片山柊
片山 柊（かたやま しゅう[1]、1996年〈平成8年〉12月3日 - ）は、日本のピアニスト・作曲家。北海道小樽市出身[2][3][4]。
略歴
編集北海道札幌市に生まれ、小樽市で育つ[1]。友人の影響で7歳からピアノを始める[4]。早くからピアニスト・作曲家両面で活躍することを目指していた[1]。札幌大谷中学校・高等学校音楽科を経て[1]、東京音楽大学（ピアノ演奏家コース・エクセレンス）を首席で卒業し[5]、さらに同大学院修士課程を修了した。その後、桐朋学園大学作曲科修了[6]。ピアノは日向加代子、斉藤香苗、武田真理[7]、東誠三[8]、広瀬宣行、作曲は土田英介、加藤真一郎から、それぞれ指導を受けた[9]。
ピアニストとしての主な受賞歴に、第64回全日本学生音楽コンクールピアノ部門中学生の部全国大会第1位[10]、第41回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ[4]、および聴衆賞 文部科学大臣賞 スタインウェイ賞などがある[11]。
作曲家として、第28回奏楽堂日本歌曲コンクール[12]作曲部門第1位を受賞した。2位なしの1位は史上初[13]。受賞作「三好達治の詩による歌曲集」の楽譜は、「四つの思い出」歌曲集[14]と題してカワイ出版より刊行されている[14]。
現代曲や日本人作曲家の作品の演奏・探究をライフワークとしている。[5][15]
ソロ、コンチェルト、室内楽のみならず、コンテンポラリー・ダンサーや俳優など、異分野のアーティストとクロスオーバーする作品に数多く出演している[16][17]。2020年設立の芸術団体「夢の浮橋」制作企画では、「未来の古典」をめざす音楽朗読劇において全作の作曲を担当。全公演にピアニストとして出演し、俳優とのセッションを重ねている[18]。
2021年6月、世界的舞踊家イスラエル・ガルバンのダンスコンサート・ツアー「春の祭典」[19]にピアニストとして出演し[16]、大きな反響を呼んだ。
2023年6月、ダンスコンサート 平山素子×笠井叡『「フーガの技法」を踊る』[20]に出演し[21]、コンテンポラリー・ダンス界を牽引する2人のダンサーと共演。バッハのフーガ14曲を演奏し、好評を博した。同作はDance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021にて開催された「エリア50代」[22]で初演された、笠井叡振付・平山素子によるソロダンス『J.S.バッハ作曲“フーガの技法”1.2.6.9番によるダンス』のスケールアップ公演[20]。
2024年12月には『平山素子×笠井叡「フーガの技法」を踊る ライブ・フィルム＋パフォーマンス』[23]に出演し、平山素子氏・笠井叡氏との共同創作によるパフォーマンスを披露した[24]。
2024年9月、クラシックギター奏者の五十嵐紅とデュオを結成。ギターとピアノという世界的にも希少な編成による、繊細な響きを追究している。また、この編成のために「星に願いを」など編曲を多く手掛けている[25]。
2024年4月より桐朋学園大学作曲科非常勤講師を務めている[6]。
主な受賞歴
編集- 第64回全日本学生音楽コンクールピアノ部門中学生の部全国大会第1位[10]
- 第15回大阪国際音楽コンクールピアノ部門Age-H 第3位[26]
- 第7回横浜国際音楽コンクールピアノ部門高校生部門全国大会 第1位 Virtuoso賞[27]
- 第25回おきでんシュガーホール新人演奏会オーディション グランプリ[28]
- 第41回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ 聴衆賞 文部科学大臣賞 スタインウェイ賞[11]
- 令和4年度奏楽堂日本歌曲コンクール 第28回作曲部門 第1位『三好達治の詩による歌曲集』[29]
- 第23回国際ピアノデュオコンクール作曲部門（2023年） 第2位 音楽之友社奨励賞[30] 『連弾のための「ダイアローグ」』[31]
作品リスト
編集ピアノ曲
- 連弾のための「ダイアローグ」/Dialogue For Piano Duet (2023年7月 第23回国際ピアノデュオコンクール)[31]
- 「内なる眼 -ピアノのための- / Innervisions for Piano」(2023年8月 第47回ピティナ・ピアノコンペティション特級2023:入賞記念アルバム)[32]
- 「こだま」-協力:ピティナ「はじまりの街」ピアノ・トゥデイ ～私たちのたからもの～(2024年3月 カワイ出版 ISBN 978-4-7609-0386-3)[33]
歌曲
- 「四つの思い出」歌曲集(2023年8月 カワイ出版 ISBN 9784760941988[14])
- 「雨、雨の日」女声三部合唱(2024年12月 カワイ出版 カワイ出版創立50周年企画「笑顔で歌おうプロジェクト」 ISBN 978-4-7609-4769-0)[34][35]
その他の作品（朗読とのアンサンブル[18]）
- 藤原定家の和歌に基づくピアノ独奏曲(2024年8月 ピアノと和歌で紡ぐ音楽朗読劇《時を超えて出会う ドビュッシーと藤原定家》)[17]
- ピアノ独奏曲「初夏のパリと京都」「柊」「窓の外の景色」など(2023年5月 ピアノと朗読で紡ぐ音楽朗読劇「夢の浮橋」)[36][37]
編曲
- 「弾くべや！ご当地歌謡曲！ 北海道編」ピアノソロ(2024年9月 カワイ出版 ISBN 978-4-7609-0705-2)[38]
ディスコグラフィー
編集- 2018年12月5日『Landscapes』Warner Classics presents PTNA recordings WPDS-10085[39]
脚注
編集出典
編集- ^ a b c d ひと 2011「全日本学生音楽コンクールで第1位 片山柊さん」 - 北海道新聞2011年1月13日朝刊3p
- ^ 片山柊 - facebook
- ^ 202112片山柊 アドバイス・レッスン 受講者募集 - エルム楽器
- ^ a b c まど「代弁者」 - 北海道新聞2018年2月5日夕刊10p
- ^ a b “グランプリメッセージ Vol.4 片山柊さん（2017特級グランプリ） | ピティナ調査・研究”. research.piano.or.jp. 2024年10月29日閲覧。
- ^ a b “特級過去グランプリインタビューVol.2｜ 片山柊さん（2017特級グランプリ）”. note（全日本ピアノ指導者協会（ピティナ）） (2024年7月17日). 2024年10月25日閲覧。
- ^ “武田 真理 / Takeda, Mari - ピティナ・ピアノ曲事典”. piano.or.jp. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “東誠三プロフィール|東誠三略歴|”. 東誠三 友の会. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “Syu KATAYAMA”. 片山 柊 | Syu KATAYAMA. 2024年10月27日閲覧。
- ^ a b “第61～70回 - 全日本学生音楽コンクール”. gaccon.mainichi-classic.net. 2024年10月27日閲覧。
- ^ a b “入賞者と活躍｜コンペティション”. compe.piano.or.jp. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “奏楽堂日本歌曲コンクール | 旧東京音楽学校奏楽堂”. 旧東京音楽学校奏楽堂 | (2023年7月27日). 2024年12月10日閲覧。
- ^ “奏楽堂日本歌曲コンクール第28回作曲部門 本選結果発表 | 旧東京音楽学校奏楽堂”. 旧東京音楽学校奏楽堂 | (2022年5月29日). 2024年10月27日閲覧。
- ^ a b c “片山 柊：「四つの思い出」歌曲集｜カワイ出版オンライン｜ピアノ 合唱 楽譜の通販と楽譜自費出版”. カワイ出版オンライン｜ピアノ 合唱 楽譜の通販と楽譜自費出版. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “片山柊先生の邦人曲アナリーゼ（講師：片山柊） | セミナー”. seminar.piano.or.jp. 2024年10月29日閲覧。
- ^ a b “"フラメンコの革命児"イスラエル・ガルバン、『春の祭典』で日本人ピアニスト2名と共演～来日会見レポート | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス”. SPICE（スパイス）｜エンタメ特化型情報メディア スパイス. 2024年10月27日閲覧。
- ^ a b Inc, Natasha. “時を超えて出会ったドビュッシーと藤原定家は…京都で開催されるピアノと和歌の音楽朗読劇”. ステージナタリー. 2024年10月29日閲覧。
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- ^ “イスラエル・ガルバン「春の祭典」”. イスラエル・ガルバン「春の祭典」. 2024年10月27日閲覧。
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- ^ “「フーガの技法」を踊る｜EPAD｜作品データベース”. db.epad.jp. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “エリア50代”. Dance Dance Dance at YOKOHAMA（DDD 横浜）. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “ライブ音響上映＋スペシャル・パフォーマンス「フーガの技法」を踊る”. NPO alfalfa WEB SITE. 2024年12月5日閲覧。
- ^ Inc, Natasha. “ライブ音響上映とパフォーマンスで観る、平山素子×笠井叡「フーガの技法」を踊る”. ステージナタリー. 2024年12月5日閲覧。
- ^ Koh Igarashi (2025-01-01), Koh ＆ Syu - When You Wish upon a Star (L.Harline) 2025年1月28日閲覧。
- ^ “第15回 Section I: ピアノ部門 結果 | 大阪国際音楽コンクール”. www.osakaimc.com (2019年2月6日). 2024年10月27日閲覧。
- ^ “片山柊 プロフィール | Warner Music Japan”. ワーナーミュージック・ジャパン | Warner Music Japan. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “ピアノ片山柊さん、グランプリに輝く おきでんシュガーホール新人演奏会”. 沖縄タイムス＋プラス (2019年3月18日). 2024年10月27日閲覧。
- ^ “奏楽堂日本歌曲コンクール第28回作曲部門 本選結果発表 | 旧東京音楽学校奏楽堂”. 旧東京音楽学校奏楽堂 | (2022年5月29日). 2024年10月27日閲覧。
- ^ “国際ピアノデュオ協会”. ipda-pianoduo.com. 2024年10月27日閲覧。
- ^ a b eriko takayanagi (2023-07-10), 連弾のための「ダイアローグ」（片山 柊 作曲） 2024年10月27日閲覧。
- ^ “内なる眼 -ピアノのための-/Innervisions for Piano - 片山 柊 - ピティナ・ピアノ曲事典”. piano.or.jp. 2024年10月28日閲覧。
- ^ “ピティナ協力：「はじまりの街」ピアノ・トゥデイ ～私たちのたからもの～｜カワイ出版オンライン｜ピアノ 合唱 楽譜の通販と楽譜自費出版”. カワイ出版オンライン｜ピアノ 合唱 楽譜の通販と楽譜自費出版. 2024年10月28日閲覧。
- ^ Fontana di Musica (2024-03-01), 笑顔で歌おうプロジェクト 「雨、雨の日」 N.F.レディースシンガーズ 2024年10月28日閲覧。
- ^ “片山柊：「雨、雨の日」女声合唱曲 笑顔で歌おうプロジェクト｜カワイ出版オンライン｜ピアノ 合唱 楽譜の通販と楽譜自費出版”. カワイ出版オンライン｜ピアノ 合唱 楽譜の通販と楽譜自費出版. 2024年12月5日閲覧。
- ^ “【ダイジェスト動画】ピアノと朗読で紡ぐ音楽朗読劇《夢の浮橋》京都編・パリ編｜芸術団体「夢の浮橋」制作企画”. note（ノート） (2023年5月27日). 2024年10月29日閲覧。
- ^ “音楽劇の制作・発表 | 令和4（2022）年度 第2回 スタートアップ助成 | 芸術文化支援事業”. アーツカウンシル東京. 2024年10月29日閲覧。
- ^ “「弾くべや！ご当地歌謡曲！ 北海道編」ピアノソロ｜カワイ出版オンライン｜ピアノ 合唱 楽譜の通販と楽譜自費出版”. カワイ出版オンライン｜ピアノ 合唱 楽譜の通販と楽譜自費出版. 2024年12月10日閲覧。
- ^ “片山柊「片山柊（シュウ）- Landscapes」 | Warner Music Japan”. ワーナーミュージック・ジャパン | Warner Music Japan. 2024年10月27日閲覧。
