石黒達昌
石黒 達昌(いしぐろ たつあき、1961年9月5日 - )は、日本の小説家、医師、東京大学講師・文部科学省高等教育局医学教育課専門官・テキサス大学MDアンダーソン癌センター助教授などを経て、2020年現在は勤務医[1]。
専門は医学教育・外科・消化器科・乳腺科、特に癌免疫、ジクロロ酢酸を用いた癌治療など。
経歴
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- 北海道深川市出身。
- 東京学芸大学附属高等学校卒業、東京大学医学部卒業。
- 1989年、「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞。
- 1994年、「平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……」で第110回芥川龍之介賞候補。『平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……』で第16回野間文芸新人賞候補。
- 1996年、『94627』で第9回三島由紀夫賞候補。
- 2001年、「人喰い病」で第32回星雲賞日本短篇部門候補作。
- 2002年、「真夜中の方へ」で第126回芥川龍之介賞候補。
- 2003年、「希望ホヤ」で第34回星雲賞国内短篇部門参考候補作。
- 2005年、「目を閉じるまでの短い間」で第132回芥川龍之介賞候補。
作風
編集「平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……」(もともと無題の作品であるが、便宜上作品の冒頭部分を題名として扱っている)は、ハネネズミという空想上の動物をノンフィクション風、横書き、表や写真入りで描くという斬新なスタイルを用い、大江健三郎や筒井康隆から、日本文学に新風を吹き込む作品であると評された。
著作
編集小説
編集単行本
編集- 『最終上映』(1991年、福武書店)
- 最終上映(『海燕』1989年11月号)
- ステージ(『海燕』1990年6月号)
- 『平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……』(1994年、福武書店)
- 平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……(『海燕』1993年8月号)
- 今年の夏は雨の日が多くて、(『海燕』1993年11月号)
- 鬼ごっこ(『海燕』1992年11月号)
- 『94627』(1995年、ベネッセ)
- イスラム教の信者、ユダヤ教の信者、キリスト教徒など、神と終末の日とを信じ善を行う者は、その主のみもとに報酬がある。彼らには恐れも悲しみもない(『海燕』1994年10月号)
- 94627
- ALICE(『海燕』1995年7月号)
- 『新化』(1997年、ベネッセ)
- 新化
- カミラ蜂との七十三日(『海燕』1996年1月号)
- 『新化』(2000年、ハルキ文庫)
- 平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……
- 新化
- 『人喰い病』(2000年、角川春樹事務所)
- 雪女
- 人喰い病
- 水蛇
- 蜂
- 『冬至草』(2006年、早川書房、ISBN 9784152087355)
短編集
編集- 日本SFの臨界点 石黒達昌──冬至草/雪女(2021年8月 ハヤカワ文庫JA)- 編:伴名練
- 希望ホヤ
- 冬至草
- 王様はどのようにして不幸になっていったのか?(『小説TRIPPER』1996年夏季号)
- アブサルティに関する評伝
- 或る一日(『文學界』1999年3月号)
- ALICE
- 雪女
- 平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……
エッセイ
編集- 『劣等生の東大合格体験記』(2010年、講談社)
単行本未収録作品
編集- †(『海燕』1994年4月号)
- (失踪中の王妃からの手紙)(『すばる』1995年4月号)
- その話、本当なのか(『文學界』1998年10月号)
- 真夜中の方へ(『文學界』2001年10月号)
- ショールーム(『すばる』2003年4月号)
- この世の終わりは一体どのような形になるのだろうか?(『S―Fマガジン』2006年8月号、エッセイ)
- 足(『真夜中』No.5 2009 Early Summer)
- ハバナの夜(『群像』2010年12月号)
医学関連書
編集- 『ランダム外科学』(1993年、金原出版)
- 『ハローマッチング'04 小論文・面接のABC』(2004年、医学評論社)
- 『ハローマッチング'05 小論文・面接・筆記試験対策のABC』(2005年、医学評論社)
翻訳
編集- ロシア語 (2004年 現代日本文学アンソロジー)
- 中国語 (2013年 冬至草)
- 英語 (2015年 Biogenesis Vertical Co.)
脚注
編集- ^ “日比谷内幸町クリニッククリニック案内”. 2020年8月1日閲覧。