歯科外科医、もしくは歯の概論
歯科外科医、もしくは歯の概論(しかげかい、もしくははのがいろん 、Le Chirurgien Dentiste, ou Traité des dents)はフランスの歯科医師ピエール・フォシャールが執筆した歯学書。単に『歯科外科医』(もしくは『外科歯科医』)とも訳される。1728年に出版されたこの書籍は、歯学の分野における最初の包括的な医書であり[1]、1世紀以上にわたり権威ある著書であり続けた[2]。
歯科外科医、もしくは歯の概論 Le Chirurgien Dentiste, ou Traité des dents | ||
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著者 | ピエール・フォシャール | |
訳者 | 高山直秀 | |
発行日 | 1728年 | |
発行元 | ピエール・ジャン・マリアット社 | |
ジャンル | 歯学 | |
国 | フランス王国 | |
言語 | フランス語 | |
ページ数 | 1巻本文456頁 2巻本文346頁 (初版) | |
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1728年の初版出版後、著書全体を見直し、1746年には第2版が、1786年(死後)には第3版が出版されている[3]。
第2版には歯槽膿漏症が取り上げられたが、これが歯槽膿漏症が世界で初めて歯科医学書に記載された瞬間であり、このために歯槽膿漏症がフォシャール病とも呼ばれるようになった[4]。
翻訳
編集初版本のドイツ語版が1733年に出版された[5]。原著出版のわずか5年後にドイツ語に翻訳・出版されたことは、この書籍が歯科分野の専門家に大きな影響を与えたことを示している[6]。他、彼の死後に第2版が英語版(1946年)、日本語版(1986年)[7]、韓国語版(2013年)として翻訳・出版されている[5]。日本語版については限定版であるため入手は困難である[8]が、日本歯科医史学会会誌9巻から10巻にかけて一部日本語訳が掲載されており、これについては電子ジャーナルとして容易に確認することが可能である。
脚注
編集参考文献
編集- 中原泉「近代歯科医学の祖 フォシャール」『歯科医学史の顔』学建書院、東京都文京区、2015年11月15日、27-36頁。ISBN 9784762405655。 NCID BA33705592。
- ベルンワード・W・ワインバーガー『概説 ピエール・フォシャール 歯科外科医 近代歯科医学の端緒、最初の歯科医学書および200年前の歯科医に関する論述』訳 高山直秀、時空出版、東京都文京区、2015年11月15日(原著1941年)。ISBN 978-4-88267-062-9。 NCID BB20208297。
関連項目
編集- フィリップ・エッケ(フランス語: Philippe Hecquet) 元パリ大学医学部長 初版、第二版に賛辞を執筆
- ジャン=バティスト・シルヴァ(フランス語: Jean-Baptiste Silva) 元パリ大学医学部教授 初版、第二版に賛辞を執筆