林 勝彦(はやし かつひこ、1943年1月21日 -2022年1月14日[1])は、日本科学ジャーナリスト。元NHKエグゼクティブ・プロデューサー。サイエンス映像学会会長[2]、科学ジャーナリスト賞選考委員[3]

略歴

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1943年1月21日、東京生まれ。1965年、慶応義塾大学文学部哲学科(産業社会学)卒業後、NHKに入局。1965年山口放送局放送部、1970年教育局学校放送部、1973年番組制作局・科学産業部、1977年名古屋放送局放送部、1982年東京番組制作局教養科学部、1984年編成局NHKスペシャル番組部、1987年NHKエンタープライズ、1990年編成局NHKスペシャル番組部、1991年NHKクリエイティブ、1995年NHKエンタープライズ21と約40年間にわたり、約300本以上の番組制作(主に科学、環境、医学、医療、原子力など)に携わった。

NHK外では、武蔵野美術大学・東京芸術大学非常勤講師、東京大学先端科学技術研究センター客員教授、東京工科大学メディア学部教授(2006 - 2008)、同大学客員教授、関西学院大学 サインス映像研究センター客員研究員などを歴任した。このほか、日本科学技術ジャーナリスト会議が開催する科学ジャーナリスト塾講師・塾長を務め、科学技術会議生活委員会生活・社会基盤研究小委員会、文部科学省科学技術・学術審議会専門委員などの各種委員を務めた。

2022年1月14日未明、都内の病院で死去。享年78歳。

主な製作番組と受賞歴

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国際コンクール受賞番組

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  • NHK特集「にがよもぎ・チェルノブイリ原発事故」(1986.3.14)  第27回モンテカルロ国際テレビ祭ゴールデンニンフ賞・国際批評家賞・レーニエ3世賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体」第6集 生命を守る~ミクロの戦士たち」(1989.9.12)  第17回教育番組国際コンクール日本賞グランプリ・日本電子機械工学会賞、第1回バイオメディカルジャーナリズム賞/最優秀番組賞
  • BS1ジャパンレビュー「地球再生に挑む~平井親子二世代の記録」(1992.6.20)  第1回アジア映像祭/推賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体2~脳と心」第1集「心が生まれた惑星~進化」(1993.10.31)  ハイビジョン国際映像祭ちば・モントリオール1994フェスティバル表彰、ハイビジョン・アウォード’94選定委員長賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体2~脳と心」第3集「人生をつぐむ臓器~記憶」(1993.12.12)  第11回国際科学番組フェスティバル優秀賞、第5回ケベック国際科学フィルムフェスティバル優秀賞、1994年シーグラフ入賞、第14回国際科学番組フェスティバル生命映像祭リヨン市長グランプリ
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体2~脳と心」第5集「秘められた復元力~発達と再生」(1994.2.20)  第5回上海テレビ祭/最優秀撮影賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体2~脳と心」第6集「果てしなき脳宇宙~無意識と創造性」(1994.3.20)  第2回メディアネット賞スペシャル・メンション、第5回国際アニメーションフェスティバル広島大会第2位
  • BS1日曜スペシャル「調査報告・地雷廃絶への道~日本人ビデオジャーナリストの執念」(1997.12.21)  第7回地球環境映像祭入賞
  • BS1日曜スペシャル「エコキッズ ~子供の目が見た環境破壊」(1995.11.23)(共同制作:NHKエンタープライズ21、テレビマンユニオン)  第5回地球環境映像祭/特別賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体Ⅲ 遺伝子・DNA」第4集 命を刻む時計の秘密 ~老化と死の設計図~(1999.8.9)  第17回国際科学番組フェスティバル科学映像賞(通称:ユネスコ賞)、第43回ザ・ニューヨーク・フェスティバル2000科学部門ゴールドワールドメダル、第1回北京国際科学映像祭「医学・健康部門」金賞
  • マルチメディア・人体 CD-ROM(2枚)①ダヴィンチの書(人体映像百科辞典)・②ダヴィンチを救え!(ナビゲーションゲーム)(1996)  ニューヨークフェスティバル総合グランプリ(図書部内賞)、ヨーロッパマルチメディア賞教養科学部門賞、アメリカ教育コミュニケーション工業会DID賞

国内コンクール受賞番組

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  • 教育テレビスペシャル「生命科学の驚異」第1集 生殖革命〜人工生物誕生(1979.11.6)  科学放送賞
  • NHK特集「知られざる巨大技術・原子力」3本シリーズに(1981.7.10.17.24)  第19回ギャラクシー賞選奨
  • NHK特集「知られざる巨大技術・原子力」第3集 どう棄てる放射性廃棄物(1981.7.24)  第8回放送文化基金賞奨励賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体」6本シリーズに第1集〜第6集(1989.6.10〜1989.9.12)  平成元年度中央福祉審議会特別推薦、AVA’89グランプリ金賞・通産大臣賞・CG部門グランプリ
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体」第1集 生命誕生(1989.6.10)  平成元年度科学放送賞科学放送奨励賞、平成元年度日本テレビ技術賞CG賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体」第4集 壮大な化学工場〜肝臓(1989.9.10)  ’90科学技術映画祭優秀作品賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体」第6集 生命を守るミクロの戦士たち〜免疫(1989.9.12)  第16回放送文化基金賞奨励賞、日本テレビ技術賞CG技術、会長賞
  • NHKスペシャル「脳死」第1部 新しい死がもたらすもの(1990.12.15)  第17回放送文化基金賞優秀賞
  • NHKスペシャル「あなたの声が聞きたい〜”植物人間”生還へのチャレンジ」(1992.6.7)(共同制作:NHKクリエイティブ、ドキュメンタリージャパン)  平成4年度文化庁芸術作品賞、‘92地方の時代映像コンクール審査委員会推賞、第30回ギャラクシー賞選奨、会長賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体2〜脳と心」第1集〜第6集(1993.10.31〜1994.3.20)  第20回放送文化基金賞・個人、団体部門(林勝彦と人体CGスタッフ)、第2回橋田賞、1993年度画像電子技術賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体2〜脳と心」第3集 人生をつむぐ臓器〜記憶(1993.12.12)  第35回科学技術映画祭科学技術庁推奨
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体2〜脳と心」第5集 秘められた復元力~発達と再生(1994.2.20)  第31回ギャラクシー賞奨励賞
  • プライムリ11「心の窓を開け 翔君〜自閉症への挑戦」(1994.6.25)  1998年度中央児童福祉文化財推薦
  • BS2スペシャル「青春法廷〜生命を問いかける学生たち」(1995.2.10)(共同制作:NHKクリエイティブ、ドキュメンタリージャパン)  第21回放送文化基金賞本賞、テレビジョンATP賞’95郵政大臣賞・優秀賞、第32回ギャラクシー賞選奨 
  • BS1日曜スペシャル「死を学ぶ子供たち〜デス・エデュケーションの現場から」(1996.5.12)  1996年度中央児童福祉番組審議会/推薦
  • 年末ドキュメンンタリー「記憶が失われた時〜ある家族の2年半の記憶」(1996.12.27)(共同制作:NHKエンタープライズ21、テレビマンユニオン)  第23回放送文化基金賞、第14回テレビジョンATR賞’97奨励賞
  • NHKスペシャル「柳田邦男の生と死を見つめて〜低体温療法の衝撃」(1997.2.2)  第23回放送文化基金賞、第34回ギャラクシー賞奨励賞、第14回テレビジョンATP賞’97奨励賞
  • 「立花隆・謎のキャンパスを行く〜東大先端研探検」(1997.7.26)(共同制作:NHKエンタープライズ21、テレビマンユニオン)  全国学校図書館協議会選定コンピュータ・ソフトウェア、 第14回ATP賞’97優秀賞
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体Ⅲ 遺伝子・DNA」第4集 命を刻む時計の秘密 〜老化と死の設計図〜(1999.8.9)  第41回科学技術映画祭科学技術長官賞
  • NHKジュニアスペシャル「人体」第6集「赤ちゃん誕生」(2003)  2003年中央児童福祉文化財推薦番組
  • NHKジュニアスペシャル「新シルクロードシリーズ」(2005)  2005年中央児童福祉文化財推薦番組
  • NHKジュニアスペシャル「驚異の小宇宙・人体2 脳と心」第1集~第6集(2005)  2005年中央児童福祉文化財推薦番組

著書

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編著

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  • 『“脱原発”を止めないために 科学ジャーナリストの警告』(清流出版, 2012年9月)

脚注

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