沈
西周から春秋時代に江漢流域にあった諸侯国
沈(しん)は、周公旦の後裔であり、西周から春秋時代に江漢流域にあった諸侯国で、春秋時代には強大な隣国楚に従属することが多く、柏挙の戦いの前に蔡に滅ぼされた。
国姓 | 姫姓 |
---|---|
爵位 | 子爵 |
国都 |
沈 (安徽省阜陽市臨泉県) |
分封者 | 不詳 |
始祖 | 周公旦の後裔 |
滅亡原因 | 柏挙の戦いの前に蔡により滅亡(『史記』) |
史書の記載 |
『春秋左氏伝』 (文公3年に初見) 『史記』(管蔡世家) |
周朝諸侯国一覧 |
汾水流域には他に古沈が遠く周王朝成立前に存在し、その地は春秋時代には晋の国内となっており、「春秋左氏伝」の昭公元年に記載が見られる。
建国
編集北宋欧陽脩の「新唐書」中の「宰相世系表」には、沈の始祖は周の文王の子の冉季載としているが、この説は確かではない。
「殷周金文集成」に収録されている、西周初期の青銅器「沈子它簋」があり、その銘文の釈読は比較的難しいが、銘文中に「周公」の2字があることが確認されている。許倬雲及び温廷敬らの学者はこの銘文によって、沈は西周初期の周公旦の後裔であって、冉季載ではないことを指摘している。
参考
編集- 楊伯峻「春秋左伝注」ISBN 7101002625
- 許倬雲「西周史」ISBN 7108015218