生分解
細菌等の生物による分解作用
(生分解性から転送)
IUPACの定義
Degradation caused by enzymatic process resulting from the action of cells.
(注:非生物的酵素プロセスを除外するように変更された。)[1]
(細胞の活動に起因する酵素過程による分解)
Note: Modified to exclude abiotic enzymatic processes.
(注:非生物的酵素プロセスを除外するように変更された。)[1]
生分解(せいぶんかい)とは、バクテリア、菌類、その他の生物によって化合物が無機物まで分解されることである。ほぼすべての化合物は、やがて生分解され無機物となるが重要なのは時間である。それらの速度に関係する要素としては、光、水、酸素や温度などの環境や、その物質自体が分解菌に利用されやすい(バイオレメディエーションが高い)などの要因による[2][3]。
生分解で問題になった代表例
編集- 1960年代にハードABS洗剤とも呼ばれ、廃水中で微生物により生分解されずに残留し、土壌菌を殺したり、河川や下水処理場が泡で被われる状況が発生し下水処理を困難とさせる原因となった[4]。1970年代には直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)に置き換わった[5]。
生分解性試験
編集生分解性は、さまざまな方法で測定が可能である[6]。
- 易生分解性
- 有機物質の易生分解性を測定する標準的試験法としてOECD (OECD テストガイドライン 301A-F), EU (C.4テスト)、 OPPTS (835.3110)およびISO (9408, 9439, 10707)等、多くの機関により開発されている。
- 本質的生分解性
- OECDテストガイドライン 302A-C の各試験、EU C.9および C.12 の各試験、およびASTME 1625-94 試験等
- 水系シミュレーション試験
- ISO/DS14952「表層水または表層水/底質懸濁物のフラスコ振騰バッチテスト」(Nyholm とToräng, 1999)、フラスコ振騰ダイアウェイ試験法による生分解性のASTM E 1279-89(95)試験、および同様なOPPTS 835.3170 試験
- STP(下水処理) シミュレーション試験
- OECD テストガイドライン303A “Coupled Unit”試験、ISO 11733「活性汚泥シミュレーション試験」、EU C.10 試験等
- 嫌気的分解性
- ISO 11734:1995(E)試験、ASTM E 1196-92 試験、およびOPPTS 835.3400 試験等
- 土壌および底質中の分解
- OECD テストガイドライン 304A 試験、OPPTS 835.3300 試験
- 日本工業規格
- JIS K 6950、JIS K 6951、JIS K 6953、JIS K 6955
出典
編集- ^ “Terminology for biorelated polymers and applications (IUPAC Recommendations 2012)”. Pure and Applied Chemistry 84 (2): 377–410. (2012). doi:10.1351/PAC-REC-10-12-04.
- ^ どんな微生物が石油を分解するか?(独立行政法人製品評価技術基盤機構) [リンク切れ]
- ^ Sims, G.K. (1991). The effects of sorption on the bioavailability of pesticides. London: Springer Verlag. pp. 119–137.
- ^ 界面活性剤含有廃水の現状と課題(中部大学応用生物学部応用生物学研究科 生物機能開発研究所紀要 12:28-32(2011) 28p)
- ^ 環境水・底質中の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)の分析(兵庫県立健康環境科学研究センター)
- ^ 附属書9(厚生労働省)
関連項目
編集- 堆肥化:生物系廃棄物をコントロールされた条件下で畑などで活用できる堆肥に変化させること
- 生分解性プラスチック
- 生物濃縮
- 環境負荷
- エコマーク
- Good Laboratory Practice