神戸コレクション(こうべコレクション)は、例年、兵庫県神戸市にて開催されている、リアル・クローズを対象としたファッションショーおよび音楽イベントである。神コレ(こうコレ、しんコレ)と略されることがある[2]

神戸コレクション
KOBE COLLECTION
2008年より「神戸コレクション」が開催されている ワールド記念ホール
2008年より「神戸コレクション」が開催されている
ワールド記念ホール
イベントの種類 ファッションショー
通称・略称 神コレ
正式名称 神戸コレクション
開催時期 A/W:8月下旬 - 9月上旬
S/S:2月下旬 - 3月上旬
初回開催 2003年平成15年)
会場 ワールド記念ホール
主催 毎日放送
後援 兵庫県、神戸市、神戸ファッション協会、神戸商工会議所、神戸新聞社
企画制作 神戸コレクション制作委員会(毎日放送・TBS・アイグリッツ
協力 特別協力:『JJ』(光文社
協力:日比谷花壇
プロデューサー 高田恵太郎
平藤真治((株)アイグリッツ)
下中大介((株)毎日放送)
来場者数 11,088人
(2009年S/Sの値[1]
ワールド記念ホールへの交通アクセス
最寄駅 神戸新交通ポートアイランド線市民広場駅
駐車場 あり
公式サイト
テンプレートを表示

和田祐介((株)毎日放送)が企画立案。プロデューサー日笠賢治((株)毎日放送)・高田恵太郎平藤真治((株)アイグリッツ)、アドバイザー芝本裕子と制作した初公演は2003年平成15年)春開催。リアルクローズ対象のショーため、春開催はS/S[注釈 1]、秋開催はA/W[注釈 2]となっている。現在は東京ガールズコレクションといった類似イベントが日本全国で開催されているが、神戸コレクションはリアルクローズ対象のファッションイベントの先駆けとなったショーである。

かつては東京公演も行われていたが、2012年平成24年)に開催10年を迎えたことを機に、東京公演は『東京ランウェイ』(TOKYO RUNWAY) へと進化独立している。

概要

編集

パリミラノなどで開催されるファッションショーが、高級メーカーの服飾デザイナーによる新作発表を目的としてバイヤージャーナリストなど、業界関係者のみを対象とするのに対し、神戸コレクションは、メーカーの新作発表だけではなく、セレクトショップや若いデザイナー意匠発表の場を兼ねている。また、流通業者の小売促進や美容業の宣伝も目的に含むファッションイベントである。よって、10代から20代の若い女性を集客するという特徴があり、テレビ放送だけではなく、ブログサイトや携帯サイト、ネット配信インターネット放送)も行われている[3]

消費者への宣伝と販売を目的とするイベントは、個社レベルでは以前からあったものの、若いデザイナーの発表の場を提供したり、多数のメーカー、マスメディア、流通業者等の協働による、消費者参加型のファッションショーが定期的に開催されるのは、神戸コレクションが最初である。なお、新人デザイナーに広く門戸を開放している点では、大阪でのファッションショーが1987年昭和60年)から毎年開催されている[4]

神戸のアパレル業の知名度の高さや阪神間の良家子女に見られたファッションスタイル(阪神間モダニズム神戸系ファッションを参照)が女性誌(ファッション雑誌)によく紹介され、独特のファッションとして認識されている背景が、イベント発展の一助となっている。

2006年(平成18年)の秋・冬公演(AUTUMN/WINTER)以降は、神戸をさらなるファッション都市として盛り上げるための連動イベントとして、「神戸ファッションウィーク」が開催されている。

2007年(平成19年)には、初の海外公演として上海公演が開催された。

神戸公演については、2007年の秋・冬公演まで神戸ファッションマート2008年(平成20年)の春・夏公演(SPRING/SUMMER)から2019年(令和元年)の秋・冬公演まで神戸ワールド記念ホールで開催されていた。

2020年(令和2年)には、神戸ワールド記念ホールが大規模な改修工事で上半期(1月4日 - 6月30日)に使用できないこと[5]を受けて、春・夏公演を休止した。その一方で、4月11日(土曜日)・12日(日曜日)には、「Groovy Day(グルーヴィー・デイ)」というプロデュースイベントを神戸空港内のスカイマーク格納庫で開催する予定だった[6]。しかし、同年の初頭から日本国内で新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の流行が拡大していることを受けて、2日間とも公演の中止を余儀なくされた。例年には秋・冬公演を開催する時期にも感染の終息が見通せないことから、10月18日(日曜日)には、コレクション史上初のオンラインイベントとして「神戸コレクション The New Reality(ザ・ニュー・リアリティ)」を開催。神戸コレクションがLINE上に設けている公式アカウントへの「お友だち登録」と、参加へのエントリー手続きを事前に済ませていれば、インターネット経由で全てのイベントに無料で参加できるようになっていた。

2021年(令和3年)には、三宮元町エリア(神戸市中央区)での屋外イベントとオンラインイベントを組み合わせた「神戸コレクション2021 - Color Your Life-」の開催を4月24日(土曜日)に予定していた。しかし、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく蔓延防止等重点措置が同月1日から神戸市内へ発令されたことを受けて、開催を6月19日(土曜日)まで延期。延期中に上記の措置が緊急事態宣言に切り替わったため、当初予定していた屋外イベントを中止したうえで、神戸酒心館ホール(神戸市東灘区)からの全編ライブ配信に変更した[7]。後に緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置が順次解除されるなど、COVID-19の感染者数が日本国内で減少の傾向にあることから、11月27日(土曜日)・28日(日曜日)には「神戸コレクション2021_TRIP」を三宮・元町エリアで開催。2019年の秋・冬公演まで上記の屋内会場に設けられていたランウェイが屋外で本格的に再現された一方で、インターネット上ではイベント動画のライブ配信を実施した[8]

実際には「2021_TRIP」の開催を機に、屋内施設を使用する「箱型」のファッションショーから、「神戸の街と楽しむファッションイベント」と銘打って屋外での開催へ完全に移行。2022年(令和4年)以降は、三宮エリアに所在する三宮センター街生田神社東遊園地を会場に使用している[9]

開催時期

編集

基本として年に2回開催されているが、1回だけにとどめる年もある。

  • 秋・冬公演(AUTUMN/WINTER:略称A/W) - 8月下旬 - 9月上旬
  • 春・夏公演(SPRING/SUMMER:略称S/S)- 2月下旬 - 3月上旬

開催地

編集

3年目以降は神戸以外の都市においても公演が行われている。2007年(平成19年)2月10日には上海、正大広場で開催された。日本同様に、メディアとショーを連動させ、上海のお洒落な女性に新しいムーブメントを興そうとしている。

季節 神戸公演 関東公演 名古屋公演 plus神戸公演 plus名古屋公演
2003年 春・夏 神戸ファッションマート      
秋・冬 神戸ファッションマート      
2004年 春・夏 神戸ファッションマート      
秋・冬 神戸ファッションマート 東京・STUDIO COAST   神戸ファッション美術館 
2005年 春・夏 神戸ファッションマート 東京・東京国際フォーラムホールB7   兵庫県公館 
秋・冬 神戸ファッションマート 東京・東京国際フォーラムホールB7 Zepp NAGOYA 兵庫県公館   
2006年 春・夏 神戸ファッションマート 横浜・パシフィコ横浜展示ホールA   KITANO CLUB “sola"
秋・冬 神戸ファッションマート 横浜・パシフィコ横浜展示ホールA   KITANO CLUB “sola"
2007年 春・夏 神戸ファッションマート 横浜・パシフィコ横浜展示ホールA   KITANO CLUB “sola"
秋・冬 神戸ファッションマート 東京・グランドプリンスホテル新高輪   KITANO CLUB “sola"
2008年 春・夏 ワールド記念ホール 東京・グランドプリンスホテル新高輪   KITANO CLUB “sola" Hilton Nagoya
秋・冬 ワールド記念ホール 東京・両国国技館   KITANO CLUB “sola" Hilton Nagoya
2009年 春・夏 ワールド記念ホール 東京・グランドプリンスホテル新高輪   KITANO CLUB “sola" Hilton Nagoya
秋・冬 ワールド記念ホール 東京・グランドプリンスホテル新高輪   RAVIMANA KOBE
2010年 春・夏 ワールド記念ホール 東京・グランドプリンスホテル新高輪   KITANO CLUB “sola"
秋・冬 ワールド記念ホール 東京・グランドプリンスホテル新高輪   KITANO CLUB “sola"
2011年 春・夏 ワールド記念ホール 東日本大震災の為中止    KITANO CLUB “sola"
秋・冬 ワールド記念ホール 東京・グランドプリンスホテル新高輪   KITANO CLUB “sola"
2012年 春・夏 神戸ワールド記念ホール -  -  -
秋・冬 神戸ワールド記念ホール - - -
2013年 春・夏 神戸ワールド記念ホール -  -  -
秋・冬 神戸ワールド記念ホール - - -
2014年 春・夏 神戸ワールド記念ホール -  -  -
秋・冬 神戸ワールド記念ホール - - -
2015年 春・夏 神戸ワールド記念ホール -  -  -
秋・冬 神戸ワールド記念ホール - - -
2016年 春・夏 神戸ワールド記念ホール -  -  -
秋・冬 神戸ワールド記念ホール - - -
2017年 春・夏 神戸ワールド記念ホール -  -  -
秋・冬 神戸ワールド記念ホール - - -
2018年 春・夏 神戸ワールド記念ホール -  -  -
秋・冬 神戸ワールド記念ホール - - -
2019年 春・夏 神戸ワールド記念ホール -  -  -
秋・冬 神戸ワールド記念ホール - - -
2021年 秋・冬 三宮・元町エリア
三宮センター街
三宮中央通り
フラワーロード
三宮プラッツ
大丸神戸店横)
2022年 春・夏 三宮センター街
秋・冬 生田神社
2023年 春・夏 東遊園地

2020年には、神戸ワールド記念ホールの改修工事に伴って、春・夏公演を休止することが当初から決まっていた。以降の公演は、特定の集客施設を会場に使用していない。

神コレ会場となったことがある施設の写真

編集

主な出展ブランド

編集

出展されるブランドは、30前後に及ぶ。

  • blancheur
  • clear
  • xe
  • JETTY
  • nicole millar
  • MOSCHINO
  • COONY BILLIA
  • MURUA
  • MERCURYDUO
  • Nina mew
  • Rue de B

 

など。

主な出演者

編集

特別協力しているファッション雑誌『JJ』のモデルをはじめとして、ゲストモデル、ゲスト、シークレットゲスト、アーティスト、MCが出演。

2003年春夏から2005年春夏まで、ファッション雑誌『ViVi』が特別協力していた。それ以外の開催はすべて『JJ』が特別協力している。開催ごとにテーマソングがあり、出演アーティストの代表が歌っている。主催が毎日放送ということもあり、毎日放送の番組(神戸コレクションに無関係な番組も含む)に出演しているタレントもゲスト出演している。

これまでの公演における主な出演者は以下のとおりである。

神コレモデルオーディション

編集

2007年

編集

2007年S/Sに、神戸コレクション5周年、第10回目となることから記念し行われた(2006年A/Wにて実施が発表)。

2次選考を通過した11名から下記の女の子がグランプリ等に選ばれた。グランプリには、JJTBCの広告でモデルデビューが予定されている。

2008年

編集

2009年

編集

2010年

編集

2011年

編集

主な出資者

編集

これまでの公演における主な出資者は以下のとおりである。

放送

編集

特別番組

編集

ワールド記念ホールを会場に使用していた時期に、毎日放送(テレビ)で公演開催月の金曜日(または土曜日)未明に関西ローカルで放送。

関連番組

編集

東京ガールズコレクションとの関係

編集

2005年初公演の「東京ガールズコレクション」を主催しているgirlswalker.comは、2002年の神戸コレクションの初公演から2005年秋冬まで(小規模のplus公演は除く)協力・特別共催・特別協賛・協賛という形で神戸コレクションに参加していた。

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ スプリング/サマー(春夏物)の略。
  2. ^ オータム/ウインター(秋冬物)の略。

出典

編集
  1. ^ 最新ガールズコレクション事情(モデル分布図付き)日経トレンディ 2009年3月26日)
  2. ^ Niki 顔ちっさ!黒コーデに「華やかさアップ」のスカートで神コレ登場” (2022年9月23日). 2022年9月23日閲覧。
  3. ^ 神戸コレクション2006
  4. ^ 大阪コレクション開催要項(pdf)
  5. ^ 大規模改修工事に伴う休館のお知らせ(ワールド記念ホール2019年10月23日付インフォメーション)
  6. ^ 神戸コレクションが新イベント「Groovy Day」をプロデュース、超特急や清水翔太の出演も(『FASHONSNAP.COM』2020年1月26日付記事)
  7. ^ KOBE COLLECTION 2021配信は神戸酒心館ホールから!
  8. ^ 街全体が、舞台になる。【KOBE COLLECTION 2021 ___TRIP!】が開催!(神戸コレクション制作委員会2021年11月19日付ニュースリリース)
  9. ^ "『神戸コレクション2023』花と緑に包まれた公園ならではのランウェイに出演者も来場者も感動!" (Press release). 毎日放送. 16 April 2023. 2023年8月4日閲覧
  10. ^ http://www.lespros.co.jp/talent/artists/ai_okawa/#tabs14
  11. ^ 福岡アジアコレクション
  12. ^ Kiraria.TV

関連項目

編集

外部リンク

編集