25回成功、3タッチダウン、1インターセプトであったがブロンコスディフェンスの落球でインターセプトとならなかったプレーが少なくとも3回はあった[1]。
スターティングラインアップ
編集トーナメント表
編集12月28日 フーリハンズ・スタジアム |
1月4日 ランボー・フィールド |
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5 | ライオンズ | 10 | ||||||||||||||||
4 | バッカニアーズ | 7 | ||||||||||||||||
4 | バッカニアーズ | 20 | 1月11日 3Comパーク | |||||||||||||||
2 | パッカーズ | 21 | ||||||||||||||||
NFC | ||||||||||||||||||
12月27日 ジャイアンツ・スタジアム |
2 | パッカーズ | 23 | |||||||||||||||
1月3日 3Comパーク | ||||||||||||||||||
1 | 49ers | 10 | ||||||||||||||||
6 | バイキングス | 23 | NFC チャンピオンシップ | |||||||||||||||
6 | バイキングス | 22 | ||||||||||||||||
3 | ジャイアンツ | 22 | 1月25日 クアルコム・スタジアム | |||||||||||||||
1 | 49ers | 38 | ||||||||||||||||
ワイルドカード・プレーオフ | ||||||||||||||||||
ディビジョナル・プレーオフ | ||||||||||||||||||
12月27日 マイルハイ・スタジアム |
N2 | パッカーズ | 24 | |||||||||||||||
1月4日 アローヘッド・スタジアム | ||||||||||||||||||
A4 | ブロンコス | 31 | ||||||||||||||||
5 | ジャガーズ | 17 | 第32回スーパーボウル | |||||||||||||||
4 | ブロンコス | 14 | ||||||||||||||||
4 | ブロンコス | 42 | 1月11日 スリー・リバース・スタジアム | |||||||||||||||
1 | チーフス | 10 | ||||||||||||||||
AFC | ||||||||||||||||||
12月28日 フォックスボロ・スタジアム |
4 | ブロンコス | 24 | |||||||||||||||
1月3日 スリー・リバース・スタジアム | ||||||||||||||||||
2 | スティーラーズ | 21 | ||||||||||||||||
6 | ドルフィンズ | 3 | AFC チャンピオンシップ | |||||||||||||||
3 | ペイトリオッツ | 6 | ||||||||||||||||
3 | ペイトリオッツ | 17 | ||||||||||||||||
2 | スティーラーズ | 7 | ||||||||||||||||
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脚注
編集- ^ a b c d e f g h i Justice (1998年1月26日). “Elway, AFC Finally Have Super Moment”. ワシントン・ポスト. 2020年6月24日閲覧。
- ^ “増田隆生氏に聞く! 日本テレビ スーパーボウル中継史”. NFL JAPAN (2011年1月). 2015年2月14日閲覧。
- ^ Aaron Tallent (2020年2月4日). “50 Greatest Super Bowl Performances of All Time”. ATHLON SPORTS. 2020年6月24日閲覧。