猟師工房ドライブイン
概要
編集通常は廃棄される野生鳥獣の利活用を目指し、食肉の販売、ペットフードやソーセージやコロッケへの加工・販売、狩猟をテーマとした工芸品[注釈 1]の販売なども行うほか、ジビエ料理を提供するビュッフェレストランを併設している[3]。ジビエの食べ放題は日本初となる[2][注釈 2]。
歴史
編集1988年に廃校となった君津市立香木原小学校を有効活用する形で、2019年に猟師工房ランドとして開業した[4]。ジビエを販売する店舗以外にバーベキュー場、ソロキャンプ場、ドッグランなどを併設する[4]。運営は狩猟ビジネスを日本全国に展開する株式会社TSJ(奈良県奈良市)が行っている[4]。
君津市内で捕獲したイノシシ、シカ、タヌキなどの加工食品や工芸品を販売する[5][6]。なかでもキョンを食肉に加工して販売しているのは日本唯一である(2022年時点)[6]。
猟師工房ランドは2023年4月9日に営業終了し、2023年4月29日に猟師工房ドライブインとして移転開業した。
レストランをビュッフェ形式にしたのは、労働力不足のためである[2]。また、料理も提供している残量を見て作るため、食品ロスが出ないのも理由となっている[2]。
開業の経緯
編集君津市は長年、鳥獣による農作物被害に悩まされていた[5]。
香木原小学校は廃校から30年以上も使用されていなかったが、君津市は2019年1月に「鳥獣被害対策」をテーマとした民間事業者を公募した[4]。これに応募したのが、TSJで年間67万円(2019年時点)で借り受けることになった[4]。
キョンの食用についの諸問題
編集2001年に閉園した行川アイランド(勝浦市)から逃げたとされるキョンの個体が繁殖したものと推測される千葉県内のキョンは、2006年には約9100頭だったものが、2020年には約5万頭へと増殖し、この増加率から計算すると年間8500頭以上を駆除しないとキョンの数は減少しないことになる[7]。外来生物法ではキョン捕獲後は殺処分するのが基本とされているが、食品衛生法ではキョンも含まれる特定外来生物を食べることそのものは規制されていない[7]。
キョンの肉は脂質が少なく、良質なタンパク源であり、ダイエット食材としても適している[7]。ただし、一般的なジビエのような臭みが少なく、ラム肉やマトンと比べても臭みが少ないが、あくまでもジビエであるため、家畜肉とは異なる[6]。
ここで「房総ジビエ」のような形でキョンの肉をブランド化して販売し、キョン肉に市場価値が生まれると、キョンの飼育や山へ放つ人が現れることが予想しやすい[7]。これは日本のバスフィッシングが密放流することで発展したとされる文化と同じである[7]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c 『るるぶ千葉房総'25』JTBパブリッシング、2023年、25頁。ISBN 978-4533158476。
- ^ a b c d 中澤星児 (2024年8月9日). “日本初のジビエ食べ放題!「猟師工房ドライブイン」を運営する猟師に聞いた “食べ放題にした理由””. ロケットニュース24. 2025年2月9日閲覧。
- ^ “猟師工房ドライブイン”. ちば観光ナビ. 2025年2月9日閲覧。
- ^ a b c d e 「君津廃校活用ジビエ施設 「猟師工房」20日オープン」『千葉日報』2019年7月18日。2025年2月9日閲覧。
- ^ a b 「気になるあの記事を「ツイセキ!!」 廃校がジビエ施設に変身 君津にオープンして5年、現在は 千葉日報×J:COMコラボ第8弾」『千葉日報』2024年5月13日。2025年2月9日閲覧。
- ^ a b c 押尾ダン/清談社 (2022年4月19日). “〈食べてみた〉ラムやマトンほど臭くなくておいしいが… 千葉県で大繁殖している「キョン」肉の意外な“落とし穴””. 文春オンライン. p. 1. 2025年2月9日閲覧。
- ^ a b c d e 押尾ダン/清談社 (2022年4月19日). “〈食べてみた〉ラムやマトンほど臭くなくておいしいが… 千葉県で大繁殖している「キョン」肉の意外な“落とし穴””. 文春オンライン. p. 2. 2025年2月9日閲覧。
外部リンク
編集- 猟師工房ドライブイン (猟師工房ドライブイン-100087274105871) - Facebook
- 猟師工房ドライブイン (@hunter_works_drivein) - Instagram
座標: 北緯35度11分50.8秒 東経140度04分08.2秒 / 北緯35.197444度 東経140.068944度