玉羊羹
玉羊羹(たまようかん)とは、ゴム製の風船を容器として売られる球状になった羊羹のこと。風船羊羹、ボンボン羊羹、異名として切腹羊羹とも。
概要
編集爪楊枝で刺したりして表面のゴム皮に傷をつけると、つるりと皮がむけて中身の羊羹が食べられる。
日中戦争中の1937年に、福島県二本松市の和菓子店「玉嶋屋」が開発した。戦場の兵士に送る慰問袋用の菓子として、日本陸軍から開発の指示が出されたものである。以前から市販されていたアイスボンボン(風船に入ったアイスクリーム)を参考に、圧縮空気を使って風船に詰める装置を設計した。風船に封入することで1か月以上の日持ちが可能になった。当時は「日の丸羊羹」の商品名だった。軍用のほかに、1939年に世界一周飛行を行った毎日新聞社の飛行機「ニッポン号」にも、同様の風船入り羊羹30個が機内食として搭載された。
同じような風船入りの羊羹が他社でも生産され、駄菓子屋などでも売られた。戦後になって「玉嶋屋」のものは「玉羊羹」と改名された。形状や開封時の面白さなどから「まりも羊羹」(北海道)や「玉花火」(新潟県)[1]のように土地の銘菓として売っているところもある。
また、風船入り羊羹としては「丸型柿ようかん」(広島県)のように「玉嶋屋」の製品より前(昭和5年)から販売されていたものも存在する。
出典・脚注
編集- ^ 「第47回(平成18年度)全国推奨観光土産品審査会審査結果:大臣賞受賞商品紹介」(全国観光土産品連盟)
関連項目
編集外部リンク
編集- 真野森作「空弁事始め:/下 ゴム風船に「羊羹」封入 日本の味、世界中で」(Googleキャッシュ) - 元記事は毎日新聞 2009年4月24日(東京朝刊)