RSA暗号の公開鍵を 、秘密鍵を とする。
ここで は合成数とする。
この暗号方式では、平文 の暗号文は、それぞれ
となる。この二つの暗号文から の
暗号文を構成するためには、二つの暗号文の乗算をすればよい。これは、 となることからも確かめられる。
位数が素数 であるような群 上のElGamal暗号を考える。公開鍵を 、秘密鍵を とする。平文 の暗号文は、 、 となる。
この二つの暗号文を掛け合わせれば、 となり、 の暗号文となる。
ElGamal暗号に若干の修正を加えれば、加法に関して準同型性を有する公開鍵暗号を構成できる。上と同じように、位数が素数 であるような群 上のElGamal暗号を考える。公開鍵を 、秘密鍵を とする。平文 の暗号文は、 、
となる。
この二つの暗号文を掛け合わせれば、 となり、 の暗号文となる。
平文 に対するPaillier暗号(en:Paillier cryptosystem)の暗号文は、 である。ここで 、 である。この公開鍵暗号は加法に関して、準同型性を有する。すなわち、 の暗号文
から の暗号文を計算することは容易である。
すなわち、 とできる。
modified-ElGamalとPaillier暗号のその他の有用な性質
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準同型の性質により、これらの暗号方式においては、 と から
を計算できる。
例えば、Paillier暗号ならば、 と
から、 とすることにより、
の暗号文を得ることができる。
- 公開鍵暗号型の高機能暗号の研究動向: [1]
- 量子コンピュータの脅威を考慮した高機能暗号:格子問題に基づく準同型暗号とその応用: [2]