第27ロケット砲兵旅団 (ウクライナ陸軍)

第27ロケット砲兵旅団(だい27ロケットほうへいりょだん、ウクライナ語: 27-ма реактивна артилерійська бригада、略称:27 РеАБр)は、ウクライナ陸軍旅団。陸軍司令部隷下で、スームィ州の州都スームィに旅団本部を置く。

第27ロケット砲兵旅団
27 ма реактивна артилерійська бригада
創設 2008年5月14日
所属政体  ウクライナ
所属組織 ウクライナ陸軍
部隊編制単位 旅団
兵科 ロケット・砲兵
所在地 スームィ州スームィ
通称号/略称 A1476
愛称 ペトロ・カルニシェフスキー
上級単位 陸軍司令部
主な戦歴 ドンバス戦争
ロシアのウクライナ侵攻
指揮官 ドミトロ・クラパッハ大佐
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ウクライナ軍で高機動ロケット砲システムHIMARSが配備されている唯一の部隊として知られる[1]

概要

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2008年5月14日、第27ロケット砲兵連隊としてスームィ州スームィで創設された。

ドンバス戦争

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第27ロケット砲兵旅団旧部隊章

2014年7月からドンバス戦争で東部ドネツィク州ルハーンシク州に配置された。

2015年3月、部隊増強に伴い、第27ロケット砲兵旅団に改編、2020年12月5日にはウォロディミル・ゼレンスキー大統領から、名誉称号「ペトロ・カルニシェフスキー」を授与された[2]

ロシアのウクライナ侵攻

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ロシアのウクライナ侵攻では、2022年5月にアメリカ合衆国供与の高機動ロケット砲システムHIMARSが配備された。HIMARS配備部隊は朝方や夕暮れに射撃任務を行い、それ以外では車両を頻繁に移動させたり隠匿させることで位置が露呈しないようにしている[1]

2022年12月6日、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領から、勇気と勇敢さに対する栄誉賞を授与された[3]

2023年1月、東部ドネツィク州マキイウカのロシア軍訓練施設を破壊し、将校を含むロシア兵89人が戦死したとロシア国防省が発表し、一日のロシア兵の最多戦死者数記録を更新した[4]

2023年3月に北東部ハルキウ州クプヤンシク地区、8月に南部ザポリージャ州ザポリージャ地区に展開しているのが確認された[5][6]

2024年3月、HIMARSで1週間に3回の攻撃を行い、第36独立親衛自動車化狙撃旅団英語版のフセイン・ムサエフ旅団長を含むロシア軍将兵百数十人を殺害するなど順調だったが、東部ドネツィク州ニカノリウカの樹林帯でHIMARSの撃破が視覚情報で初めて確認された[1]。以前からロシア国防省はHIMARS撃破と称した動画をたびたび投稿していたが、動画内でHIMARSが確認できないなど信憑性に欠けていた[7]

編制

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2024年時点での編制は以下のとおりである[8]

主要装備

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旅団の主要装備は以下のとおりである[8]

脚注

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出典

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  1. ^ a b c ウクライナ軍の虎の子兵器HIMARS、ついにロシア軍に撃破される”. フォーブス・ジャパン (2024年3月6日). 2024年7月5日閲覧。
  2. ^ УКАЗ ПРЕЗИДЕНТА УКРАЇНИ №546/2020” (ウクライナ語). ウクライナ大統領府 (2020年12月5日). 2024年7月5日閲覧。
  3. ^ УКАЗ ПРЕЗИДЕНТА УКРАЇНИ №833/2022” (ウクライナ語). ウクライナ大統領府 (2022年12月6日). 2024年7月5日閲覧。
  4. ^ ウクライナ東部での攻撃 ロシア国防省、兵士死者数を89人に引き上げ ウクライナ東部での攻撃”. CNN (2023年1月4日). 2024年7月5日閲覧。
  5. ^ @MilitaryLand.net (2023年3月2日). "2023年03月03日00:49のポスト" (英語). X(旧Twitter)より2024年7月5日閲覧
  6. ^ ウォロディミル・ゼレンスキー 2023年8月27日18:53の投稿” (ウクライナ語). Telegram. 2024年7月5日閲覧。
  7. ^ ロシア、米供与のロケット砲システム2基破壊と主張 ウクライナは「偽情報」”. CNN (2022年7月7日). 2024年7月5日閲覧。
  8. ^ a b 27th Rocket Artillery Brigade” (英語). Military Land. 2024年6月5日閲覧。

外部リンク

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