気候因子

気候に影響を与える因子

気候因子(きこういんし)とは、1つの気候に作用する因子であり、各地の気候の特徴(地域差)を決める要因[1][2][3][4]。主に緯度標高地形などだが、扱う気候の規模によって異なる[1][2][5]

緯度による日照の差、地形の差、地表面の被覆(写真では積雪)の差などが気候の特徴を決める

各地における、気温降水量などの気候要素数値に影響を与えるのが気候因子である[1]。この中でも緯度は最も重要な因子といえる[6]

気候の3要素の因子

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気温、風、降水量の3要素の気候因子について述べる。

気温は主に緯度や標高の影響を受ける。ただしこれは平均気温についてであり、気温の変動幅(年較差など)については主に緯度のほか地形や隔海度[注 1]などの影響を受ける。緯度が低いほど、また標高が低いほど平均気温は高い。

フォーブスは北半球の、ハンは南半球の気温 を緯度 の関数として表現する方程式を提示した。北半球の場合は式(1)、南半球の場合は式(2)で表される。

 
(1)
 
(2)

また標高が100m高くなるほど気温が0.4 - 0.7 ℃ 低くなる[7]

緯度が高いほど、また隔海度が大きい(より内陸にある)ほど年較差は大きく、逆に隔海度が小さい(よりに近い)ほど年較差は小さい[8]

風は主に地球の大気循環貿易風偏西風)、季節風などの影響を受ける[8]

降水量は主に緯度や隔海度、地形、海流などの影響を受ける。緯度が低いほど、隔海度が小さい(より海に近い)ほど降水量は多い。また寒流のそばよりも暖流のそば、山地の風下側よりも風上側のほうが降水量は多い[8](cf.海岸砂漠:砂漠#成因による分類, 雨蔭)。

気候のスケールと因子

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地球規模、大陸規模、また国や地方のように大きな規模では、緯度、海陸分布大地形海流などが主要因子となる[3]。一方、中気候[注 2]やそれより小さな規模(小気候、微気候)では、標高、小地形、植生、地表面の被覆や土地利用などが主要因子となり、緯度はあまり問題とならない[3][10]

気候変動・気候変化の因子

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脚注

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注釈

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  1. ^ 隔海度 : 海からどれだけ離れているかの度合い。
  2. ^ 中気候 : 水平規模が200km - 10kmの広がりを持つ気候をいう[9]

出典

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  1. ^ a b c 岩槻秀明 2012, p. 387
  2. ^ a b 大辞林 第二版(コトバンク収録), 「気候要素」
  3. ^ a b c 世界大百科事典 第2版(コトバンク収録), 「気候要素」
  4. ^ 福井英一郎 1961, p. 2
  5. ^ マイペディア(コトバンク収録), 「気候要素」
  6. ^ 福井英一郎 1961, p. 81
  7. ^ 福井英一郎 1961, p. 82
  8. ^ a b c 岩槻秀明 2012, pp. 387–390
  9. ^ 中気候」、『百科事典マイペディア』(コトバンク収録)、平凡社。
  10. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)(コトバンク収録), 吉野正敏「気候要素と気候因子」

参考文献

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  • 岩槻秀明『図解入門 最新 気象学のキホンがよ~くわかる本』秀和システム、2012年。ISBN 978-4-7980-3511-6 
  • 気候因子」、加藤周一編『世界大百科事典』第二版(コトバンク収録)、平凡社。
  • 吉野正敏「気候要素と気候因子」、『日本大百科全書(ニッポニカ)』(コトバンク収録)、小学館。
  • 気候因子」、松村明編『大辞林』第三版(コトバンク収録)、三省堂。
  • 気候因子」、『百科事典マイペディア』(コトバンク収録)、平凡社。

関連項目

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