石井暁
日本のジャーナリスト
来歴・人物
編集慶應義塾大学文学部を卒業。1985年共同通信社入社。のちに編集局編集委員となる。1994年から防衛庁(現・防衛省)を担当している[2]。
主張・言論活動
編集- 内閣総理大臣や防衛庁長官にも知らされていなかった、自衛隊(陸上幕僚監部運用支援・情報部(現「指揮通信システム・情報部」)別班)の外国における極秘の諜報活動を2013年11月27日にスクープ[3][4]。「世界」2014年3月号の「陸自「別班」危険な暴走 ―シビリアンコントロールの危機―」[5]、及び上梓した「自衛隊の闇組織」は、この2013年の取材が元になっている。
- 特定秘密保護法によって「防衛省の取材がやりにくくなった」と発言しており、「成立後の今となっては、無理じゃないか」とも発言している[1]。
- 2021年1月23日に、三重県熊野市にある施設「熊野飛鳥むすびの里」にて、「元特殊部隊員の自衛官OBが自衛官らを集めて私的に戦闘訓練を行っている」とする記事を共同通信社が配信し、情報保全隊が調査していることや、防衛省内に自衛隊法に触れるとの懸念があると報じた[6]。ジャーナリストの松岡久蔵は、上記配信記事は石井が取材・執筆したとしている[7][8]。
- 松岡は、石井が実際には自主訓練の内容を見ていなかったにもかかわらず「私的に戦闘訓練」と大仰に記載し、また、自主訓練の主催者への取材を一切行わずに「危険思想の持主」と三島由紀夫にからめてレッテル張りをする記事内容、報道被害を招く報道姿勢を批判した[7][8]。
- 施設側は、休暇中の現役自衛官や予備自衛官らが自主訓練を行っていたものであり、自衛隊法に触れる要素は無いとしている[9]。また、訓練開始(2020年12月26日)とほぼ同時期に、石井が施設の対岸にある私有地から施設を盗撮していたという。石井は私有地の所有者に「風景を撮る」と説明しており、施設のスタッフが石井に抗議すると、石井は「取材妨害で警察に訴える」と大声で怒鳴りだし、その後もSNSで「防衛大臣、統合幕僚長には会見質問通告しました」「警視庁公安部、三重県警警備部公安課には連絡しました」「情報保全隊には後程伝えます」等の脅迫とも取れる文章を送って来たという。私有地の所有者も石井に苦情を述べたが、石井は「(撮影の)相手には了解を得ている」と主張し、4日間にわたって私有地から、施設と施設の利用者への盗撮を続けていたという[9]。
著作
編集- 自衛隊の闇組織 ―秘密情報部隊「別班」の正体― 講談社現代新書 2018年10月 ISBN 978-4065135884
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b 秘密保護法成立から5年 陸上自衛隊のスパイ組織「別班」暴いたベテラン記者が警鐘 BLOGOS
- ^ a b 石井暁 現代ビジネス公式サイト
- ^ 陸自が独断で海外情報活動 首相、防衛相に知らせず 共同通信→千葉日報 2013年11月27日
- ^ [陸自が独断情報活動]秘密は やはり暴走する 沖縄タイムス社説2013年11月29日
- ^ 第854号 P177~ 岩波書店
- ^ “自衛官に私的戦闘訓練 特殊部隊の元トップが指導 | 共同通信”. archive.is (2021年1月23日). 2021年1月25日閲覧。
- ^ a b “共同通信、本人に取材せず「自衛官に私的戦闘訓練」「過激な思想」と報道…被害者が否定 (3/3)”. Business Journal. サイゾー (2021年1月26日). 2021年3月3日閲覧。
- ^ a b “共同通信記者、一般人を名指しで「自衛隊を天皇の軍隊にすると唱える人物」…当人に取材せず (1/3)”. Business Journal. サイゾー (2021年2月3日). 2021年3月3日閲覧。
- ^ a b “共同通信社から配信された記事について - 熊野飛鳥むすびの里”. archive.is (2021年1月24日). 2021年1月25日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 石井暁 現代ビジネス公式サイト