移牧(いぼく)とは、季節ごとに決まった放牧地間を移動する放牧の一形態。

バルカン半島での移牧ルート
スペインでの移牧ルート

概要

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スイスなどアルプス山脈周辺で行われている、夏に標高の高い草地(アルプ)で放牧し、冬に低地に移動する形態が、垂直移牧(vertical transhumance)の典型例。谷側に定住する家を持つ。対照的に、平原を季節で移動する水平移牧(遊牧、horizontal transhumance)は、気候・経済・政治的な混乱に見舞われやすい[1]

その他、ヨーロッパアジアアフリカ各地に類似の放牧が存在している。オーストリアギリシャイタリア地中海沿岸とアルプス山脈の間の移牧は2019年にユネスコ無形文化遺産に登録され[2]、そして2023年にアルバニアアンドラクロアチアフランスルクセンブルクルーマニアスペインに拡張登録した[3]

地域別

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脚注・出典

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  1. ^ Blench, Roger (17 May 2001). 'You can't go home again' – Pastoralism in the new millennium. London: Overseas Development Institute. p. 12. http://www.odi.org.uk/work/projects/pdn/eps.pdf 
  2. ^ UNESCO - Transhumance, the seasonal droving of livestock along migratory routes in the Mediterranean and in the Alps” (英語). ich.unesco.org. 2023年4月30日閲覧。
  3. ^ UNESCO - Transhumance, the seasonal droving of livestock” (英語). ich.unesco.org. 2023年12月9日閲覧。
  4. ^ Pyrénées - Mont Perdu” (英語). UNESCO World Heritage Centre. 2023年4月30日閲覧。

関連項目

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