極地砂漠 とは、地球上の氷雪気候ケッペンの分類では「EF」)に当たる地球上の地域のことである。 極地砂漠は、通常砂漠に分類されるほど降水量が少ないにもかかわらず、年間気温が低く蒸発散が少ないことから真の砂漠ケッペンの気候区分ではBWhBWk)と区別される。極地砂漠の多くは氷床氷原氷帽に覆われており、白い砂漠とも呼ばれる[1]

[凝固ー融解]を繰り返したことにより特徴的な模様ができた極地砂漠[要出典]

極地砂漠は、北極のツンドラと並び二つの極地バイオームに数えられる。南半球では南極の大部分、北半球では北極から北米ヨーロッパアジアにかけて広がっており、地球の両極に位置するバイオームである。 極地の砂漠は、夏に動植物が生息するツンドラとは異なり、極地砂漠は永久に平らな氷の層からなる不毛の環境である [2]。 液体の水が少ないため、数少ない氷のない地域も同様である。 しかし、厚い氷の中にある有機物や無機物の堆積物の中には、溶けた水から二酸化炭素を固定することができるシアノバクテリアに近い微生物が生息しており、一見すると生物にとって適した環境でないこの気候に、生命が存在していることを示している[3]

極地砂漠では、気温が水の凝固点を超えることがよくある。これにより水は「凝固ー融解」を繰り返し、地表には直径5メートルほどの模様が形成される。

南極大陸の内陸部は、厚い氷に覆われているにもかかわらず、そのほとんどが極地砂漠である。逆に、南極大陸のマクマードドライバレーは、滑降風のため何千年も氷が存在しなかったが、非極地砂漠の極地に特有の一時的な小川や超塩湖があり、必ずしも極地砂漠とは言えない[要出典]

氷河期は乾燥しやすい傾向があるため、極地砂漠は氷河期に比較的多く見られる[要出典]

気候学者からは、このような極地バイオームの氷に対する地球温暖化の影響を懸念されている。[要出典]

気候に及ぼす影響と蒸散量

参照

編集

出典

編集
  1. ^ Polar Deserts”. Sand-boarding.com. 11 August 2022閲覧。
  2. ^ Woodford, Chris (2011). Arctic Tundra and Polar Deserts. Chicago, Illinois: Heinemann-Raintree Books. pp. 6–7. ISBN 978-1-432-94172-7. https://archive.org/details/arctictundrapola0000wood_h0p6/page/6 
  3. ^ Priscu, John C. (1998). “Perennial Antarctic lake ice: an oasis for life in a polar desert”. Science 280 (5372): 2095–2098. Bibcode1998Sci...280.2095P. doi:10.1126/science.280.5372.2095. JSTOR 2896532. PMID 9641910.