小俣真一
日本のアニメ監督、アニメ演出家
(畠山守から転送)
小俣 真一(おまた しんいち)は、日本のアニメーションプロデューサー、アニメ演出家・監督。別名義として畠山 守(はたけやま まもる)を用いる。
おまた しんいち 小俣 真一 | |||||
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別名義 | 畠山 守 | ||||
国籍 | 日本 | ||||
職業 | |||||
ジャンル | アニメーション | ||||
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作風
編集- 演出
- ライターのNick Creamerによると、小俣真一の演出は、劇場的な感覚と美しいフレーミングに特徴があるという[2]。小俣の作品では、視覚的な要素が感情を伝えるツールとして巧みに使われている[2]。例えば、『さんかれあ』では、キャラクターの位置や物理的なオブジェクトが感情的なバリアとして機能し、視聴者がそのシーンの親密さを感じ取れるようになっているという[2]。また、小俣の演出は、キャラクターの内面世界を視覚的に描き出すことに長けているという[2]。小俣の作品では、キャラクターのパフォーマンスが物語と密接に結びついており、その統一感が作品全体の魅力を高めているという[2]。
- ライター・評論家のクリスとスティーブによると、小俣真一は視覚的に魅力的な演出で観客を引き込む力を持つ[3]。小俣の作品には、華やかで大胆なオープニングや、様々なメディアスタイルを混ぜ合わせた演出が多く見られる[3]。特に『かぐや様は告らせたい』では、このスタイルが顕著であり、視覚的なギャグや巧みな編集技術が際立っている[3]。また、小俣真一は、コメディからシリアスなドラマまで、幅広いジャンルに対応できる監督だという[3]。『さんかれあ』や『かぐや様は告らせたい』のようなコメディ作品では、そのユーモアセンスと視覚的な遊び心が発揮され、一方で『昭和元禄落語心中』のようなシリアスな作品では、感情豊かで深みのある演出がなされていた[3]。
- 小俣真一の演出スタイルは、シャフトでの経験に大きく影響を受けているという[3]。シャフトのハウススタイルとして知られる、ポップアート的な表現、リファレンス・ユーモア、ハードなマッチカット、環境幾何学などの要素が彼の作品に多く反映されている[3]。このスタイルは、『荒川アンダー ザ ブリッジ』や『魔法少女まどか☆マギカ』のエピソード演出時代から培われてきたものである[3]。
参加作品
編集小俣真一名義
編集テレビアニメ
編集- 1998年
-
- プリンセスナイン 如月女子高野球部(制作プロデューサー)
- 2009年
-
- 夏のあらし! ~春夏冬中~(絵コンテ)
- 2010年
-
- ひだまりスケッチ×☆☆☆(絵コンテ)
- 荒川アンダー ザ ブリッジ(絵コンテ・演出)
- 荒川アンダー ザ ブリッジ*2(絵コンテ・演出)
- 2011年
-
- 魔法少女まどか☆マギカ(絵コンテ・演出)
- ロッテのおもちゃ!(絵コンテ)
- 電波女と青春男(絵コンテ・演出)
- 世界一初恋2(演出)
- ファイ・ブレイン 神のパズル(演出)
- 2012年
-
- ひだまりスケッチ×ハニカム(絵コンテ)
- 2013年
-
- D.C.III ~ダ・カーポIII~(絵コンテ)
- 2014年
-
- 桜Trick(絵コンテ)
- Wake Up, Girls!(絵コンテ)
- DRAMAtical Murder(絵コンテ)
- 黒執事 Book of Circus(絵コンテ・ED絵コンテ・ED演出)
- 2016年
-
- 学戦都市アスタリスク 2nd SEASON(絵コンテ)
- 2019年
-
- からかい上手の高木さん2(絵コンテ)
- 2021年
-
- スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました(絵コンテ・演出)
- ましろのおと(絵コンテ・演出)
- ヴィジュアルプリズン(絵コンテ)
劇場アニメ
編集- 2011年
-
- 劇場版 魔法先生ネギま! ANIME FINAL(絵コンテ)
- 2017年
OVA
編集- 1993年
-
- ジョジョの奇妙な冒険(制作デスク)
- 1995年
-
- 新海底軍艦(制作進行)
- ジャイアントロボ THE ANIMATION 青い瞳の銀鈴(制作進行)
- 1998年
- 1999年
- 2000年
-
- 堕楽(アニメーションプロデューサー)
- 哀・奴隷III(アニメーションプロデューサー)
- Campus ~桜の舞う中で~(アニメプロデューサー)
- 2001年
-
- となりのお姉さん(アニメーションプロデューサー)
- 緊縛の館 略奪(アニメーションプロデューサー)
- 特別授業(アニメーションプロデューサー)
- 懲らしめ(アニメプロデューサー)
- トレスマリアス 三人の聖処女(アニメプロデューサー)
畠山守名義
編集テレビアニメ(畠山守)
編集- 2012年
-
- さんかれあ(監督・絵コンテ・OPED絵コンテ・演出・OPED演出)
- 2013年
- 2016年
- 2017年
- 2018年
- 2019年
-
- かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜(監督[8]・絵コンテ・OP絵コンテ協力・演出)
- 2020年
-
- かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~(監督[9]・絵コンテ)
- 2022年
-
- かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-(監督[10]・絵コンテ・ティザーPV絵コンテ・ラップパート絵コンテ・OP絵コンテ監修・演出)
- 2023年
-
- かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-(監督・絵コンテ・ED絵コンテ)
- アンデッドガール・マーダーファルス(監督[11]・絵コンテ・OPED絵コンテ)
OVA(畠山守)
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 畠山守名義での受賞
出典
編集- ^ “ニュータイプアニメアワード2019-2020 各受賞作”. Web Newtype. 2022年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月3日閲覧。
- ^ a b c d e Nick Creamer (2016年2月26日). “The Magic of the Stage in Showa Genroku Rakugo Shinju” (英語). Anime News Network. 2024年8月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h Chris、Steve「The Dynamic Direction of Mamoru Hatakeyama」『This Week in Anime』Anime News Network、2023年9月14日。2024年8月3日閲覧。
- ^ 「アニメ「ローゼンメイデン」キャストやキービジュ公開」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2013年4月26日。2024年8月3日閲覧。
- ^ 「アニメ「昭和元禄落語心中」助六役は山寺宏一、みよ吉は林原めぐみ」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2015年2月6日。2024年8月3日閲覧。
- ^ 「アニメ「落語心中」2期スタッフ&出演者解禁、「智一&勝平の落語放浪記」も」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2016年11月25日。2024年8月3日閲覧。
- ^ 「水野良原作のアニメ「グランクレスト戦記」、各軍勢揃うビジュアル&PV解禁」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2017年12月27日。2024年8月3日閲覧。
- ^ 「アニメ「かぐや様」は1月より放送、生徒会の面々描いたキービジュアルも」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2018年9月19日。2024年8月3日閲覧。
- ^ 「アニメ「かぐや様は告らせたい」第2期制作決定!生徒会メンバー描いたティザーも」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2019年10月19日。2024年8月3日閲覧。
- ^ 「アニメ「かぐや様」第3期はウルトラロマンティック!来年4月開始、約10分のPVも」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2021年10月21日。2024年8月3日閲覧。
- ^ 「「アンデッドガール・マーダーファルス」7月にアニメ化!キャストに黒沢ともよら」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2023年3月22日。2024年8月3日閲覧。
- ^ 「和山やま「女の園の星」アニメ化!星先生役を星野源、小林先生役を宮野真守」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2022年8月7日。2024年8月3日閲覧。
外部リンク
編集- 小俣真一- Anime News Network中の百科事典
- 畠山守 - IMDb