濫江楼
来歴
編集ニューオータニ美術館所蔵の肉筆画「虚無僧図」(絹本着色)に「八十有七翁□斎画」の落款と、「濫江楼」の朱文方印があることから、この絵の作者とされている。「虚無僧図」は笠を脱いで顔を見せる若衆の虚無僧姿を描いており、寛政から享和にかけての頃の作とされる。「八十有七翁」とはこの絵を描いたとき八十七歳の老人だったということで、逆算すると「濫江楼」は安永から享保にかけての頃の生まれということになるが、そのほかの出自や経歴については一切不明である。
参考文献
編集- ニューオータニ美術館編 『幻の浮世絵美人たち -大谷コレクション肉筆浮世絵-』 ニューオータニ美術館、1991年 ※152頁
- 小林忠編 『肉筆浮世絵大観(8) ニューオータニ美術館』 講談社、1995年