武士道はつらい』(Touché,Pussy Cat!1954年12月18日、劇場公開時『剣豪ジェリー』)は「トムとジェリー」の作品のひとつ。1954年アカデミー賞ノミネート作品。 

スタッフ

編集

作品内容

編集

ニブルスは、父のフランソワの友人であり、パリの国王警備隊・Mouseketeer[注 1]の隊長であるジェリーの元を訪ねる。目的はニブルスの騎士修行であった。

早速、ニブルスの剣の腕を試すことにしたジェリー。だが、ニブルスはまったく剣の腕がなっていなく、おまけに家の中をめちゃくちゃにしたり誤ってジェリーの尻に剣を刺したりしてしまう始末。

闇雲に剣を振るうだけでは強い騎士とは呼べない。騎士道精神から叩き込もうとジェリーはニブルスを率いて外へ繰り出すが、そこへ運悪くトムに出会ってしまう。ジェリーはニブルスと共にトムをやり過ごそうとするが、ニブルスは無謀にもトムへ勝負を挑んだ上、あっさり返り討ちにされてしまった。

軽はずみな行動を繰り返すニブルスには騎士の素質なしと見限り、田舎に帰すことにしたジェリー。フランソワ宛の手紙を持たされ寂しげに田舎へ踵を返すニブルスだったが、振り返るとトムとジェリーが決闘していた。圧倒的な体格差によりジェリーは苦戦している様子。すぐさまニブルスはジェリーを助けようとトムに一矢を報いる。トムvsジェリー・ニブルスによる決闘がしばし続いた後、ニブルスはワインの樽を叩き割り「洪水」を起こし、トムをドブに流し込んでしまう。

強敵を見事退けるという大活躍を果たしたニブルスをジェリーは警備隊の仲間に迎え入れる。しかし、自身の銃士姿に見惚れるがあまり調子づいたニブルスは、またしてもジェリーの尻に剣を刺してしまい、ジェリーにお仕置きされてしまう。尻を打たれながら呆れ顔で「C'est la guerre.(これも戦争だね)」[注 2]とぼやくニブルスだった。

登場キャラクター

編集
トム
ジェリーとの剣対決で当初は優位に立つも、ニブルスに二度も尻尾を切られるという不意打ちを喰らってしまう。最後はニブルスが樽のワインを大量にこぼしたためその洪水に巻き込まれ、ワインもろともドブへと流された。
ジェリー
パリ国王警備隊の隊長として登場。ニブルスを警備隊の訓練生として受け入れるが、剣術も騎士道精神も未熟であったため「騎士不適格」の烙印を押し故郷へ帰らせようとした。その後トムとの対決で劣勢に立たされていたところをニブルスに救われる。この手柄を評価して再度ニブルスを警備隊の一員として雇うが、そのニブルスに剣で自身の尻を突かれたためお仕置きをした。
ニブルス
ジェリーの下へ弟子入りし騎士修行に挑むが、ジェリーから騎士の素質がないと見なされる。入隊を諦め田舎へ帰ろうとするが、トムとの決闘で苦戦していたジェリーへ加勢しジェリーを救い、トムを退けた。この手柄が評価されてジェリーに再度雇われるが、調子に乗るがあまりジェリーを怒らせてしまいお仕置きを受ける羽目になった。
ネズミの貴婦人たち
外出中のジェリー、ニブルスとすれ違った高貴な雌ネズミ。ジェリーは1人目の貴婦人へ紳士的に道を譲るが、これを真似たニブルスは2人目の貴婦人へ水たまりの上を渡らせる際にジェリーを踏み台にさせた。

備考

編集

原題にもなっているニブルスの言い回し「Touché,Pussy Cat」の直訳は「一本あり、猫ちゃん」。日本語では「どうだ、参ったか!」と吹き替えられている。

ジェリー率いる「Mouseketeer」という組織は後に『武士道修行も楽じゃない』や『パーティ荒し』といった作品でも登場する。ただし、邦題で「武士道」が題名に付く2作には原題に対応する西洋の「騎士道(Chivalry)」にまつわる単語が一つもない共通点がある。

脚注

編集
  1. ^ 「Mouse」(ネズミ)と引っかけた銃士隊(Musketeer)のパロディ。
  2. ^ TBS版では「早く大人になりたいなぁ」、ソフト版では「おしまい」と吹き替えられている。

関連項目

編集