沈砂池(ちんさち、ちんしゃち、英語: grit chamber[1])は、流水中の土砂などを沈殿させて流れから除くためのである。沈殿、堆積の場としての意味で沈殿池沈砂地と呼ばれることもある。ポンプの摩耗や損傷を防ぐ目的で揚水設備の前に設けられることが一般的である。

主に利水施設などの導水部に設けられ、水利用や水処理の障害となる浮遊物や固体を沈殿除去するための人工池(自然物の改修を含む)である[2][3]水路配管の閉塞を防止するために、前処理、一次処理施設として位置づけられることがある[4]

構造

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沈砂池の構造例
池の長さは流路幅の3-8倍程度となる。

人工的に造成・整備されたプール状の沈砂池の構造について以下に示す。このような積極的に構築した施設の他に、既存の自然物を用いたものもある。

  • 強固な鉄筋コンクリート造とする。
  • 堆砂のための長方形の池が主要な構造である。
  • 流入部と流出部が池の両端にあり、池内での流れが偏流や逆流を避け、層流となるように、幅が徐々に広がり/狭くなる。
  • 上澄みだけを流出させるよう、内部の水面下に堰が設けられる。
  • 清掃や点検、補修に備えて、複数の池を備えるものがある。
  • 寒冷地で凍結が予想される場合には、屋根が設けられることがある[2]

長さ

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沈砂池における堆砂部分の必要な長さは、概ね以下の計算で求められる。

 

L:池の長さ (m)、H:有効水深 (m)、U:除去すべき砂の沈降速度 (cm/sec)、V:池内平均流速 (cm/sec)、K:係数(安全率)1.5-2.0[2]

主な設置場所

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脚注

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  1. ^ 文部省土木学会編『学術用語集 土木工学編』(増訂版)土木学会、1991年。ISBN 4-8106-0073-4 
  2. ^ a b c 高堂彰二著、『水道の本』、日刊工業新聞社、2011年11月16日初版1刷発行、ISBN 978-4-526-06780-8、64-65頁
  3. ^ 沈砂池 - 兵庫県/水処理専門用語の解説 (2012年1月20日閲覧)
  4. ^ 川崎市建設局下水道部経営企画担当 (2008年1月31日). “一次処理(沈砂池)”. 下水道の基礎知識. 2012年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月3日閲覧。

関連項目

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