松山智一
松山 智一(まつやま ともかず、1976年4月30日 - )は、アメリカ・ニューヨーク在住の日本の現代美術家。
絵画を中心に彫刻やインスタレーションも手がける。作品には、東洋と西洋、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素が見られ、これは日本とアメリカの両国で育った自らの経験が反映されている。また、江戸時代や明治時代の日本美術、古代ギリシャやローマ帝国の彫刻、フランスルネッサンス期の絵画、戦後のコンテンポラリーアートなど、様々な影響を受けている[1]。
来歴
編集岐阜県高山市(旧・吉城郡国府町)出身、少年時代をアメリカで過ごす。桑沢デザイン研究所夜間部ビジュアルデザイン科[2]、上智大学経済学部卒業後、2002年に再び渡米。ニューヨーク私立美術大学院プラット・インスティテュートコミュニケーションズ・デザイン科を首席で卒業。
これまでに日本、ニューヨーク、ワシントンD.C.、サンフランシスコ、ロサンゼルス等の全米主要都市、ドバイ、香港、台北、ルクセンブルク等、世界各地のギャラリー、美術館、大学施設等にて 個展・展覧会を多数開催。2021年8月、アメリカの大型画廊Kavi Gupta Galleryとパートナーシップを組み、個展を開催。2023年4月、欧州の有力画廊Almine Rech Galleryとパートナーシップを組み、ロンドンで初の個展を開催。
アメリカ西海岸最大の美術館であるロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)、サンフランシスコ・アジア美術館、マイアミ・ペレズ美術館、カラマズー美術館、AMMA財団/美術館、龍美術館、宝龍美術館、德基芸術館(DEJI ART MUSEUM)、K11アート財団、スペースKソウル美術館といった世界各国の美術館をはじめ、マイクロソフトコレクション、北米トヨタ自動車、ナイキ・ジャパン、リーバイ・ストラウスジャパン、JR東日本/LUMINE、ドバイの王室コレクション、中東が誇るBank of Sharjahコレクション、オーストラリアのPt.Leo彫刻庭園などに、多数の作品が所蔵されている。[3]
2012年から2017年5月までの5年間、ニューヨーク私立美術大学スクール・オブ・ビジュアル・アーツ(SVA)のAdjunct Professorを勤めた。2013年4月、ハーバード大学からの招待を受けてアーティストプレゼンテーションを実施[4]。同年9月には同大学にて個展が開催された。
現在はニューヨーク・ブルックリンにスタジオを構えている。2019年9月にはニューヨークのハウストン・バウリー・ウォールに巨大壁画を完成させ、TBSの情熱大陸で特集された[5]。2021年1月には、NHK BS1にて特集が組まれた[6]。2021年には、NHKにて、1時間のドキュメンタリー番組「ザ・ヒューマン」(BS1)をはじめ、「日曜美術館」(Eテレ)にて特集される。「美術手帖」2021年6月号にて、「松山智一アウトサイダーが挑む芸術言語の創造」として特集が組まれる。2021年5月には日本国内初作品集「IN & OUT」が刊行された。
展示会
編集個展
編集- Episodes Far From Home(Almine Rech Gallery ロンドン、2023年)
- Harmless Charm(Sotheby’s 香港、2022年)[7]
- The Best Part About Us(Kavi Gupta Gallery シカゴ、2022年)
- Boom Bye Bye Pain(KOTARO NUKAGA 東京、2021年)
- Accountable Nature(龍美術館 上海、2020年)
- No Place Like Home(Zidoun-Bossuyt Gallery ルクセンブルク、2018年)[8]
- Same Same, Different(LUMINE 0 東京、2017年)[9]
- Oh Magic Night(HOCA Foundation 香港、2017年)
- Baby It's Cold Outside(Lesley Kehoe Galleries メルボルン、2017年)
- Somewhere Here(Zidoun-Bossuyt Gallery ルクセンブルク、2015年)[10]
- 17 Hours(オーストラリア現代美術館 シドニー、2015年)
- The Sky Is The Limit(Harbour City 香港、2014年)
- Palimpsest (ハーバード大学 ボストン、2013年)
- New Works by Tomokazu Matsuyama(Mark Moore Gallery ロスアンゼルス、2012年)
- The Future Is Always Bright(Gallery Wendi Norris サンフランシスコ、2012年)[11]
- Thousand Regards - Tomokazu Matsuyama (アメリカン大学美術館 Katzen Arts Center ワシントンD.C.、2012年)
主なグループ展
編集- ながくとも四十に足らぬほどにて死なんこそめやすかるべけれ (Die Young, Stay Pretty) Curated by Tomokazu Matsuyama + Carlos Rolon(KOTARO NUKAGA 東京、2023年)[12]
- 第17回イスタンブール・ビエンナーレ オフィシャルコラテラルプロジェクト(イスタンブール、2022年)[13]
- Realms of Refuge(Kavi Gupta Gallery シカゴ、2021年)
- Home & Away: Selections From Common Practice(Miles McEnery Gallery ニューヨーク、2021年)
- Nature Morte(The Hole ニューヨーク、2021年)
- We Used To Gather(Library Street Collective デトロイト、2020年)
- FIXED CONTAINED, Curated by Tomokazu Matsuyama(KOTARO NUKAGA 東京、2019年)[14]
- Pardon My Language, Curated by Tomokazu Matsuyama(Zidoun-Bossuyt Gallery ルクセンブルク、2018年)
- Re:define(Dallas Contemporary ダラス、2017年)
- Mess in’ With The Masters(Mesa Contemporary Arts Center アリゾナ、2013年)
- Edo-Pop, The Graphic Impact of Japanese Prints(ジャパン・ソサエティー ニューヨーク、2013年)
- Changing World Through Art(Marianne Boesky Gallery ニューヨーク、2013年)
- Re:define(The Goss-Michael Foundation ダラス、2012年)
- untitled(Museum of Tibet House ニューヨーク、2011年)
- Sugi- PoP! The Influence of Anime and Manga on Contemporary Art(Portsmouth Museum of Art ニューハンプシャー、2010年)
- DRAW(Museo De La Ciudad de Mexico メキシコ、2010年)
- Changing World Through Art(Haunch of Venison Gallery ニューヨーク、2010年)
- Lost in Mutation: The Surreal in Contemporary Japanese Art(タフツ大学美術館 ボストン、2009年)
- 眼差しと好奇心(ミヅマアートギャラリー 東京、2008年)[15]
- U Can’t Touch This: The New Asian Art, Zone(Chelsea Center for the Art ニューヨーク、2007年)
- Project To Surface(M127 ニューヨーク、2007年)
主なプロジェクト
編集- フラットアイアン・パブリック・プラザ (ニューヨーク、2022年)
- ヤンコセ(トルコ、2022年)[16]
- ガラタポート(トルコ、2022年)[17]
- K11 MUSEA (香港、2022年)
- ゆず 25周年ステージアートビジュアル(日本、2022年)[18]
- jing vision (東京、2022年)
- TIPSTAR DOME CHIBA(千葉、2021年) [19]
- IVY Station (カルバーシティ、2021年)
- Guo Hua Financial Center (重慶、2021年)
- JR新宿東口駅前広場(東京、2020年)
- 明治神宮「神社の杜 芸術祝祭」(東京、2020年)
- Beverly Hills Mural(ビバリーヒルズ、2019年)
- Houston Bowery Wall(ニューヨーク、2019年)
- 渋谷スクランブル交差点 (東京、2018年)
- Peanuts Global Art Collective(ニューヨーク、2018-19年)[20]
- Harbour City(香港、2014年)
- ハーバード大学でのアーティストプレゼンテーション(マサチューセッツ、2013年)[4]
書籍
編集- Tomokazu Matsuyama IN AND OUT (カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社、2021年)
- 美術手帖2021年6月号「松山智一」(美術出版社、2021年)
- Fixed Contained(KOTARO NUKAGA、2019年)
- No Place Like Home(Zidoun-Bussuyt Gallery、2018年)
- Tomokazu Matsuyama(HOCA Foundation、2017年)
- Tomokazu Matsuyama(Zidoun-Bussuyt Gallery、2016年)
- A Thousand Regards-Tomokazu Matsuyama(パノラマ、2013年)
- Further(GingkoPress社、2009年)
- Tomokazu Matsuyama(パノラマ、2009年)
- Found Modern Library(GingkoPress社、2007年)
出演・掲載
編集- 日曜美術館「クラスター2020〜NY美術家 松山智一の戦い〜」(NHK Eテレ、2021年)
- ザヒューマン「届けなければアートはゴミだ NY美術家 松山智一」(NHK BS1、2021年)[6]
- 情熱大陸 Vol.1073(TBSテレビ、2019年)[5]
- Numéro TOKYO(扶桑社、2019年)[21]
- GQ JAPAN(コンデナスト・ジャパン、2019年)[22]
- Forbes JAPAN(フォーブス、2019年)[23]
- 毎日新聞(2019年)[24]
- クーリエ・ジャポン(講談社、2019年)[25]
- PRESIDENT Online(プレジデント社、2019年)[26]
- NBC(2019年)[27]
- FOX 5(2019年)
- HYPEBEAST(2019年)[28]
- ニューヨーク・タイムズ(2003年、2019年)[29]
- 日本経済新聞(2018年)
- 朝日新聞(2017年)
- Art Alamanac(2017年)
- The Australian(2017年)
- MILK(2017年)
- 木梨憲武アートって何だ?ニューヨークMoMaの秘密(BS朝日、2013年)[30]
- ワシントン・ポスト(2013年)
- Complex Magazine(2012年、2013年)[31][32]
- Antenna(2009年)[33]
関連項目
編集脚注
編集- ^ “Tomokazu Matsuyama”. KOTARO NUKAGA (2018年). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “ニューヨークで生き抜くために獲得したDIYの芸術言語。インタビュー:松山智一”. 美術手帖. 2022年2月12日閲覧。
- ^ “Tomokazu Matsuyama ? Official Website” (英語). Tomokazu Matsuyama ? Official Website of New York based Contemporary Artist Tomokazu Matsuyama. 2023年6月2日閲覧。
- ^ a b “A World Citizen, Visualizing the Glocal (Global + Local) Condition” (英語). Edwin O. Reischauer Institute of Japanese Studies. ????-??-??閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b “松山智一(美術家)”. MBS 情熱大陸. 2021年2月9日閲覧。
- ^ a b “2021年1月9日(土) ザ・ヒューマン「松山智一 〜届けなければアートはゴミだ〜」”. テムジン. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “Sotheby’s Hong Kong Presents Tomokazu Matsuyama: Harmless Charm”. Jun 6, 2022閲覧。
- ^ “No place like home Exhibition - Selected works” (英語). Zidoun & Bossuyt. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “NYで活躍する現代アーティスト松山智一個展「Same Same, Different」開催!”. LUMINE. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “Somewhere Here Exhibition - Selected works” (英語). Zidoun & Bossuyt. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “Tomokazu Matsuyama | The Future is Always Bright” (英語). Gallery Wendi Norris | San Francisco. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “松山智一、カルロス・ロロンキュレーションによる「ながくとも四十に足らぬほどにて死なんこそめやすかるべけれ(Die Young, Stay Pretty)」をKOTARO NUKAGA(六本木)に...”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2023年3月3日). 2023年5月30日閲覧。
- ^ “松山智一、イスタンブールビエンナーレ オフィシャル屋外プロジェクトにて大作2点を展示”. KOTARO NUKAGA (2022年11月4日). 2023年5月30日閲覧。
- ^ “FIXED CONTAINED”. KOTARO NUKAGA. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “グループ展「眼差しと好奇心」Vol.4(TOKYO)”. MIZUMA ART GALLERY. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “Tomokazu Matsuyama ? Official Website” (英語). Tomokazu Matsuyama ? Official Website of New York based Contemporary Artist Tomokazu Matsuyama. 2023年5月30日閲覧。
- ^ “Tomokazu Matsuyama ? Official Website” (英語). Tomokazu Matsuyama ? Official Website of New York based Contemporary Artist Tomokazu Matsuyama. 2023年5月30日閲覧。
- ^ “ゆず25周年アリーナツアーのステージアートビジュアルを、現代美術家・松⼭智⼀が担当”. THE FIRST TIMES. 2023年5月30日閲覧。
- ^ “清水建設の設計施工による国際基準の自転車競技(ベロドローム)がオープン、パブリックアートを松山智一氏が制作 |CULTURE|TECTURE MAG(テクチャーマガジン)”. TECTURE MAG(テクチャーマガジン). 2023年5月30日閲覧。
- ^ “TOMOKAZU MATSUYAMA” (英語). Peanuts Global Artist Collective. 2021年2月9日閲覧。
- ^ Fukasawa, Keita (2019年10月23日). “ニューヨークが認めた異才、松山智一が語るアーティストの使命”. Numéro TOKYO. 2021年2月9日閲覧。
- ^ サトータケシ (2019年10月20日). “アメリカでいちばん有名な壁にパブリックアートを描いた日本人|美術家・松山智一にインタビュー”. GQ JAPAN. 2021年2月9日閲覧。
- ^ 守屋美佳 (2019年10月20日). “「NYの聖地」に作品を残したアーティスト 松山智一が世界に名を馳せるまで”. Forbes JAPAN. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “美術家/松山智一 異色の経歴を持つ、気鋭のアーティスト ニューヨークでアートの歴史に名を刻む”. 毎日新聞. (2019年10月18日) 2021年2月9日閲覧。
- ^ “アーティスト・松山智一「ニューヨークの“夢の壁”で僕が表現したかったこと」 | 米国で話題のアートの「創作秘話」”. クーリエ・ジャポン (2019年10月20日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “現代アートとは自分流に「時代を切り取る」仕事|「1日2ドル」の生活から世界市場へ”. PRESIDENT Online (2019年10月20日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “Japanese Artist Matzu Takes Over Bowery Mural With Artwork Representing NYC and Multiculturalism” (英語). NBC New York. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “Tomokazu Matsuyama Takes over the Iconic Houston Bowery Wall”. HYPEBEAST (2019年9月24日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ Treaster, Joseph B.; Cromwell, Rose Marie (2019年10月23日). “In Miami, the Murals Are the Message (Published 2019)” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2021年2月9日閲覧。
- ^ “木梨憲武 アートって何だ?ニューヨークMoMAの秘密”. BS朝日. 2021年2月9日閲覧。
- ^ Schonberger, Nick; Pasori, Cedar (2012年6月2日). “Tomokazu Matsuyama | 25 Young Painters You Need To Know” (英語). Complex. 2021年2月9日閲覧。
- ^ Morency, Alex; Schonberger, Nick (2013年4月13日). “Tomokazu Matsuyama | The 100 Most Influential Artists Of The Complex Decade” (英語). Complex. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “Antenna”. 松山智一 Tomokazu Matsuyama. ????-??-??閲覧。[リンク切れ]
外部リンク
編集- 松山智一 Tomokazu Matsuyama - オフィシャルサイト
- Tomokazu Matsuyama Studio (213932658680) - Facebook
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