真鶴 (志賀直哉の小説)
『真鶴』(まなづる)は、1920年(大正9年)、志賀直哉によって書かれた短編小説。タイトルとなった神奈川県真鶴町を舞台とする。
あらすじ
編集伊豆半島の年の暮れ、日が暮れる頃十二、三になる男の児が弟の手を引き海岸の高い道を歩いている。彼は二人の下駄を買うために小田原にいったのだが、憧れの水兵帽を店先で見つけ、二人分の下駄の代金に相当する金額をはらって買ってしまう。「彼」は、弟の疲れにも気づかず恋に悩んでいる。その想いを寄せる相手は法界節の女だった。やがて弟の疲れ切った様子に気づき、弟を背負って歩くうちに「彼」は迎えに来た母親と会う。「彼」の背で寝ていた弟が目を覚まし、母親の存在に気がついて暴れだすと「彼」は自分がかぶっていた水兵帽を弟にかぶせる。
登場人物
編集参考文献
編集- 志賀直哉『清兵衛と瓢箪・小僧の神様』2011年6月6日 第7刷 集英社