殿と犬
『殿と犬』(とのといぬ)は西田理英による日本の漫画作品。『COMIC ポラリス』(フレックスコミックス)にて、2021年3月19日から4月8日まで短期集中連載されたのち[1][2][3]、10月14日より正式連載中[4]。
殿と犬 | |
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ジャンル | 時代劇漫画 |
漫画 | |
作者 | 西田理英 |
出版社 | フレックスコミックス |
掲載サイト | COMIC ポラリス |
レーベル | ポラリスCOMICS |
発表期間 | 2021年3月19日 - |
巻数 | 既刊4巻(2024年10月現在) |
アニメ | |
原作 | 西田理英 |
監督 | 春日森春木 |
音楽 | 宮崎隼 |
アニメーション制作 | OLM × Live2D Creative Studio |
製作 | 「殿と犬」製作委員会 |
放送局 | TOKYO MX・MBS |
放送期間 | 2024年10月10日 - |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
本作は、没落した元大名の「殿」と、ウェルシュ・コーギーの「犬」の交流を描いた漫画である[5]。
登場人物
編集声はアニメのわんわん! / ぽてぽて! / くんくん! / もふもふ!の各バージョンのもの。
制作背景
編集本作の連載から数年前、西田は犬を主題とした読み切り漫画を依頼され、自分が飼育しているウェルシュ・コーギー・ペンブロークをモデルとしたキャラクターを考案した[5]。また、物語の短さから、自分の好きな戦国~江戸時代あたりを舞台設定にした[5]。
一方、従来は長屋の中で完結する物語が多かったため、多くの住人たちと交流する風景を描きたかったと西田は「ザ・テレビジョン」とのインタビューの中で語っており、背景にもこだわったと述べている[7]。
タイトルの通り、本作は「殿」と「犬」の日常を主題としている一方、「留守番コーギーと迷子犬」のように、他の犬が登場する話もある[8]。
書籍情報
編集- 西田理英 『殿と犬』 フレックスコミックス〈ポラリスCOMICS〉、既刊4巻(2024年10月15日現在)
- 2022年9月15日発売[9]、ISBN 978-4-86675-240-2
- 2023年5月15日発売[10]、ISBN 978-4-86675-288-4
- 2024年2月15日発売[11]、ISBN 978-4-86675-341-6
- 2024年10月15日発売[12]、ISBN 978-4-86675-384-3
反響
編集また、Twitterに公開された「留守番コーギーと迷子犬」は、10.6万件のいいねがつけられた[8]。
テレビアニメ
編集2024年10月よりTOKYO MXほかにて放送中[13]。それぞれ殿役の声優が異なる「〜わんわん!〜」「〜ぽてぽて!〜」「〜くんくん!〜」「〜もふもふ!〜」の4つのバージョンが放送される[13]。
制作(テレビアニメ)
編集経緯
編集本作はオー・エル・エムとLive2D Creative Studioの共同制作であり、商業作品としては初めてとなる「全編Live2D制作」のアニメーションである[14]。
元々Live2Dはアニメーション制作ツールとしてスタートしたものの、実際はゲーム開発で使われることが多かった[14]。会社の規模が大きくなり、技術の進歩も見られたことから、Live2D社は新しいこととして、アニメーション市場への挑戦に踏み切った[14]。ただし、この時点におけるLive2Dはゲーム向けの技術が進んでいたため、まずは映像作品としての研究から始まり、それに合わせた機能強化が図られた[14]。ある程度研究が済んだところで、『殿と犬』のテレビアニメ化に踏み切った[14]。
映像
編集本作の制作フローは、Live2D特有の工程こそあれど、おおまかな流れは通常のアニメーション制作と同様である[14]。一方、Live2Dはイラストに動きをつける仕組みを取っている以上、3Dモデルのような使いまわしができない[14]。このため、本作に登場する犬については、特定の部位をパーツ分けすることで可動域を保つなど、様々な工夫が施されている[14]。また、本作ではLive2Dの持ち味を生かした細部の調整が行われた[14][注釈 1]。
一方、Live2Dはキャラクターが大きく変化する動き(例:でんぐり返し)を苦手としており、このような場合はモデルの可動域を増やすための素材をより多く用意する必要があり、個別の対応が求められた[14]。コストとのバランスを見極めつつも、スタッフたちは実制作を通じてノウハウを蓄積せざるを得なかった[14]。
スタッフ
編集- 原作 - 西田理英[13]
- 監督 - 春日森春木[13]
- 作画監督・シリーズ演出 - 國定みゆき
- 美術監督 - 黒澤成江
- 撮影監督 - 宮下卓也
- 編集 - 安達貴大
- 音響監督 - 小沼則義[13]
- 音楽 - 宮崎隼[13]
- プロデューサー - 山本京佳、照井健、大久保圭、伊藤裕史
- アニメーションプロデューサー - 石川源次郎
- アニメーション制作 - OLM × Live2D Creative Studio[13]
- 製作 - 「殿と犬」製作委員会[13]
主題歌
編集- 「リトル・ラヴァーズ」[15]
- SUPER★DRAGONによる主題歌。作詞・作曲・編曲はcinema staffの三島想平。
各話リスト
編集話数 | サブタイトル | エピソード演出 | 初放送日 |
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その一 | 殿と犬 | 石濵那美 | 2024年 10月10日 |
その二 | 殿と領地 | 中山成美 | 10月17日 |
その三 | 殿と挨拶 | 雲井聖司 | 10月24日 |
その四 | 殿と朝 犬と夜 | 石濱那美 | 10月31日 |
その五 | 殿と童 | 仲間晶子 | 11月7日 |
その六 | 殿と落とし物 | 雲井聖司 | 11月14日 |
その七 | 犬と留守番 | 石濱那美 | 11月21日 |
その八 | 殿と洗濯 | 中山成美 | 11月28日 |
その九 | 殿と市 | ??? | 12月5日 |
その十 | 殿と柄杓 | ??? | 12月12日 |
その十一 | 殿と川涼み | ??? | 12月19日 |
その十二 | 殿と地蔵 | ??? | 12月26日 |
放送局
編集放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [16] | 備考 |
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2024年10月10日 - | 木曜 21:54 - 22:00 | TOKYO MX | 東京都 | 製作参加 |
2024年10月11日 - | 金曜 2:30 - 2:35(木曜深夜) | 毎日放送 | 近畿広域圏 |
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [16] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2024年10月11日 - | 金曜 19:26 - 19:30 | TOKYO MX | 東京都 | 製作参加 |
2024年10月12日 - | 土曜 3:23 - 3:28(金曜深夜) | 毎日放送 | 近畿広域圏 |
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [16] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2024年10月13日 - | 日曜 18:55 - 19:00 | TOKYO MX | 東京都 | 製作参加 |
2024年10月15日 - | 火曜 3:15 - 3:20(月曜深夜) | 毎日放送 | 近畿広域圏 |
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [16] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2024年10月15日 - | 火曜 1:00 - 1:05(月曜深夜) | TOKYO MX | 東京都 | 製作参加 |
2024年10月16日 - | 水曜 4:00 - 4:05(火曜深夜) | 毎日放送 | 近畿広域圏 |
配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト | 備考 |
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2024年10月10日 2024年10月11日 2024年10月13日 2024年10月15日 |
木曜 22:00 金曜 20:00 日曜 19:30 火曜 1:30(月曜深夜) |
「わんわん!」 「ぽてぽて!」 「くんくん!」 「もふもふ!」 |
|
2024年10月21日 | 月曜 1:30(日曜深夜) | 4バージョン 同時配信 |
BD
編集巻 | 発売日[17] | 収録話 | 規格品番 |
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BOX | 2025年4月2日予定 | 全24話×4殿 | PCXP-51110 SCXP-00189(きゃにめ限定版) |
評価(テレビアニメ)
編集バーチャルYoutberの蒼唯レンは、自分の経験からテレビアニメとLive2Dの相性は悪いと考えていたが、Live2Dによる「alive 2024」での講演や、Live2D企画制作事業部に所属する石川源次郎へのインタビューを経て考えを改めたと、ニュースサイト「AUTOMATON」に寄せた記事の中で明かしている[14]。蒼唯は、講演で公開されたでんぐり返しのスライドは言われなければ気づかないほど自然な動きだったっと述べており、「こうした難しい動きも、制作工程がより洗練されていけば、ある程度のマニュアルに則って制作することができるようになるということなのだろう。」と分析している[14]。
脚注
編集註釈
編集出典
編集- ^ “没落したコワモテな殿と自由奔放な犬の暮らし描く、西田理英の短期集中連載”. コミックナタリー. ナターシャ (2021年3月19日). 2024年9月28日閲覧。
- ^ COMICポラリス [@comicpolaris] (2021年3月18日). "【3/18更新】 コワモテな殿とごきげんな犬の天下泰平主従暮らし!". X(旧Twitter)より2024年9月28日閲覧。
- ^ COMICポラリス [@comicpolaris] (2021年4月8日). "【4/8更新】 短期集中連載、ラスト回❗️". X(旧Twitter)より2024年9月28日閲覧。
- ^ “没落した貧乏大名の殿がやんちゃな犬を臣下に?“主従暮らし”描く新連載”. コミックナタリー. ナターシャ (2021年10月14日). 2024年9月28日閲覧。
- ^ a b c “江戸時代、かわいいコーギーを拾った没落殿様が「モフモフ」に魅了されて「メロメロ」になる漫画の作者を直撃!”. Fandomplus (2024年5月16日). 2025年1月15日閲覧。
- ^ “『殿と犬』PV公開! 大塚明夫さん、杉田智和さん、武内駿輔さん、相葉雅紀さんらキャスト各Ver.の放送情報が解禁”. アニメイトタイムズ. アニメイト (2024年9月4日). 2024年9月28日閲覧。
- ^ “【漫画】武士の優しさと犬の表情に思わずほっこり…凸凹コンビで買い物をする話に「癒された」の声”. WEBザテレビジョン (2023年6月13日). 2025年1月15日閲覧。
- ^ a b “【漫画】留守番中に迷子犬と遭遇 無事、親は見つかるのか? 無邪気すぎる子犬に「ニヤニヤしちゃう」”. マグミクス (2023年10月15日). 2025年1月15日閲覧。
- ^ “【9月15日付】本日発売の単行本リスト”. コミックナタリー. ナターシャ (2022年9月15日). 2024年9月28日閲覧。
- ^ “【5月15日付】本日発売の単行本リスト”. コミックナタリー. ナターシャ (2023年5月15日). 2024年9月28日閲覧。
- ^ “【9月15日付】本日発売の単行本リスト”. コミックナタリー. ナターシャ (2022年9月15日). 2024年9月28日閲覧。
- ^ “【10月15日付】本日発売の単行本リスト”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年10月15日). 2024年12月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “「殿と犬」犬がかわいいPV公開、1話ごとにそれぞれ“殿替わり”の4バージョンを放送”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年9月4日). 2024年9月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 蒼唯レン(VTuber) (2025年1月14日). “全編Live2Dアニメを制作した理由は「新しいことをやりたい」だけでなく「業界の発展」も狙えるから。「殿と犬」制作チームの講演から見る、Live2Dの可能性”. AUTOMATON. 2025年1月15日閲覧。
- ^ “テーマソング担当歌手が決定!”. TVアニメ「殿と犬」公式サイト. 2024年9月27日閲覧。
- ^ a b c d テレビ放送対象地域の出典:
- 政府規制等と競争政策に関する研究会 (2009年10月9日). “放送分野の動向及び規制・制度(資料2)” (PDF). 通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2. 2018年10月24日閲覧。
- “基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号. 総務省 (1988年10月1日). 2022年5月11日閲覧。
- “地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2022年8月5日閲覧。
- ^ “ブルーレイ”. TVアニメ「殿と犬」公式サイト. 2024年10月12日閲覧。
外部リンク
編集- 殿と犬 | COMICポラリス
- TVアニメ「殿と犬」公式サイト
- 『殿と犬(とのといぬ)』公式 (@tono_to_inu) - X(旧Twitter)