海神別荘
『海神別荘』(かいじんべっそう)は、泉鏡花による戯曲。1914年(大正3年)12月、雑誌『中央公論』に発表された。
海神別荘 | |
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作者 | 泉鏡花 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 戯曲 |
幕数 | 1幕 |
初出情報 | |
初出 | 『中央公論』1914年12月号 |
刊本情報 | |
収録 | 『粧蝶集』 春陽堂 1917年8月 |
初演情報 | |
公演名 | 『新派公演』 歌舞伎座 1955年 |
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あらすじ
編集時は現代(ただし書かれたのは大正初期であり、この場合は大正時代である)。一人の美女が、人柱として海神の世継ぎである公子の妻となるべく使わされた。美しい別荘内で美女は故郷を思い、そして公子の制止を振り切り陸へと戻る。しかし陸ではすでに彼女は蛇となっており、家族や友人にも見分けられず泣きながら別荘へと帰る。泣き続け、公子を恨む美女に対し公子は怒りを覚え、斬らんとするが、最後は和解しめでたく結ばれる。
舞台化
編集1955年(昭和30年)、歌舞伎座にて新派によって初演された。その後、芥川比呂志[1]、坂東玉三郎ら、鏡花を愛する演劇人の演出により再演が重ねられた。特に玉三郎自身、市川海老蔵(11代目)と度々共演するなど、鏡花作品の演出・主演に積極的に取り組み、この作品を『夜叉ヶ池』、『天守物語』と共に、「泉鏡花三部作」とみなし度々上演している[2][3]。
作品書誌
編集- 『鏡花全集第26巻 戯曲』岩波書店 ISBN 978-4000911061
- 『鏡花小説・戯曲選 第11巻』岩波書店 ISBN 978-4000906012
- 『泉鏡花集成〈7〉』種村季弘編、ちくま文庫 ISBN 978-4480031778
- 『鏡花幻想譚〈5〉天守物語の巻』河出書房新社 ISBN 978-4309706955
- 泉鏡花『海神別荘-他二篇(山吹・多神教)』 岩波文庫 ISBN 978-4003127155
脚注
編集- ^ 1974年、劇団雲により上演。芥川はこの『海神別荘』の演出により、文化庁芸術祭の演劇の部で優秀賞を受賞した。
- ^ “超自我の幻想:「海神別荘」”. kabusk. 2012年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月27日閲覧。
- ^ “シネマ歌舞伎『海神別荘』”. WOWOW. 2021年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月28日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 『海神別荘』:新字新仮名 - 青空文庫
- 華 成田屋 海神別荘 - ウェイバックマシン(2000年10月17日アーカイブ分)[リンク切れ]