沢田優蘭
沢田 優蘭(澤田)(さわだ うらん、1990年10月24日 - )は、東京都北区出身の女子陸上選手[1]。競技は陸上走り幅跳び(T12)と100m(T12)。日本記録保持者。2022年2月より株式会社エントリーに所属[2]。
獲得メダル | ||
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日本 | ||
陸上競技 | ||
パラリンピック | ||
銅 | 2020 東京 | ユニバーサルリレー |
略歴
編集6歳のころより両親は目が悪いことに気づいていたが、中学校に入ってから急速に視力が低下し、網膜色素変性症であることが判明した[3]。中学校卒業後、東京都立文京盲学校に進学し、体育の授業の一環で全国障害者スポーツ大会の東京予選に出場したことをきっかけに、陸上競技の練習を始めた[3]。2008年には北京パラリンピックに選手団最年少の17歳で出場[3]。100mでは予選敗退したものの、走り幅跳びでは自己ベストを30センチほど更新する4メートル93の記録を出して9位となった[4] 。
立教大学を卒業後は競技からいったん離れて飲料メーカーに就職した[3]。しかしその後練習を再開し[3]、2017年の日本パラ陸上競技選手権大会で再び日本記録を樹立した(5メートル03)[5]。2018年北京グランプリでは100mで優勝し、走り幅跳びでも5メートル70を跳んで日本記録を更新した[6] [7]。
2021年には東京パラリンピックに30歳で出場。100m(T12)では準決勝で敗退となったが、走り幅跳び(T12)では5メートル15の記録で5位入賞となった[8]。さらに、パラリンピック新種目のユニバーサルリレーに大島健吾、高松佑圭、鈴木朋樹と出場して、ガイドランナーの塩川竜平とともに第1走者を務めた。9月3日の決勝で日本は47秒98のタイムで4位フィニッシュとなるも、2位でゴールした中国が失格となったために繰り上げで3位となり銅メダルを獲得した[9]。
陸上走り幅跳び(T12)では世界ランク1位、100m(T12)では世界ランク6位(2018年末時点)[10]。
2022年1月31日、2017年6月1日より所属していた株式会社マッシュホールディングスを退社[11]、2022年2月1日より株式会社エントリーに所属[2]。
2023年、2024年の世界パラ陸上競技選手権大会の女子走り幅跳び(T12)で銅メダルを獲得[12]。
主な実績
編集年 | 大会 | 場所 | 種目 | 結果 | 記録 |
---|---|---|---|---|---|
2008 | 北京パラリンピック | 中国(北京) | 100m | 予選敗退 | 14秒18(T13)[4] |
走り幅跳び | 9位 | 4m93cm(F13)[4] | |||
2009 | アジアユースパラゲームズ | 日本(東京) | 100m、200m、走り幅跳び | 優勝 | |
2010 | アジアパラ競技大会 | 中国(広州) | 100m | 優勝 | |
2011 | IBSA世界選手権大会 | トルコ(アンタルヤ) | 100m | 優勝 | |
2016 | IPC Athletis Bellin Open | ドイツ(ベルリン) | 走り幅跳び | 優勝 | |
2016 | 第27回日本パラ陸上競技選手権大会 | 日本 | 走り幅跳び | 優勝 | 4m94cm(日本記録樹立) |
2016 | ジャパンパラ陸上競技大会 | 日本 | 走り幅跳び | 優勝 | 4m89cm(T13)[13] |
2016 | 第21回関東パラ陸上競技選手権大会 | 日本 | 走り幅跳び | 優勝 | |
2017 | 大分パラ陸上 | 日本 | 走り幅跳び | 優勝 | |
2017 | World Para Athletics Grand Prix 2017 Desert Challenge | アメリカ(アリゾナ州) | 走り幅跳び | 準優勝 | |
2017 | 第28回日本パラ陸上競技選手権大会 | 日本 | 走り幅跳び | 優勝 | 5m03cm(T12)(日本記録更新) |
2017 | 第22回関東パラ陸上競技選手権大会 | 日本 | 走り幅跳び | 優勝 | |
2017 | 2017北海道・東北パラ陸上競技選手権 | 日本 | 走り幅跳び | 優勝 | |
2018 | 2018 World Para Athletics Grand Prix(北京グランプリ) | 中国(北京) | 100m | 優勝 | 13秒22(T12)[7] |
走り幅跳び | 5m70cm(T12)(日本記録)[7] | ||||
2019 | 2019 World Para Athletics Grand Prix(北京グランプリ) | 中国(北京) | 100m | 12秒57(T12)(日本記録更新) | |
走り幅跳び | 5m09cm(T12) | ||||
2019 | セイコーグランプリ陸上2019 | 日本 | ユニバーサルリレー | 48秒14(日本新記録) | |
2019 | 第30回 日本パラ陸上競技選手権大会 | 日本 | 走り幅跳び | 5m21cm | |
100m | 12秒60(T12)(大会新記録) | ||||
2019 | 第103回日本陸上競技選手権大会 | 日本 | ユニバーサルリレー | 48秒53 | |
2019 | 第24回 関東パラ陸上競技選手権大会 | 日本 | 走り幅跳び | 5m6cm(T12) | |
100m | 12秒67(T12)(大会新記録) | ||||
2019 | ジャパンパラ陸上競技大会 | 日本 | 走り幅跳び | 4m99cm(T12) | |
100m | 12秒66(T12)(大会新記録) | ||||
2019 | Handisport open Pariss | フランス(パリ) | 走り幅跳び | 5m41cm(T12) | |
100m | 12秒39(T12)(日本新記録) | ||||
ユニバーサルリレー | 48秒33 | ||||
2019 | 2019世界パラ陸上競技選手権 | アラブ首長国連邦 (ドバイ) | 走り幅跳び | 5m27cm(T12) | |
100m | 12秒50(T12) | ||||
2020 | 第31回日本パラ陸上競技選手権大会 | 日本 | 走り幅跳び | 5m27cm(T12)(大会新記録) | |
100m | 12秒66(T12) | ||||
2021 | 東京パラリンピック | 日本(東京) | 走り幅跳び | 5位 | 5m15(T12) |
100m | 準決勝敗退 | 12秒81(T12) | |||
ユニバーサルリレー | 3位 | 47秒98 | |||
2023 | 2023世界パラ陸上競技選手権大会 | フランス(パリ) | 走り幅跳び | 3位 | 5m23(T12)[14] |
2024 | 2024世界パラ陸上競技選手権大会 | 日本(神戸) | 走り幅跳び | 3位 | 5m00(追い風参考)(T12)[15] |
脚注
編集- ^ “澤田優蘭選手”. パラサポweb. 日本財団パラスポーツサポートセンター. 2024年7月5日閲覧。
- ^ a b “東京パラリンピック銅メダリスト 澤田選手を全面バックアップ~初モデル!選手のガイドランナーとも業務委託契約〜【株式会社エントリー】からパリパラ金を目指します!”. PR TIMES. 2024年2月10日閲覧。
- ^ a b c d e “澤田優蘭・挫折を知る走り幅跳びのヒロインが見つめる 東京パラリンピックの金メダル(パラサポWEB)”. 日本財団パラリンピックサポートセンター. 2021年8月1日閲覧。
- ^ a b c “2008年北京パラリンピック競技大会 日本選手団リザルト”. 日本障がい者スポーツ協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “第28回パラ陸上競技選手権大会”. 日本パラ陸上競技連盟. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “北京グランプリ2018 澤田選手 走り幅跳び大きく日本記録更新(5月11日)”. 日本パラ陸上競技連盟. 2021年8月1日閲覧。
- ^ a b c “北京GP一般参加選手成績”. 日本パラ陸上競技連盟. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “陸上女子走り幅跳び(視覚障害T12)”. 東京オリンピック・パラリンピックガイド. 2021年9月4日閲覧。
- ^ “パラリンピック 陸上 400mユニバーサルリレー 日本が銅メダル”. NHKニュース. 2022年3月5日閲覧。
- ^ [1] 【Official website of the Paralympic Movement】Results, Rankings & Records]
- ^ “ご報告”. Uran Sawada Official Blog. 2024年2月10日閲覧。
- ^ “神戸世界パラ陸上、沢田優蘭が最後に会心の跳躍で「銅」…パリでビッグジャンプ見せる”. 読売新聞. 2024年5月20日閲覧。
- ^ “2016ジャパンパラ陸上競技大会記録集”. 日本障がい者スポーツ協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ 「沢田が銅メダル/陸上」『読売新聞』2023年7月13日、朝刊。
- ^ 「沢田「銅」 女子走り幅跳び 世界パラ陸上」『読売新聞』2024年5月20日、朝刊。
外部リンク
編集- 澤田優蘭選手公式ブログ[リンク切れ]
- 澤田優蘭(Sawada Uran) (@Sawada_Uran) - X(旧Twitter)
- Uran Sawada (@Uran_Sawada) - Instagram