炭酸鉛(II)
炭酸鉛(II)(たんさんなまり、英: Lead carbonate)は鉛の炭酸塩で、化学式PbCO3で表される無機化合物。天然にはセルサイト (Cerussite) に含まれる[2]が、工業的には、酢酸鉛(II)と二酸化炭素から作られる。
炭酸鉛(II) Lead carbonate | |
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Lead carbonate | |
別称 セルサイト | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 598-63-0 |
PubChem | 11727 |
RTECS番号 | OF9275000 |
特性 | |
化学式 | PbCO3 |
モル質量 | 267.21 g/mol |
外観 | 白色の粉末 |
密度 | 6.582 g/cm3 |
融点 |
315℃(分解) |
水への溶解度 | 0.00011 g/100 mL (20 °C) |
溶解度平衡 Ksp | 1.46 x 10-13 |
溶解度 | アルコール、アンモニアに不溶。酸、アルカリに可溶。 |
屈折率 (nD) | 1.804 [1] |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | External MSDS |
EU分類 | Repr. Cat. 1/3 毒性 (T) 有害性 (Xn) 環境に対する危険性 (N) |
EU Index | 082-001-00-6 |
Rフレーズ | R61, R20/22, R33, R62, R50/53 |
Sフレーズ | S53, S45, S60, S61 |
引火点 | (不燃性) |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 硫酸鉛(II) |
その他の陽イオン | 炭酸スズ(II) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
製造
編集薄めた酢酸鉛(II)溶液に二酸化炭素を通す方法と、塩基性炭酸鉛の形成を防ぐために低温で、炭酸鉛より水に溶けにくい鉛の塩と炭酸アンモニウムとの懸濁液を浸透する方法がある。
安全性
編集日本の毒物及び劇物取締法では劇物に指定されており[3]、国際がん研究機関では無機鉛化合物の一種として、発癌性についてGroup2A(ヒトに対する発癌性がおそらくある)に分類している。ヨーロッパでは、流通と使用が禁止されている[4]。
関連物質
編集下記のような鉛の炭酸塩が知られている。
- 鉛白 - 塩基性炭酸鉛( )を主成分とした白色顔料。
- シャノン石 (Shannonite)
- レッドヒル石 (Leadhillite) ,
- [5]
脚注
編集- ^ Pradyot Patnaik. Handbook of Inorganic Chemicals. McGraw-Hill, 2002, ISBN 0-07-049439-8
- ^ Inorganic Chemistry, Egon Wiberg, Arnold Frederick Holleman Elsevier 2001 ISBN 0-12-352651-5
- ^ 製品安全データシート
- ^ http://eur-lex.europa.eu/en/index.htm
- ^ S.V. Krivovichev and P.C. Burns, "Crystal chemistry of basic lead carbonates. II. Crystal structure of synthetic 'plumbonacrite'." Mineralogical Magazine, 64(6), pp. 1069-1075, December 2000. http://www.nd.edu/~pburns/pcb075.pdf
外部リンク
編集- 製品安全データシート(厚生労働省 職場のあんぜんサイト)