第25回都市対抗野球大会
第25回都市対抗野球大会(だい25かいとしたいこうやきゅうたいかい)は、1954年8月1日から8月9日まで後楽園球場で開かれた都市対抗野球大会である。
概要
編集- 大会が25回を迎えた記念として、出場チームを5チーム増やし、史上最多の25チームによる大会となった。そのため大会期間も最長の9日間となった。また、1950年には完成していた後楽園球場の照明設備を活用すべく、あらかじめナイトゲームを日程に組み込んだ。
- 大勝あり、接戦ありと多彩な25試合が繰り広げられたが、2回戦の川崎トキコ-鐘淵化学戦で川崎トキコの岡本教平投手が大会2例目のノーヒットノーランを達成した。出した走者は四球1の準完全試合。なお、この試合で川崎トキコも1安打に抑えられ、1試合の両チーム合計最少安打1も記録している。(両チーム唯一の安打は岡本の3塁強襲安打で、決勝点はスクイズでもたらされた。)
- 優勝したのは、古豪・八幡製鉄。北九州予選では日鉄二瀬に敗れ、ラストチャンスの九州予選(第3代表決定戦)で大分鉄道管理局を降して本戦に出場していることから戦前の下馬評は高くなかったが、本戦では守りからリズムを作って打線が活発に機能する好循環を見せ、17年ぶり2回目の黒獅子旗を手にした。この優勝が、2023年現在、九州勢として最後の優勝となっている。
予選
編集→詳細は「第25回都市対抗野球大会予選」を参照
出場チーム
編集大会
編集1回戦
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勝:服部 敗:黒柳
勝:山本治 敗:笠倉
勝:西村 敗:富田 本:高遠、鈴木(以上全藤倉)
勝:小竹 敗:野見山
勝:小武方 敗:溝畑 |
勝:佐藤 敗:隈元 本:宮原(鋼管)
勝:畑間 敗:真下
勝:浜田 敗:酒井 本:前田(ビール)
勝:平古場 敗:細田 |
2回戦
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勝:服部 敗:高林
勝:岡本 敗:山本治
勝:西村 敗:越石
勝:真鍋 敗:小竹 本:佐々木(吹田) |
勝:小武方 敗:上田
勝:佐藤 敗:佐竹 本:吉村(鋼管)
勝:福島 敗:井上 本:小林(八幡)
勝:平古場 敗:二階堂 本:岩本(全鐘紡) |
準々決勝
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勝:征矢 敗:服部 本:小林、軽部、手代木、外園(以上トキコ) ※トキコの4本塁打のうち、3本は代打によるもの。
勝:西村 敗:西川 ※全藤倉の西村一孔投手は1回戦から3試合連続完封勝利。 |
勝:小武方 敗:佐藤 本:鎌田(鋼管)
勝:福島 敗:河合 |
準決勝
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勝:本田 敗:岡本 本:小林(トキコ)、石原、天野(以上全藤倉) |
勝:福島 敗:小武方 |
3位決定戦
編集- 3位決定戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
川崎トキコ | 5 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 10 |
富士鉄釜石 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 |
勝:征矢 敗:古田 本:福田、古賀(以上釜石)
決勝
編集- 決勝戦(8月9日)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
八幡製鉄 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
全藤倉 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
勝:畑間 敗:西村 本:井原、石橋(以上八幡)
(八幡製鉄は17年ぶり2回目の優勝)
表彰選手
編集- 橋戸賞 井原数巳三塁手(八幡製鉄)
- 久慈賞 大館盈六遊撃手(全藤倉)
脚注
編集- ^ 『日本社会人野球協会会報1954』日本社会人野球協会、22頁 。