猫の聖母 (ロマーノ)

ジュリオ・ロマーノによる絵画

猫の聖母』(ねこのせいぼ、伊: Madonna della gatta)は、イタリアのマニエリスム期の画家、ジュリオ・ロマーノによる1522-1523年の油彩画である。現在、ナポリカポディモンテ美術館に収蔵されている。

『猫の聖母』
イタリア語: Madonna della gatta
作者ジュリオ・ロマーノ
製作年1522-23年
寸法172 cm × 144 cm (68 in × 57 in)
所蔵カポディモンテ美術館、ナポリ
ラファエロ聖家族』(1518-1520年)、プラド美術館 (マドリード)

本作は、レオナルド・ダ・ヴィンチラファエロのピラミッド型の構図を用いている。作品名は前景の飼い猫に由来している。猫が描写されているため、1566年にマントヴァヴァザーリが見た「il quadro della gatta」(猫の絵、または猫のいる絵)として言及している作品と同一視できる。 同じ猫は、ジュリオが1524年から1525年に描いた『恋人たち』にも再登場している。

図像、構図の点で、本作は明らかにラファエロの『聖家族』を参照している。しかし、ラファエロの絵画とは非常に異なっており、ラファエロの柔和さ、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチスフマートからは隔たりがある。

本作は、ジュリオがまだローマにいる間にフェデリコ2世・ゴンザーガのために制作されたため、しばらくの間ゴンザーガ・コレクションにあった。 16世紀後半には、バルバラ・サンセヴェリーノのコレクションに記録されているが、バルバラはパルマ出身の貴婦人であり、ヴィンチェンツォ1世・ゴンザーガの恋人かつ親友でもあった。ファルネーゼ家はいくつかの地元の貴族からの芸術作品を没収したため、1612年に、作品はサンセヴェリーノのコレクションからファルネーゼ家のコレクションに入った。 1737年頃に後のスペイン王カルロス3世(当時は、ナポリ・シチリア王カルロ7世)が継承した作品の一つであり、その後ナポリに移され、現在もナポリのカポディモンテ美術館にある[1]

参考文献

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  • (イタリア語) Stefania Pasti, 'Giulio Romano e la Madonna della gatta: uno studio iconografico' in Storia dell'Arte n.31, 2012

脚注

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  1. ^ Pasti, Stefania (2012). “Giulio Romano e la Madonna della Gatta: uno studio iconografico” (イタリア語). Storia dell'Arte 131: 27-60. https://www.academia.edu/16160245/Giulio_Romano_e_la_Madonna_della_Gatta_uno_studio_iconografico.