武士道ジェネレーション

武士道ジェネレーション』(ぶしどうジェネレーション)は、誉田哲也による日本の小説作品。

武士道ジェネレーション
著者 誉田哲也
イラスト 長崎訓子
装幀 next door design
発行日 2015年7月30日
発行元 文藝春秋
ジャンル 青春小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製カバー装
ページ数 347
前作 武士道エイティーン
公式サイト books.bunshun.jp
コード ISBN 978-4-16-390300-2
ウィキポータル 文学
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剣道青春をかける二人の少女の成長描いた作品”武士道シリーズ”の完結編。前編に『武士道シックスティーン』及び『武士道セブンティーン』、『武士道エイティーン』がある。

今まで二人が友情を確かめ合ってきた、”横浜市市民秋季剣道大会”は、本作では教え子らが活躍する舞台へと移り変わっている。

文庫版には、アサヒビールの「SUPER DRY SUPER NOVEL」キャンペーンで配信された、武士道ジェネレーションの後日談「美酒道コンペティション」[1]がボーナストラックとして収録されている[2]。またあとがきは一連の「武士道シリーズ」の販売に携わった書店員座談会である。

あらすじ

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大学を卒業後、桐谷道場に籍を置き、剣道家の道を進む磯山香織。そして靭帯の故障から、竹刀を置いた甲本早苗。大学を経て社会人となり、別々の道を歩むように思われた二人だが、早苗が桐谷道場の元・内弟子・充也と結婚したことから、二人は以前にもまして桐谷道場に深く関わってゆくこととなる。

桐谷道場の道場主 玄明が体を壊し稽古を休むようになった。就職先もない香織は師が不在の隙に、道場に深く根差して、なし崩し的に道場を実効支配し、道場の後継者を狙っていたが、玄明は「桐谷道場は私の代で終わり」と決して首を縦に振らない……

実は代々剣術家の家系である桐谷道場には、剣道とは別に”シカケとオサメ”という、併せて100種類の秘伝とも言うべき、格闘術が伝えられていた。それを会得した者でないと、道場を継ぐ資格が無いとされていたのだ……

香織は”シカケとオサメ”の存在を知って以降、既にその技を体得している兄弟子の充也に特訓を願うが、夜な夜な行われる二人の稽古を、それとは知らない早苗が訝しむ……

登場人物

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磯山 香織(いそやま かおり)
大学時代は剣道に没頭しすぎたため、教職課程に進んだにもかかわらず、教員免許取得は早々と諦める。単位ギリギリで卒業。
沢谷 早苗(さわたに さなえ)
旧姓は甲本(こうもと)。進んだ大学では思うような学びを得られず大きな挫折感を味わう。しかし卒業後は母校の東松学園の職員として就職し、充也という最愛の人とも結ばれる。
田原 美緒(たはら みお)
高校時代は香織の後輩、大学時代はレナの後輩という、濃い剣道生活を送る。
黒岩 伶那(くろいわ れな)
親しい早苗からは”レナ”と呼ばれる。大学時代に全日本女子剣道選手権大会で優勝。その後は自動車会社に勤務し、剣道と仕事の両立を目指す。
沢谷 充也(さわたに みつや)
早苗の夫。桐谷家の遠戚。警視庁に勤務。元住み込みの内弟子。全日本剣道選手権大会3位の実力者。早苗との出会いは『武士道セブンティーン』の時、その時の印象は「原田悟似のイケメン」である。
ジェフ・スティーヴンス
財団系のシンクタンクで働くアメリカ人。充也の紹介で桐谷道場剣道を学んでいる。元・海兵隊員の猛者で異名は「悪魔の犬」。
桜井 朋美(さくらい ともみ)
警視庁に勤務する実力者。国体での優勝は3回を数える。香織やレナが大学に進学して以降は、若手の前に立ちはだかる壁となる。
桐谷 玄明(きりたに よしあき)
桐谷道場・道場主。剣道の達人。体を壊し、稽古を休みがちになる。
西荻 緑子(にしおぎ みどりこ)
早苗の姉。高校卒業後は大学に進学せずモデルの仕事に専念する。元恋人の岡とは復縁した。
蒲生 辰二郎(がもう たつじろう)
蒲生武具店・店主。通称”たつじい”。若い人が集まる桐谷道場に嫉妬している。
吉野 正治(よしの まさはる)
福岡南高校・剣道部三班の顧問。無精ひげをだらしなく生やしたり、酒臭かったり、問題のある人物。ただし指導力は確かで、剣の達人。玄明とは因縁がある。
小柴(こしば)
東松学園高等部・教員。女子剣道部の顧問。教え子の早苗、香織を常に気にかけている。
飯田 仁志(いいだ ひとし)
桐谷道場門下生。東松学園中等部に通う。
大野 悠太(おおの ゆうた)
桐谷道場門下生。早苗に懐いている。香織の卒業した中学校の後輩にあたる。
北野 彩芽(きたの あやめ)
桐谷道場門下生。

書籍情報

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脚注

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  1. ^ 「武士道」シリーズ 誉田哲也・著『武士道ジェネレーション』|特設サイト”. 文藝春秋BOOKS. 文藝春秋. 2025年1月17日閲覧。
  2. ^ a b 『武士道ジェネレーション』誉田哲也|文春文庫”. 文藝春秋BOOKS. 文藝春秋. 2025年1月6日閲覧。
  3. ^ 『武士道ジェネレーション』誉田哲也|単行本”. 文藝春秋BOOKS. 文藝春秋. 2025年1月6日閲覧。

外部リンク

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