牝山羊の踊り
『牝山羊の踊り』(めやぎのおどり、フランス語: La Danse de la Chèvre)H.39は、アルテュール・オネゲルが作曲した無伴奏フルートのための作品。
概要
編集同じ無伴奏フルートのための作品であるクロード・ドビュッシーの『シランクス』と同様に、この作品も劇の上演のために書かれた。1919年、サーシャ・デレク (Sacha Derek) の台本『わるい考え』 (La mauvaise pensée) による舞踏家のリザナ (Lysana) への伴奏音楽を委嘱されて書かれ、初演を担当したフルート奏者のルネ・ル・ロワに献呈された。無伴奏フルートのための貴重なレパートリーとして[1]頻繁に取り上げられる。
楽曲
編集Lent(ゆるやかに)、4/4拍子。四度音程を基本にしたゆったりした旋律(譜例1)で始まる。9/8拍子、vif(生き生きと)にテンポを上げると、躍動的で半音階的な楽想(譜例2)と「柔らかさを増して」(plus doux)と指示されたニ長調の楽想が交代し、最後は冒頭の旋律に戻って終わる。演奏時間は3分半程度。
譜例1
譜例2
その他
編集1980年前後の時期、フジテレビで深夜の放送終了時にこの曲が流されていた。
脚注
編集- ^ “ムラマツフルート|DANSE DE LA CHEVRE”. 2017年5月4日閲覧。
参考文献
編集- Spratt, Geoffrey K. (1987). The Music of Arthur Honegger. Cork University Press
- 久納慶一「オネゲル: 牝やぎの踊り」『名曲解説全集(17) 独奏曲4』音楽之友社、1981年、219-220頁。