洋鬼子

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洋鬼子(ようきし、中国語読み:ヤンクイズ、拼音: yáng guǐzi)とは、清代末期から中華人民共和国成立までの中国において用いられた西洋人に対する蔑称。戦前の日本においては、日本人を指す東洋鬼と区別して西洋鬼[1]、あるいは単に洋鬼と言ったが、同様に西洋人に対する蔑称であった。

洋鬼子
義和団の檄文。左上に「洋鬼子」の文字がある。
各種表記
簡体字 洋鬼子
拼音 yáng guǐzi
発音: ヤンクイズ
日本語読み: ようきし
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概要

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19世紀の中国(清王朝)を侵略して征服した西洋人への憎しみから用いられた中国語の表現である。振る舞いの悪い白人優越主義者の商人や外交官、鉄道の敷設など科学技術の導入(西欧化)などへの反発もあったが、特に西洋の外国人が中国に不平等条約を課して帝国主義的手段で中国における利権・経済的利益を独占したことへの反発が強くあり、日本が後発で中国利権を手にすると、日本人も西洋人と同じであり、東の洋鬼であるという意味で、東洋鬼と呼ばれた。文化・経済の両面で蹂躙を受けた中国人は、洋鬼子を追いだそうと、外国人排斥運動・排外運動を始めて、義和団事件のようなものを幾つか起こしたが、列強の派兵によって尽く鎮圧され、さらに厳しい不平等条約を課されて、半植民地化した。

派生語

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派生語として「假洋鬼子中国語版」(偽の毛唐の意味)があり、中国人外国人商取引を仲立ちをする中国人の仲買人(コンプラドール)に対する蔑称として用いられた[2]。また魯迅は、著書で断髮して洋装に変わった中国人留学生に対して、西洋かぶれの意味で、假洋鬼子を用いている。

脚注

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  1. ^ 西のヤンクイ(洋鬼)、東のヤンクイという意味で、西洋の鬼の意味ではない。
  2. ^ 洋鬼子の意味 - 中国語辞書 - Weblio日中中日辞典

参考文献

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外部リンク

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