水晶玉(すいしょうだま)とは、水晶状に加工した物のこと。一般的に色の付いた水晶ではなく、無色透明な水晶が材料として選ばれる。定義の上では球状に加工した水晶であれば水晶玉と言えるのでその大きさは問われないが、一般的に人間にとって扱いやすい大きさであることが求められる。水晶球(すいしょうきゅう)ともいう。

世界最大とされる無色透明な水晶球。直径32.7cm、重量48.5kg。アメリカ国立自然史博物館所蔵。

以上のような特徴を持った水晶玉は古くから作られてきたと言われているものの、いつ頃から作られだしたのかは定かではない。ただし、2000年前の奈具岡遺跡京都府京丹後市)が水晶をはじめとする貴石を数珠状にする細工工房であった[1]ことから、水晶を球形に加工する技術は、少なくとも弥生時代中期にさかのぼるものと考えられる[独自研究?]。なお、ガラスなどを材料に作った模造品も存在する。

用途

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ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「水晶球」(1902年、油彩)

水晶は宝石の一種として扱われることもあることから、水晶玉は宝石の加工品として装飾品などとして用いられる。他に水晶玉の呪術的な力については証明されていないものの、一部の人々は[誰?]水晶玉に呪術的な力があるとしてパワーストーンとして扱ったり、スクライング(scrying, 幻視を得る占い)に用いる。手品など、不思議な雰囲気を醸し出したい場面での小道具として用いられることもある。さらに絵画などに何らかの意図を持って水晶玉が描かれることもある。また架空世界では実際に何らかの力を持った水晶玉が登場することすらある。

価値

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水晶は宝石の一種として扱われることもあるが、無色透明な水晶は地球大陸地殻ではそれほど珍しい鉱物ではない。しかも水晶はクォーツ時計など工業用途にも利用されるため、人工的に生産されることすらあり(人工水晶)、大きくて無色透明な水晶を入手することも比較的容易である。しかし水晶は二酸化ケイ素結晶であるため、天然の水晶は主に六角柱状の結晶として産出するので加工が必要であること。さらに天然であっても人工であっても、水晶は比較的硬い鉱物であるなどの理由で曲面に加工するのが難しいこと。この2つの特徴を水晶が持っているため、それを球状に加工したことによって希少価値が発生する。

取り扱い上の注意点

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  • 水晶玉を高所から落下させたり、何かを衝突させるなどして衝撃を与えると破損する場合があるので、慎重な取り扱いが必要となる。
  • 水晶玉は球状で転がりやすいため、転がるのを防止する措置が必要となる。
  • 球状で無色透明な水晶玉は凸レンズの一種ともなり得るため、日光などを集めて火災が起こらないように保管場所を選ぶことが必要となる。

脚注

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出典

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  1. ^ 井上筑前 (2005年11月27日). “京都府立山城郷土資料館 2005.11.27(日)”. 邪馬台国大研究. 2010年11月5日閲覧。

関連項目

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