民話社
民話社(みんわしゃ)は、かつて東京都港区南青山に存在した日本のアニメ制作会社。1968年までの旧社名は「教育漫画社」であった。
本社所在地 |
日本 〒107-0062 東京都港区南青山2-4-15 協立第2ビル |
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設立 | 1961年 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | アニメーションの企画・制作 |
代表者 | 大矢敏行 |
資本金 | 800万円 |
従業員数 | 30名 |
概要
編集1961年、東映出身[1]の大矢敏行によって、児童教育漫画を製作する「教育漫画社」として発足した[2]。
1968年10月[注釈 1]に「民話社」と社名変更し、1969年から「子供のための新しい動画作り」を目標に自主作品やTVアニメの下請けなどを手がけていた[2]。東映動画の出身者が集まって設立したプロダクションで[3]、東映動画のロックアウトのために『デビルマン』の制作当初にスタッフルームとして使われていたこともある[4]。
同社はアニメ制作のほか、家庭の主婦を対象としたアニメ技術者の指導訓練の通信教育業務も行っていた[2]。3か月間の教育で優秀と認められた人は民話社のスタッフとして家庭で仕事ができる仕組みとされていたが、実際に採用された人は100人前後にすぎなかったという[5]。また、通信教育では演出やアニメーターの養成コースも存在したが、トレスやペイントの仕上げコースに最も力を入れていたとされる[6]。
相次いで不渡りを出したため、1974年1月11日に倒産した。負債総額は約1億5000万円、全国の被害者の数は1万人近くにのぼるとみられていた。また、当時の読売新聞では計画倒産の疑惑が報じられていた[5]。倒産後、元従業員らは民話社の「にわか労組」を結成したという[7]。
倒産に伴い夜逃げした[5]大矢敏行社長は、その後、1978年に「代々木アニメーション学院」を設立し、再びアニメーション教育に携わることとなった。
作品リスト
編集元請け
編集テレビ作品
編集16ミリフィルム作品
編集- しあわせの王子(1970年)[2]
- かぐや姫(1970年)[2]
- あかちゃんはどうしてうまれるの(1970年)[2]
- 金焼き地蔵さま(1970年)[2]
- マンガ映画をつくるお母さん(1970年)[2] ※実写
- 青い鳥ーチルチルとミチルー(1971年)[2]
- 少年王者(1971年)[2]
- アニメーション技術講座(1971年)[2] ※実写
- 日本の民話シリーズ(1970 - 1971年、全52話)[2]
- 日本の童謡集 1・すなやま(1971年)[9]
- 日本の童謡集 2・さとのあき(1971年)[9]
- セールスマン基本講座(1971年)[9]
- マンガ映画トレス、ペイントの完成(1972年)[2]
- ゆかいなどうぶつ村(1972年)[2] ※フジテレビ・エンタプライズとの共同製作
- やさしい英会話ABC・第一部(1972年)[2]
- やさしい英会話ABC・第二部(1972年)[2]
- お母さんの童話シリーズ(1973年、全13話)[2]
下請け
編集テレビ作品
編集- あしたのジョー(1970年、仕上げ、元請け:虫プロダクション)
- サザエさん(1971年、制作協力・仕上げ、元請け:TCJ動画センター)
- 国松さまのお通りだい(1971 - 1972年、仕上げ、元請け:虫プロダクション)
- ふしぎなメルモ(1972年、仕上げ、元請け:手塚プロダクション)
- ハゼドン(1972 - 1973年、仕上げ、元請け:創映社)
- みんなよっといで(1971年 - 1973年)
16ミリフィルム作品
編集著名な出身者
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 大矢行『アニメ&コミックのための絵コンテ作法』代々木アニメーション学院・出版局、1995年。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 渡辺泰、山口且訓『日本アニメーション映画史』有文社、1978年。
- ^ 『毎日新聞』1972年04月17日夕刊。
- ^ 永井豪、ダイナミックプロ、赤星政尚『デビルマン解体新書』有文社、1999年、114頁。
- ^ a b c 『読売新聞』1974年01月12日。
- ^ “アニメ制作体制の変遷 その10 : ネット版 アニメレポート -Anime Report-”. 映像文化関連産業労働組合. 2019年5月13日閲覧。
- ^ “動画業界にも不況風 (コード 2005041400025) の写真・画像:報道写真の共同通信イメージリンク”. 共同通信. 2019年5月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g 『ユニ通信 1973年版』ユニ通信社、1973年、197頁。
- ^ a b c d e 『ユニ通信 1971年版』ユニ通信社、1971年、114頁。
- ^ テレビマンガ「伊賀の影丸」主題歌『伊賀の影丸』テイチクレコード
- ^ “アニメーション思い出がたり[五味洋子] その13 通信教育”. WEBアニメスタイル. 2019年5月13日閲覧。