母子援助活動

1934年から1945年まで存在したナチス・ドイツ時代の社会福祉活動

母子援助活動ドイツ語: Hilfswerk Mutter und Kind、略称:Hilfswerk MuK)は、1934年から1945年まで存在した、ナチス・ドイツ時代のドイツ社会福祉活動。

「母と子」のホーム(1944年)
1944年のナチス・ドイツ時代の寄附金付切手。上部の文字は「1934-1944年 母子援助活動の10年」、下部の文字は「大ドイツ国(ライヒ)」

概要

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1933年に国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)がドイツの政権を獲得すると、国家社会主義公共福祉 (NSV) が設立された。母子援助活動はNSVの施策の一つである。3641箇所の施設が建設され、援助が必要なアーリア人の妊婦、出産適齢期の若い母親のほか、約15万3000人の子どもに対して福祉活動が展開された。

実施された活動には以下のものが含まれる。

  • 対象の家族への住宅や住宅費用への支援
  • 新しい母親への支援
  • 教育や保健活動を担う保育園幼稚園などの児童施設の運営
  • 上記の児童福祉施設における自給自足を目的とした農業経営と、利用者の栄養管理を目的とした給食の提供
  • 青少年教育の促進。ナチス青年の家の提供
  • 青年のリクリエーション、学校施設。子供を育て社会に送り出した老人への特別養護老人ホームや日々のレクリエーション。

これらの業務は主に国家社会主義女性同盟のメンバーらによるボランティア活動によって支えられていた。政府による支援も積極的に行われており、1938年時点で補助金として730万ライヒスマルクが投入されている。

出典書籍

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  • Oliver Kersten: Das Hilfswerk „Mutter und Kind“, in: Ders., Die Nationalsozialistische Volkswohlfahrt insbesondere im Zweiten Weltkrieg. Magisterarbeit am Friedrich-Meinecke-Institut der Freien Universität Berlin 1993. 160 Bl, S. 44-49. Standorte: SAPMO-Bundesarchiv Bibliothek Berlin und Friedrich-Meinecke-Institut der Freien Universität Berlin
  • Arbeitsplan für die Durchführung des Hilfswerks Mutter und Kind, 1935

関連項目

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