空港使用料(くうこうしようりょう)とは、空港を利用した航空機民間機)の運航主体及びその旅客に対し、その空港の管理主体(航空当局や空港会社等)が課す料金等の総称である。

概要

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空港使用料は空港使用の対価として空港の管理主体より請求される。料金は航空会社等の運航主体に課されるものと旅客に課されるものに大別される。

一般旅客に課すものは予め航空券購入の際に運賃に上乗せされ、航空会社を介して空港の管理主体に支払われることが多い。

日本の航空会社のコストに占める空港使用料(着陸料、旅客施設使用料、停留料等)の割合は10%程度である[注釈 1][1]

主な空港使用料

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空港使用料の内容や名称はその空港の料金政策により様々であり、ここでは一般的な料金を挙げる。

料金名称 概要
着陸料 着陸時に航空機が空港のインフラストラクチャーを使用した対価として運航主体に課される料金。着陸毎に当該機体の最大離陸重量に応じて請求されるのが一般的。
停留料 一定の時間以上空港内に停留する航空機について、運航主体に課される料金。日本では停留時間と航空機の最大離陸重量に応じて加算される 。
旅客取扱施設利用料 ターミナルビルを使用する旅客に対して課される料金。旅客サービス施設使用料とも呼ばれる。共用スペースの諸施設や、空港情報表示システムなどの、旅客サービス設備の整備・運営費用に充当される。略称は PSFC(Passenger Service Facility Charge)または PFC(Passenger Facility Charge)。空港の滞在時間が長く、設備が充実している出発エリアを使用することから、出発客にのみ課すことが多い。
旅客保安サービス料 保安検査や受託手荷物検査を受ける旅客に対して課される料金。保安検査及び受託手荷物検査に必要な人件費の他、爆発物探知装置金属探知機等の設備費、旅客ターミナルビルの保安維持等の空港警備に充当される。略称は PSSC(Passenger Security Service Charge)。世界の空港では Security Service Surcharge 等の名称が用いられる。
搭乗橋使用料 ターミナルビルに付属する搭乗橋を使用する運航主体に対して課される料金。
手荷物取扱施設使用料 バゲージハンドリングシステム英語版(BHS)を使用する運航主体に対して課される料金。
空港税 国や空港毎に、空港整備料英語版(Airport improvement fee)、入国審査料(Immigration Inspection Fee)、税関審査料(Customs Fees)、通行税(Transportation Tax)、出国税(Embark Tax、Departure Tax)、外国人入国税(Alien Tax)等、様々な名称で空港の利用者から租税が徴収される。旅行業界等では、旅客に課されるものをまとめて(実際には租税でない料金であっても)「空港税」と呼ぶことがある。

世界の主な空港別国際線旅客1人当たりの空港使用料

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成田国際空港株式会社2016年3月期決算説明会資料より

空港 総額 着陸料 運航主体負担 旅客負担
  日本 羽田 7,249 3,600 1,079 2,570
  日本 成田 5,724 2,325 789 2,610
  日本 関西 6,664 2,985 639 3,040
  日本 中部 5,746 2,490 686 2,570
  アメリカ合衆国 ジョン・F・ケネディ 10,949 2,375 349 8,225
  イギリス ヒースロー 26,264 1,165 3,407 21,692
  フランス シャルル・ド・ゴール 9,753 1,054 1,286 7,413
  ドイツ フランクフルト 13,801 903 2,799 10,099
  カナダ トロント 7,273 2,274 2,714 2,285
  韓国 仁川 3,341 1,290 351 1,700
  シンガポール チャンギ 4,374 1,433 76 2,865
  香港 香港 4,444 1,487 152 2,805
  中国 上海浦東 5,141 1,235 865 3,041
  オーストラリア シドニー 11,590 0 1,453 10,137

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 燃料費が20~30%、人件費が20%程度とされる[1]

出典

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参考文献

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  • 成田国際空港振興協会 『2016成田空港ハンドブック』
  • 国土交通省航空局『数字で見る航空 2016』、航空振興財団、2016年