由良三郎
推理作家。本名は (よしの かめさぶろう)で、ウイルス学者。別名義に吉野義人[1]。
(ゆら さぶろう、1921年10月14日 - 2004年4月3日)は日本の東京府東京市京橋区銀座の老舗の小間物屋に生まれ、東京府立第一中学校、第一高等学校を経て東京帝国大学医学部卒業。一高時代は高木彬光との親交もあった。海外留学を経てウイルス学の研究者として実績をあげ、横浜市立大学医学部教授、東京大学医科学研究所教授を歴任。1982年定年退職。1984年『運命交響曲殺人事件』でサントリーミステリー大賞を受賞して推理作家デビューした。
高木彬光と同じ世代でありながら、62歳でデビュー後10年間ほど活躍した。若干古めかしいタイプの探偵小説の作家であった。著作にミステリのトリックを医学的に検証するなどした『ミステリーを科学したら』などのエッセイもある。
ウイルス学者としてはヘルペスウイルスの研究で知られ[1]、日本ウイルス学会第29代会長(在任1981年度)[2]などをつとめた。
著書
編集由良三郎名義
編集- 運命交響曲殺人事件 文藝春秋 1984 のち文庫
- 黒白の幻影 広済堂出版 1984 のち文庫
- 殺人協奏曲ホ短調 文藝春秋 1985 のち文庫
- 黄金蜘蛛の秘密 広済堂出版 1985
- ある化学者の殺人 広済堂出版 1985
- 葬送行進曲殺人事件 新潮社 1985 のち文庫
- 象牙の塔の殺意 新潮社 1986 のち文庫
- 裏切りの第二楽章 文藝春秋 1987 のち文庫
- 13は殺人の数字 広済堂出版 1987 のち双葉文庫
- 円周率πの殺人 光文社カッパ・ノベルス 1988 「人体密室の犯罪」光文社文庫
- 白紙の殺人予告状 広済堂出版 1989 のち双葉文庫
- 完全犯罪研究室 新潮社 1989 のち集英社文庫
- 二重殺人トライアングル 光文社 1989 「偽装自殺の惨劇」文庫
- 悪魔の呼気 天山出版 1990 のち双葉文庫
- 網走-東京殺人カルテ 立風書房 1990 のち集英社文庫
- 魔炎 双葉社 1991 のち文庫
- 犯罪集中治療室 立風書房 1991 「殺人集中治療室」祥伝社
- ミステリーを科学したら 文藝春秋 1991 のち文庫
- 血液偽装殺人事件 DNA鑑定の死角 光文社 1992 (カッパ・ノベルス)のち文庫
- ミステリーの泣きどころ トリック・ワナの裏をかく ベストセラーズ 1992
- 血痕 双葉社 1993
- 第六の殺人処方箋 光文社 1995 (カッパ・ノベルス)
- そいつァご挨拶だね 立風書房 1995
- 聖域の殺人カルテ 集英社文庫 1996
- 看護婦高山瑠美子の事件簿 KSS出版 1999
- バイアグラ殺人事件 KSS出版 1999
吉野亀三郎名義
編集- 最新医微生物学 桑原章吾,正古良夫共著 文光堂 1965
- 医学英文語法 医学書院 1968
- ウイルスのはなし 伝染病やがんをおこす"生物でない病原体" 同文書院 1969
- ヘルペス 講談社 1977