沖縄角力
沖縄角力(おきなわすもう[1]、おきなわずもう[2]は、琉球(沖縄県)に伝わる格闘技である。シマ、ウチナージマとも呼ばれる[1]。
概要
編集沖縄角力は日本本土の相撲によく似るが、以下の点が異なる。
- 裸に廻しをつけるのではなく、柔道着(角力着)を着て、帯を締める[3](相撲も江戸時代以前の娯楽では着衣で行なわれた絵図がある)。
- お互いに右四つに組んで帯をつかんだ状態から始めて、技を掛け合う[1][2][3]。
- 相手の背中(両肩)を地面に付けると勝ちになる[1][2]。土俵はあるが土俵外に出ても負けにはならない。また、両肩以外(手など)が地面に付いた場合も負けにはならない[3]。
- 張り手・突っ張り・喉輪攻め・頭突き・蹴手繰り・二枚蹴り等の打撃による攻め手が無い。
地区単位まで含める年間約50回の大会が開かれており、全島大会だけでも年間20回以上が開催される。大会は3分3本勝負で、制限時間内に勝負がつかない場合は判定で勝敗を決める[1]。
歴史
編集一説によれば、沖縄角力は15世紀には現在の形になっており、尚灝王(在位 1804年 - 1834年)は沖縄角力を愛好し、その時代に隆盛を極めたともされる[4]。
しかし、1713年に成立した琉球王府初の地誌『琉球国由来記』には、中国の角觝や日本本土の相撲についての記述がある一方で、沖縄角力についてはまったく記述がない。このため、当時沖縄角力が存在していたかには疑問が呈されている。さらに、沖縄角力が盛んである久米島において角力行事が始まったのは、明治10年代であるとの指摘もある[4]。