硫酸ジエチル(りゅうさんジエチル、: Diethyl sulfate)は硫酸エステルの一種で、高い性と発癌性を持つ[4]有機化合物ペパーミント臭のある無色の液体で、化学式はC4H10O4S。アルキル化剤として、フェノール類やアミンチオール等にエチル基を導入する際に用いられる。

硫酸ジエチル
Diethyl sulfate
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識別情報
CAS登録番号 64-67-5 チェック
PubChem 6163
ChemSpider 5931 チェック
KEGG C14706 チェック
ChEMBL CHEMBL163100 チェック
RTECS番号 WS7875000
特性
化学式 C4H10O4S
モル質量 154.18 g mol−1
外観 無色の油状液体
匂い ペパーミント[1]
密度 1.2 g/mL
融点

-25 °C, 248 K, -13 °F

沸点

209 °C, 482 K, 408 °F (分解)

への溶解度 0.7g/100mL[1]
その他の溶剤への溶解度 エタノールジエチルエーテルに混和[1]
危険性
EU分類 Toxic (T)
Carc. Cat. 2
Muta. Cat. 2
NFPA 704
1
3
1
Rフレーズ R45 R46 R20/21/22 R34
Sフレーズ S53 S45
引火点 104 °C (219 °F)
発火点 436 °C (817 °F)[3]
半数致死量 LD50 647 mg/kg(マウス経口)[2]
関連する物質
関連物質 硫酸ジメチル
亜硫酸ジエチル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

安全性

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強力なエチル化作用を持ち、DNAをエチル化する。動物実験では発癌性が確認され、ヒトに対しても発癌性があると考えられている。国際がん研究機関ではIARC Group2Aと評価している[2]。日本の消防法では危険物第4類・第3石油類に該当する。毒物及び劇物取締法では劇物、船舶安全法航空法では毒物としての扱いを受ける[1]。ウサギを用いた動物実験では、および皮膚に対し、壊死を含む重篤な腐食性が確認された[2]。水生生物には有害であるが、急速分解性があり生物蓄積性は低い[1]

用途

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有機合成化学において強力なエチル化剤として、医薬品染料農薬界面活性剤(第4級アンモニウム塩)の原料・中間体として使用される[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f 化学物質等安全データシート (PDF) (昭和化学)
  2. ^ a b c 有害性総合評価表 (PDF) (厚生労働省)
  3. ^ 国際化学物質安全性カード
  4. ^ IARC (1992). Summary and Evaluation Diethyl Sulfate (Report). Vol. 54. International Agency for Research on Cancer (IARC). p. 213.

参考文献

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外部リンク

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