渡辺邦夫 (政治家)
渡辺 邦夫(渡邊 邦夫[2][3]、わたなべ くにお、1957年(昭和32年)5月23日[1] - )は、日本のレストラン経営者、政治家。埼玉県幸手市長(2期)、幸手市議会議員(3期)、幸手青年会議所理事長[1]などを歴任した。
渡辺 邦夫 わたなべ くにお | |
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生年月日 | 1957年5月23日(67歳) |
出生地 | 埼玉県幸手市 |
出身校 |
日本大学豊山高等学校卒業 日本大学文理学部中退[1] |
所属政党 | 無所属 |
当選回数 | 2回 |
在任期間 | 2011年11月9日 - 2019年8月21日 |
当選回数 | 3回 |
在任期間 | 1999年5月3日 - 2011年5月2日 |
来歴
編集埼玉県北葛飾郡幸手町(現:幸手市)出身。割烹「渡邊家」の二男として生まれる[1]。幸手町立幸手小学校、幸手町立幸手中学校、日本大学豊山高等学校卒業[1]。1981年5月、日本大学文理学部中退[1][4]。1982年、肉の万世に就職。1987年、幸手市内に鉄板焼きレストラン「プロローグ[5]」を開業する[6]。
1999年5月から2011年5月まで、幸手市議会議員を3期務めた[7]。また幸手小学校PTA会長、幸手市PTA連合会会長、埼玉県PTA連合会副会長を務めた[1]。
2011年10月30日に行われた幸手市長選挙に立候補。現職の町田英夫市長(無所属、自由民主党推薦)を破り、初当選。投票率は過去最低の46.61%だった[8]。同年11月9日、市長就任。
2015年10月25日に行われた市長選で、元幸手市助役の木村純夫を61票差で破り再選(渡辺:9,714票、木村:9,653票)。投票率は前回を下回り44.61%[9]。
不祥事
編集2019年8月6日に広島市で開かれる平和記念式典に参列するため、前日の8月5日、渡辺は市内3校の中学生6人とともに2泊3日の予定で同市を訪れた。8月6日朝、平和記念式典に参列。市内のホテルで夕食をとったあと、生徒6人はとうろう流しに参加したが、渡辺はとうろう流しには行かず、近くの飲食店で21時過ぎから閉店の23時半まで市職員2人と酒を飲んだ。3人は8月7日0時頃ホテルに戻り、そこから渡辺は「ジュースを買いに行く」と言って1人で外出した[10]。
同日2時半頃、中区新天地にある雑居ビル4階のバーの女性店員と代金支払いを巡って口論になり、女性をエレベーターの中に無理やり引きずり込み、顔面を数回殴るなどした暴行の現行犯で逮捕された[11]。渡辺は「身に覚えがない。なぜこんなことになったかわからない」と述べ、容疑を否認していた[12][13][14]。渡辺は2012年から広島平和記念式典に参加しているが、市の発表によればほぼ毎回飲酒していたという[15]。この件で幸手市役所には400件を超える抗議の電話や電子メールが殺到し、市の業務に支障をきたした[16]。
渡辺の逮捕を受け、幸手市は同年8月8日から9日まで、副市長の成田博を職務代理者として設置する対応をとった[17][18]。
渡辺の弁護人は広島地方検察庁に対し「逃走や証拠隠滅の恐れがない」として勾留請求をしないよう申し立て[19]、8月8日、広島地方検察庁は処分保留で渡辺を釈放した[19]。釈放の理由は明らかにされていない[20]。
渡辺は釈放後に幸手市へ戻り、8月9日15時より幸手市役所第二庁舎2階第1会議室で釈明会見を開いた[3]。会見では市民や関係者に対して迷惑をかけたと謝罪した上で「青天の霹靂[注 1]。全く身に覚えのないこと」と逮捕容疑についてあらためて否定し、代金支払いを巡った口論についても「余裕を持って1万円を支払ったところ、大変喜んでいた。したがって、女性店員との間で料金トラブルは全くない」と完全否定した[22][23]。自身の進退についても11月の任期満了まで市長を務め、辞任しない考えを示した[24]。
しかし、同年8月20日15時より開かれる臨時市議会において、議員側から「市政への信頼を大きく失墜させた」として市長に対する不信任決議案が提出される運びとなったことを受け、同日中に渡辺側より市議会に辞職願を提出し[16][25]、同日の臨時市議会で翌21日付での辞職が許可された[16][26][27]。臨時会の終了後、市役所で記者会見し「事件は事実無根で今後も争う」と暴行容疑を改めて否定した[16][28][29]。
渡辺の退職後、幸手市は新たに市長が就任するまでの間、再度副市長の成田博を職務代理者として設置する対応をとった[30]。
渡辺の辞職に伴い行われた10月6日投開票の市長選挙の結果、2015年の同選挙で渡辺に敗れた元市助役の木村純夫が当選した。
人物
編集家族は、両親、妻、長男夫婦、孫、二男、長女[1]。住所は権現堂桜堤の近く[1]。モットーは、なんでも自分の目で確かめる「現場主義」[1]。
政策
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i j 渡辺くにおプロフィール
- ^ “幸手中央ロータリークラブ週報 第764回例会 No.26” (PDF). 幸手中央ロータリークラブ (2015年1月27日). 2019年8月8日閲覧。
- ^ a b 『幸手市長渡邊邦夫のプレスリリースコメント全文』(プレスリリース)幸手市、2019年8月9日。オリジナルの2019年8月9日時点におけるアーカイブ 。2019年8月9日閲覧。
- ^ “プロフィール”. 幸手市. 2015年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月21日閲覧。
- ^ “【公式】レストランプロローグ 上質な黒毛和牛が食べられる穴場の鉄板焼きハンバーグ、ステーキの店 埼玉県幸手市”. レストランプロローグ. 2022年3月21日閲覧。
- ^ “職員40人削減で3億円支出減 圏央道開通を軸にまちづくり” (PDF). 2022年3月21日閲覧。
- ^ “プロフィール”. 幸手市. 2019年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月21日閲覧。
- ^ “幸手市長に渡辺氏が初当選〈30日の市長選〉”. 朝日新聞. (2011年10月30日) 2014年3月26日閲覧。
- ^ “幸手市長に渡辺氏再選 61票差、木村氏かわす 埼玉”. 産経ニュース. (2015年10月26日) 2015年10月26日閲覧。
- ^ “幸手市長を逮捕、バーの女性に暴行容疑 中学生と広島平和式典、その夜…なぜかバーはしご「恥ずかしい」”. 埼玉新聞. (2019年8月8日). オリジナルの2019年8月8日時点におけるアーカイブ。 2019年8月8日閲覧。
- ^ “「幸手市長」が不当逮捕という「バーのママ暴行事件」裏の裏”. デイリー新潮. 新潮社 (2019年8月29日). 2021年2月21日閲覧。
- ^ “幸手市長、広島で店員に暴行容疑 「身に覚えない」否認”. 朝日新聞. (2019年8月7日) 2019年8月7日閲覧。
- ^ “幸手市長を逮捕、女性店員の顔殴った疑い…支払い巡りトラブルか”. 読売新聞. (2019年8月7日). オリジナルの2019年8月7日時点におけるアーカイブ。 2019年8月7日閲覧。
- ^ “暴行容疑、埼玉・幸手市長を逮捕”. 共同通信 (2019年8月7日). 2019年8月7日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 寺本康弘 (2019年8月8日). “【埼玉】幸手市長逮捕 市が謝罪 市に批判含む100件超の電話”. 東京新聞. オリジナルの2019年8月8日時点におけるアーカイブ。 2019年8月8日閲覧。
- ^ a b c d “幸手市長が辞職「市の業務支障」 暴行容疑は否認”. 東京新聞 TOKYO Web. 東京新聞社 (2019年8月21日). 2021年2月21日閲覧。
- ^ 『幸手市長職務代理者の設置について』(プレスリリース)幸手市、2019年8月8日。オリジナルの2019年8月9日時点におけるアーカイブ 。2019年8月9日閲覧。
- ^ 『幸手市長の職務代理について』(プレスリリース)幸手市、2019年8月9日。オリジナルの2019年8月9日時点におけるアーカイブ 。2019年8月9日閲覧。
- ^ a b “バーでの代金巡りトラブルか 埼玉県幸手市長を広島地検が釈放”. 中国新聞デジタル. 中国新聞社 (2019年8月9日). 2021年2月21日閲覧。
- ^ “埼玉・幸手市長 処分保留で釈放 広島地検”. 毎日新聞 東京朝刊 (毎日新聞社). (2019年8月9日). オリジナルの2019年8月9日時点におけるアーカイブ。 2019年8月9日閲覧。
- ^ 『幸手市長渡邊邦夫のプレスリリースコメント全文』(プレスリリース)幸手市、2019年8月9日。オリジナルの2019年8月9日時点におけるアーカイブ 。2019年8月9日閲覧。
- ^ “釈放の渡辺幸手市長が会見「青天の霹靂」「料金トラブルも暴力もない」”. AbemaTIMES (AbemaTV). (2019年8月9日). オリジナルの2019年8月9日時点におけるアーカイブ。 2019年8月9日閲覧。
- ^ “「相手は20歳の雇われママ」女性暴行容疑で逮捕の幸手市長、会見で事件語る”. スポーツ報知. 報知新聞社 (2019年8月9日). 2021年2月21日閲覧。
- ^ “女性殴打容疑で逮捕の埼玉・幸手市長「青天のへきれき」リンク切れ”. 産経ニュース (産業経済新聞社). (2019年8月9日) 2019年8月9日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “暴行容疑の幸手市長が辞職願”. NHKニュース (日本放送協会). (2019年8月20日). オリジナルの2019年8月20日時点におけるアーカイブ。 2019年8月20日閲覧。
- ^ 出張先の広島市で暴行容疑の幸手市長が辞職 - 産経ニュース 2019年8月20日[リンク切れ]
- ^ 埼玉・幸手市長が辞職へ 暴行容疑で逮捕、釈放 - 共同通信 2019年8月20日[リンク切れ]
- ^ “埼玉・幸手市長が辞職 暴行容疑で逮捕、釈放”. 神戸新聞. (2019年8月20日). オリジナルの2019年8月21日時点におけるアーカイブ。 2019年8月21日閲覧。
- ^ “暴行容疑で逮捕、幸手市長辞職へ「事件は事実無根」”. 読売新聞. (2019年8月20日). オリジナルの2019年8月22日時点におけるアーカイブ。 2019年8月21日閲覧。
- ^ 『幸手市長職務代理者の設置について』(プレスリリース)幸手市、2019年8月21日。オリジナルの2019年8月21日時点におけるアーカイブ 。2019年8月21日閲覧。
- ^ “幸手市の前市長を不起訴 平和式典後に暴行容疑で辞職”. 朝日新聞. (2019年12月27日) 2019年12月29日閲覧。
- ^ a b c d e f g 渡辺くにお 第2ステージの約束、渡辺くにお 公式ウェブサイト。
- ^ “幸手市デマンド交通”. 幸手市. 2021年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月13日閲覧。
- ^ a b 朝日新聞社 (2021年2月21日). “廃止された市内循環バス、異例の復活 予約制バスは不評(朝日新聞デジタル)”. Yahoo!ニュース. 2021年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月21日閲覧。
- ^ a b “廃止された市内循環バス、異例の復活 予約制バスは不評:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2021年2月21日). 2021年2月21日閲覧。