住吉神社 (広島市中区)
住吉神社(すみよしじんじゃ)は、広島県広島市中区住吉町[補足 1]にある神社。
住吉神社 | |
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所在地 | 広島県広島市中区住吉町5-10 |
位置 | 北緯34度23分5秒 東経132度26分50.6秒 / 北緯34.38472度 東経132.447389度座標: 北緯34度23分5秒 東経132度26分50.6秒 / 北緯34.38472度 東経132.447389度 |
主祭神 | 表筒男命、中筒男命、底筒男命、大国主神、事代主神[1] |
創建 | 1733年(享保18年)[1] |
例祭 | (旧暦)6月14日・15日[1] |
地図 |
概要
編集1732年(享保17年)に真言宗の僧侶、木食快円が船奉行に申し出[2]。翌1733年(享保18年)に、住吉三神と相殿二神を勧請したのが始まり[1]。1738年(元文3年)に船府一統の守護神になった[1]。宝暦年間(1751年から1764年)頃に、空鞘稲生神社[補足 2]の摂社になった[1]。
1798年(寛政10年)に発生した水主町の大火で、火は神社内で鎮火。社殿が煙で汚れたことで、1799年(寛政11年)に現在地に遷座した[1]。
第二次世界大戦後に神社制度の改革で空鞘稲荷神社から独立[2]。1946年(昭和21年)に加古町と吉島町の氏神社になった[1]。1952年(昭和27年)に旧・本殿を再建[1]。旧・本殿は1991年(平成3年)の台風19号で被災[3]。1996年(平成8年)に現在の社殿が完成した[3]。
三が日には、約5万人の初詣客が訪れる[4]。
その他、2010年(平成22年)の2010 FIFAワールドカップ・2014年(平成26年)の2014 FIFAワールドカップの際にサッカー協会公認のお守りや応援巫女といった企画や[5][6][7][8][9]、巫女によるミュージカル[10]、巫女による雅楽隊[11]など行っている。
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対岸より
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正面より
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川沿いより
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本殿
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本殿を別の角度より
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社務所
原爆
編集1945年(昭和20年)の広島市への原子爆弾投下時には爆心地から約1.3kmの位置で被爆。社殿は焼失。老松は殆ど燃えたが一部焼け残った[補足 3]。1947年(昭和22年)に選定された原爆十景に、「住吉神社の欄干」が選ばれている[14][補足 4]。また、被爆した松も本堂横に移設されて残されている[15][補足 5]。
祭事
編集焼嗅がし神事
編集焼嗅がし神事 | |
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開催時期 | 2月3日 |
初回開催 |
1996年(平成8年) (仮装開始は2001年(平成13年)) |
開催時間 | 14:00 - |
会場 | 住吉神社内 |
公式サイト |
1996年(平成8年)から毎年2月3日に、焼嗅がし神事が行われている[16]。平安時代の節分行事で、約1000匹のイワシの頭を焼き、その臭いで厄払いを行っている[17]。2001年(平成13年)からは世相風刺を取り入れ、氏子らが1年間に話題になった人物や物事などを模した鬼や神々に扮している[16]。その時焼いたイワシの頭は、ヒイラギの枝に刺して参拝客に提供している[17]。
住吉祭
編集住吉祭 | |
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開催時期 | (旧暦)6月14日・15日[2][補足 6] |
初回開催 |
1799年(寛政11年) (漕伝馬船は1911年(明治44年)) |
開催時間 | 13:00頃 - |
会場 | 住吉神社とその周辺 |
公式サイト |
住吉祭(すみよしさい)は、旧暦の6月14日・15日[補足 6]に行われている祭事[2]。本殿に設置された茅の輪をくぐる[19][20]。
別名、「住吉さん」[2]、「すみよしさん」[21]、厳島神社の管絃祭にならって「広島管絃祭」とも呼ばれ[2]、少なくとも大正時代から昭和の初めに掛けて、胡子神社の胡子講・圓隆寺のとうかさんと並んで「広島三大祭り」と呼ばれていた[22][補足 7]。第二次世界大戦中は社殿内でのみ行われていたこともあった[22]。
1798年(寛政10年)に発生した大火後、翌1799年(寛政11年)に現在地に遷座したことから、遷座した日が夏の例祭の日になった[12]。
1980年代から1990年代頃は約20万人の人手があり[21][2][12]、神社周辺に200件の屋台が並び、花火も打ち上げられていた[2][12]。
祭りの呼び物の一つは漕伝馬船でる[23]。江戸時代から、旧暦の6月17日に行われる厳島神社の管絃祭に向かう漕伝馬船が住吉神社の周りに集まっていた[24]。その後、1911年(明治44年)に厳島神社の管絃祭にならう形で始まった[24]。1988年(昭和63年)以降、漕ぎ手の不足[25]や昭和天皇の体調不良による自粛[26]で長らく途絶えていたが、2011年(平成23年)以降完全復活した[26][25]。
漕伝馬船について、以前は初日のみの開催で、元安川の明治橋 (広島市)を出発し、空鞘稲生神社[補足 2]で旋回、住吉神社へ向かっていた[2][21]。空鞘稲生神社へ向かうことを「里帰り」と言い、住吉神社が空鞘稲生神社の摂社であった関係で呼ばれている[12]。
漕伝馬船復活以降は祭り両日開催され、2016年(平成28年)の場合は住吉橋を出発して相生橋から元安川に入り万代橋で旋回して元の住吉橋に戻るコースを取っている[27]。
祭りの中で、神楽も行われている[28]。
人物
編集森脇良佳
編集森脇良佳(もりわき よしか)は、日本の神職。住吉神社の禰宜[29]。住吉神社の一人娘[6]。
1994年(平成6年)、中学1年生だったときに「お言葉少女」としてワイドショーで取り上げられた[6]。その後、キリスト教系の大学を卒業。卒業後に研修を受け、2005年(平成17年)頃に神職に就いた[29]。キリスト教系の大学に進んだ理由は、「キリスト教もすばらしい宗教ですので、様々な知識を得たいことで通いました」と2006年(平成18年)に出演したラジオ番組で述べている[29]。
2013年(平成25年)頃に結婚[6]。2017年(平成29年)にテレビ出演した際も、話題になった言葉遣いは変わっていない[6]。
神社の関係者が執筆した書籍
編集- 『住吉の松』(千年社・森脇宗彦、2008年)ISBN 4990423100
交通
編集参考文献
編集- 『広島県文化百選2』(中国新聞社、1984年) ISBN 4885177774
- 『広島県神社誌』(広島県神社庁、1994年)
- 『広島県の祭り』(真下三郎・渓水社、1993年) ISBN 4874402984
- 『新修広島市史 第4巻』(広島市、1958年)
- 『広島県下の特殊神事2』(広島県神社庁、2013年)
- 『祭礼行事・広島県』(高橋秀雄・おうふう、1996年) ISBN 4273025183
- 『中国新聞』(中国新聞社) 各バックナンバー
- 『毎日新聞(大阪版)』(毎日新聞社) 各バックナンバー
など
脚注
編集補足
編集- ^ 広島市内に住吉神社は、安芸区矢野西1-21(北緯34度21分19.1秒 東経132度31分45.9秒 / 北緯34.355306度 東経132.529417度)、南区元宇品町15-3(北緯34度20分49.8秒 東経132度27分40.8秒 / 北緯34.347167度 東経132.461333度)、南区仁保町4-14-19(北緯34度21分58.7秒 東経132度29分55秒 / 北緯34.366306度 東経132.49861度)、西区草津南町1-7-23(北緯34度22分37秒 東経132度24分4.1秒 / 北緯34.37694度 東経132.401139度)などがある。
- ^ a b 空鞘稲生神社の公式サイト、広島県広島市中区本川町3-3-2、(北緯34度23分58.1秒 東経132度27分3.3秒 / 北緯34.399472度 東経132.450917度)
- ^ 複数の書籍に1本が焼け残ったと書いてある[2][12]。ただし、被爆樹木リストには2本登録されている[13]。
- ^ 本殿と参道を結ぶもの。爆風で傾いた親柱が残っていた[14]。
- ^ 認識番号「S13b24-01~02」クロマツ、爆心地から1300mで被爆、敷地内で移設[13]。
- ^ a b 7月から8月の間。例として2016年の開催日は、7月17・18日[18]。2017年の開催日は8月5・6日になる。
- ^ 戦後、胡子神社の胡子講・圓隆寺のとうかさんについては、百貨店に対抗するための商店街の祭りに変化していった[22]。
出典
編集- ^ a b c d e f g h i 『広島県神社誌』 11ページ
- ^ a b c d e f g h i j 『広島県文化百選2』70-71ページ
- ^ a b 『820年ぶり「神遊行列」 広島の住吉さん新社殿祝う』 - 中国新聞 1996年11月8日 夕刊1面
- ^ 『迎春準備にぎわう街 鮮魚の競り 初詣へ備え』 - 中国新聞 2016年12月31日 朝刊25面
- ^ 『ブルーに染まって必勝悲願』 - 毎日新聞(大阪版) 2014年6月3日 朝刊1面
- ^ a b c d e “お言葉少女”森脇良佳さん、実家の神社で神主になっていた - スポーツ報知 2017年2月3日
- ^ a b 広島・住吉神社にサッカーW杯お守り-「応援巫女」も登場へ - 広島経済新聞2010年5月17日
- ^ W杯応援巫女が登場 - 朝日新聞社(Youtube公式)2014年6月2日
- ^ a b 地球の裏側まで届く!日本代表応援お守りのヒミツ… - ひろスポ! 2014年6月14日
- ^ 『巫女さんミュージカル』 - 毎日新聞(大阪版) 1999年9月14日 朝刊1面
- ^ 『みこ4人「なでしこ雅楽隊」 中区の住吉神社 小学校などで演奏へ』 - 中国新聞 2012年6月7日 朝刊23面
- ^ a b c d e 『祭礼行事・広島県』 - 80-81ページ
- ^ a b 被爆樹木リスト - 広島市
- ^ a b ヒロシマの記録 消えた「原爆十景」追う - 中国新聞 ヒロシマ平和メディアセンター 2007年4月30日
- ^ a b イワシ焼いて厄払い 住吉神社 /広島 - 毎日新聞 2016年2月4日
- ^ 住吉祭(夏祭り) - 住吉神社
- ^ すみよしさん(住吉祭り)、心身を清める広島の三大祭り - 広島ニュース食べタインジャー
- ^ 広島 住吉祭り、茅輪くぐり Sumiyoshi Shinto shrine in Hiroshima Japan - 広島ニュース食べタインジャー(Youtube公式) 2011年7月15日
- ^ a b c 『広島県の祭り』 44-46ページ
- ^ a b c 『新修広島市史 第4巻』 - 609ページ
- ^ 広島 住吉祭、漕伝馬(こぎでんま) Sumiyoshi Festival in Hiroshima - 広島ニュース食べタインジャー(Youtube公式) 2011年7月15日
- ^ a b 『広島県下の特殊神事2』 - 44ページ
- ^ a b 『漕伝馬24年ぶり勇壮 住吉祭 元安川出航 岸から歓声』- 中国新聞 2011年7月15日 朝刊25面
- ^ a b 『24年ぶり復活へ「えいえい」 広島の住吉神社「漕伝馬船」14・15日に本番』 - 中国新聞 2011年7月13日 朝刊27面
- ^ 住吉祭 - 住吉神社
- ^ すみよしさん(住吉祭)、神楽と出店 Sumiyoshi Festival in Hiroshima - 広島ニュース食べタインジャー(Youtube公式) 2011年7月15日
- ^ a b c 秘密の仕事人(元サイト) - 中国放送ラジオ『秘密の音園』2006年12月29日放送分
- ^ 住吉神社 初詣準備大わらわ/広島 - 毎日新聞 2016年12月27日
- ^ 広島でイワシ1000匹を焼く節分祭-悪霊を臭気で払う - 広島経済新聞 2014年2月3日