浅島誠
日本の学者
浅島 誠(あさしま まこと、1944年9月6日 - )は、日本の生物学者。専門は発生生物学。東京大学名誉教授。産業技術総合研究所名誉フェロー。横浜市立大学名誉教授。帝京大学学術顧問・特任教授。理学博士(東京大学、1972年)。新潟県佐渡市出身。
浅島誠(あさしま まこと) | |
---|---|
文化功労者顕彰に際して公表された肖像写真 | |
生誕 |
1944年9月6日(80歳) 日本 新潟県 佐渡市 |
居住 |
日本 ドイツ |
研究分野 | 発生生物学 |
研究機関 |
ベルリン自由大学 横浜市立大学 東京大学 産業技術総合研究所 東京理科大学 帝京大学 |
出身校 |
東京教育大学 東京大学 |
主な業績 | アクチビンの発見 |
主な受賞歴 | 恩賜賞・日本学士院賞 |
プロジェクト:人物伝 |
概要
編集生物の分子発生プログラムと各器官形成に興味を持っていたが、1989年、胚発生における分化誘導物質として、アクチビンを世界で初めて同定した。これは世界的に追試されて確認され、高い評価を得た。アクチビンの濃度依存的に胚発生は制御される。
略歴
編集学歴
編集- 1963年3月 - 新潟県立佐渡高等学校卒業
- 1967年3月 - 東京教育大学理学部卒業
- 1972年3月 - 東京大学大学院理学系研究科動物学専門課程博士課程修了
- 1972年4月 - 理学博士「ウニ胚の発生過程における色素形成について」[1][2]
職歴
編集- 1972年4月 ベルリン自由大学分子生物研究所研究員
- 1974年10月 - 横浜市立大学文理学部助教授
- 1985年1月 - 横浜市立大学文理学部教授
- 1993年4月 - 東京大学教養学部教授
- 1995年4月 - 東京大学総長補佐
- 1996年4月 - 東京大学大学院総合文化研究科教授
- 2003年2月 - 東京大学大学院総合文化研究科長・教養学部長(2005年2月まで)
- 2006年4月 - 産業技術総合研究所器官発生工学研究ラボ長
- 2007年3月 - 東京大学退職
- 2007年
- 4月 - 国立大学法人東京大学理事(副学長)(2009年3月まで)
- 6月 - 東京大学名誉教授
- 2009年4月 - 産業技術総合研究所フェロー
- 2010年4月 - 産業技術総合研究所 幹細胞工学研究センター長 兼任 筑波大学 生命領域学際研究センター長
- 2013年4月 - 産業技術総合研究所名誉フェロー
- 2016年4月 - 東京理科大学副学長
- 2018年4月 - 帝京大学学術顧問・特任教授
学外における役職
編集- 日本学術会議副会長(第20期)
- 日本発生生物学会会長(2002年 - 2007年)
- 日本動物学会会長
- 日本学術振興会理事
- 横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校・附属中学校常任スーパーアドバイザー
人物
編集実験材料でもあるイモリをこよなく愛する。年2回のイモリ採取は40年間欠かしたことがない。好きな言葉は"passion(情熱を超えた熱情)"。
著書
編集単著
編集- 『生物の「安定」と「不安定」―生命のダイナミクスを探る』(2016年、NHK出版〈NHKブックス No.1243〉)
共著
編集- 浅島誠・駒崎伸二共著『発生のしくみが見えてきた』(1998年、岩波書店〈高校生に贈る生物学 (4)〉)
- 浅島誠・駒崎伸二共著『分子発生生物学 動物のボディープラン』(2000年、裳華房)
- 浅島誠・木下圭共共著『新しい発生生物学 生命の神秘が集約された「発生」の驚異』(2003年、ブルーバックス)
- 浅島誠・駒崎伸二共著『図解 分子細胞生物学』(2010年、裳華房)
- 浅島誠・太田光・田中裕二共著『爆笑問題のニッポンの教養 生命のかたちお見せします 発生生物学』(2011年、講談社)
- 浅島誠・駒崎伸二共著『動物の発生と分化(新・生命科学シリーズ)』(2011年、裳華房)
- 浅島誠・水野丈夫共編著『理解しやすい生物』(2012年、文英堂)
受賞・受章
編集- 日本動物学会賞1990年度(「両生類の胚誘導と細胞分化に関する研究」)[3]
- 井上学術賞 1990年度(「両生類の胚誘導と細胞分化に関する基礎的研究」)[4]
- Man of the Year 1991 (USA. ABI)
- 木原記念財団学術賞1994年度(「両生類の胚誘導と細胞分化に関する研究」)[5]
- ジーボルト賞(ドイツ政府)
- 東レ科学技術賞 1998年度(「試験管内での幼生の形づくりと臓器形成の制御」)
- 持田記念学術賞 1999年度(「試験管内での臓器形成の基礎研究とその応用」)
- 内藤記念科学振興賞 1999年度(「試験管内での臓器形成と遺伝子発現の制御の基礎的研究」)
- 有馬啓バイオインダストリー協会賞 2000年度(「アクチビンの発見と細胞分化および臓器形成における基礎的研究」)
- 上原賞 2000年度(脊椎動物の臓器形成と形づくりの基礎的研究に対し)[6]
- 恩賜賞・日本学士院賞 2001年(「初期発生における形態形成の基礎的研究」)
- 紫綬褒章 2001年
- 比較腫瘍学常陸宮賞 2002年
- 日本宇宙生物科学会功績賞 2007年
- エルビン・シュタイン賞 2008年
- 文化功労者 2008年度[7]
- 日本再生医療学会功績賞 2013年
- リトアニア共和国大統領勲章 2017年
- リトアニア科学アカデミー外国人会員 2017年(「発生生物学の発展とリトアニアとの学術への貢献」)[8]
- 瑞宝重光章 2017年[9]
出演
編集- 2007年4月13日、NHK総合テレビ「爆笑問題のニッポンの教養」第1回
- 2015年3月10日、NHK総合テレビ「クローズアップ現代」- 「論文不正は止められるのか - 始まった防止への取り組み-」
脚注
編集- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ 国立国会図書館. “博士論文『ウニ胚の発生過程における色素形成について』”. 2023年4月7日閲覧。
- ^ “日本動物学会学会賞賞 受賞者”. 社団法人日本動物学会. 2009年10月31日閲覧。
- ^ “第6回~第10回井上学術賞_受賞者” (PDF). 財団法人井上科学振興財団. 2009年10月31日閲覧。
- ^ “第1回~第16回学術賞受賞者”. 財団法人木原記念横浜生命科学振興財団. 2009年10月31日閲覧。
- ^ “これまでの上原賞受賞者”. 上原記念生命科学財団. 2022年5月20日閲覧。
- ^ “産総研:トピックス - 浅島 誠 器官発生工学研究ラボ長が平成20年度文化功労者に選ばれました”. 独立行政法人産業技術総合研究所. 2009年10月31日閲覧。
- ^ 本学副学長がリトアニア科学アカデミー外国人会員に選出 東京理科大学
- ^ “平成29年秋の叙勲 瑞宝重光章受章者” (PDF). 内閣府. p. 1. 2023年1月27日閲覧。
外部リンク
編集- 動物の形作りと多様性を探る - トップリーダーと学ぶワークショップ
- 東京大学最終講義 動物の発生の仕組みを探し続けて40年 - 東京大学オープンコースウェア
- 東京大学大学院総合文化研究科 浅島研究室
- 産業技術総合研究所幹細胞工学研究センター
|
|
|