松井雅人

日本のプロ野球選手

松井 雅人(まつい まさと、1987年11月19日 - )は、群馬県前橋市出身の元プロ野球選手捕手)、コーチ。右投左打。

松井 雅人
オリックス・バファローズ 二軍バッテリーコーチ #97
中日ドラゴンズ時代
2016年8月12日 阪神鳴尾浜球場
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 群馬県前橋市
生年月日 (1987-11-19) 1987年11月19日(37歳)
身長
体重
179 cm
81 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 捕手
プロ入り 2009年 ドラフト7位
初出場 2010年3月28日
最終出場 2022年8月14日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
  • オリックス・バファローズ (2025 - )

愛称は「みやび[1]

経歴

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プロ入り前

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小学校2年で地元の軟式野球チーム粕川リトルタイガースで野球を始め、中学校までは投手だった。なお、小学校1年から6年までは柔道の経験もある。桐生第一高等学校で捕手に転向、第76回選抜高等学校野球大会第86回全国高等学校野球選手権大会に出場する。同期には後にオリックスでもチームメイトになる小島脩平がいる。

上武大学へ進学し、左打ちに。同期の安達了一[注 1]と共に明治神宮大会では上武大初の準優勝に貢献。最多打点2回、ベストナイン3回[2]

2009年のドラフト会議で中日から7位指名を受け入団。背番号47。同期入団で同姓の松井佑介がいるためスコアボード等の表記は「松井雅」と表記されていた。

中日時代

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2010年、ルーキーながら谷繁元信小山桂司に次ぐ、第三の捕手として開幕一軍入りを果たし、3月30日の東京ヤクルトスワローズ戦でプロ初安打を放ったが、このシーズンの安打はこの1本のみだった。

2011年10月14日の読売ジャイアンツ戦では捕手で先発出場し、プロ初先発のルーキー大野雄大をリードした。

2012年は、一軍での出場は4試合に終わった。

2013年は45試合に出場。7月25日の横浜DeNAベイスターズ戦では代走で出場すると、高木守道監督が一塁を守れる野手を使いきっていたため、そのまま学生時代を通じても一度も経験のない一塁手の守備に就いた[3]

2014年から背番号を38に変更。同年7月10日のヤクルト戦(神宮)では、7回から守備に入り、9回表に江村将也からプロ初本塁打を放った。このシーズン、捕手としては選手兼任監督となった谷繁元信に次ぐ67試合の出場を果たした。

2015年は開幕スタメンに名を連ねたが、打率が.135に終わり正捕手定着とはならず、打撃に大きな課題を残し51試合の出場に終わった。

2016年はわずか4試合の出場に留まり、シーズンを通して二軍暮らしが続いた。

2017年開幕一軍こそならなかったものの、一軍合流後は、前年好調だった杉山翔大の不調により出場機会が増加した。6月9日のオリックス戦で、相手チームのクリス・マレーロが左中間を越える打球を放って「本塁打」としてダイヤモンドを一周した際に本塁を空過したことに気付いて審判アピールし、マレーロの本塁打は取り消されて三塁打となったということがあった。マレーロが翌日の中日戦で本塁打を打って松井の眼前にて両足で本塁ベースを踏んだということも注目されて[4]、「時の人」となったという(「空過」についての詳細はクリス・マレーロ参照)[5]

2018年はFA移籍の大野奨太と正捕手を争い、シーズン中盤からはスタメンに定着し、最終的にはチーム最多となる92試合、うち先発72試合に出場した[6]。前年同様の打撃を見せたが、守備の面では盗塁阻止率がリーグ最下位の.170に留まり[7]、正捕手定着へ課題を残した。11月10日、現状維持の年俸2000万円で契約更改した[8]

2019年加藤匠馬の台頭により出場機会が減少した。5月下旬に右足関節三角骨障害のため離脱したが、復帰後は控え捕手としてベンチ入りしている。

オリックス時代

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2019年6月30日、武田健吾松葉貴大との交換トレードで松井佑介と共にオリックス・バファローズに移籍した[9][10]。背番号は33[11][注 2]。引き続きスコアボード等には「松井雅」と表記。アマチュア時代の同期である小島、安達と再びチームメイトになった。移籍後は即一軍に合流すると、山岡泰輔の先発登板時にスタメンマスクを被るなど24試合に出場した[12]

2020年、 開幕から一軍に帯同していたが、7月2日に出血性胃炎のため一軍を外れる[13]。その後7月14日に復帰した。腰痛に苦しんで23試合出場に留まった[14]。国内FA権を取得したが行使せずに残留し、12月11日に年俸2500万円(300万円減)で契約更改した[15]

2021年は10試合の出場に留まった。

2022年もペナントレースではわずか6試合の出場に留まった。日本シリーズの出場資格者名簿には含まれていた[16]が、出場機会はなく、オリックスが26年ぶりの日本一を決めた翌日の10月31日、戦力外通告を受けた[17]

現役引退後

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12月28日、現役引退し、翌年からはスコアラーとして球団に残ることが発表された[18]

2025年からはコーチに転身し、10月31日に二軍バッテリーコーチを務めることが発表された[19]。背番号は97

選手としての特徴・人物

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インサイドワークに定評がある捕手[20]。遠投115mの強肩と50m走で6秒0を記録した俊足も魅力[21]

ドラフト同期であり、同学年で同姓の松井佑介とのコンビは「W松井」と呼ばれた[22]

自身の闘争心を高めるために任侠映画を見ることがあるという[23]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2010 中日 13 15 14 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 8 0 .071 .133 .071 .205
2011 10 13 11 2 3 0 0 0 3 0 0 0 2 0 0 0 0 4 0 .273 .273 .273 .546
2012 4 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2 0 .000 .333 .000 .333
2013 45 72 63 4 9 2 0 0 11 3 1 0 3 0 6 0 0 15 0 .143 .217 .175 .392
2014 67 162 142 10 25 3 1 1 33 4 3 1 4 0 16 1 0 47 3 .176 .259 .232 .492
2015 51 146 133 4 18 4 0 0 22 7 2 1 6 0 5 0 2 43 3 .135 .179 .165 .344
2016 4 7 7 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 .143 .143 .143 .286
2017 87 244 208 22 46 7 1 2 61 17 0 0 10 1 22 0 3 63 3 .221 .303 .293 .597
2018 92 260 218 18 50 7 1 2 65 22 0 0 7 3 30 9 2 51 5 .229 .324 .298 .622
2019 20 39 33 3 7 2 0 0 9 2 0 0 2 0 4 0 0 12 1 .212 .297 .273 .570
オリックス 24 42 36 5 7 0 0 0 7 2 0 0 3 0 3 0 0 7 0 .194 .256 .194 .451
'19計 44 81 69 8 14 2 0 0 16 4 0 0 5 0 7 0 0 19 1 .203 .276 .232 .508
2020 23 40 36 5 8 2 0 1 13 4 0 0 0 0 3 0 1 7 2 .222 .300 .361 .661
2021 10 7 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .000 .000 .000 .000
2022 6 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
通算:12年 456 1051 911 74 175 27 3 6 226 61 6 2 37 4 90 10 9 265 17 .192 .270 .248 .518

年度別守備成績

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捕手 一塁


































2010 中日 9 26 1 0 1 1.000 0 3 3 0 .000 -
2011 3 19 1 0 0 1.000 0 1 0 1 1.000 -
2012 3 2 1 0 0 1.000 1 0 0 0 - -
2013 39 133 14 0 1 1.000 2 15 12 3 .200 1 2 1 0 0 1.000
2014 63 314 30 2 5 .994 2 35 24 11 .314 -
2015 49 295 25 3 1 .991 0 27 20 7 .259 -
2016 4 10 2 0 0 1.000 1 0 0 0 - -
2017 84 466 29 2 2 1.000 3 41 32 9 .220 -
2018 91 462 44 4 7 .992 5 47 39 8 .170 -
2019 18 78 10 0 1 1.000 0 9 7 2 .222 -
オリックス 23 98 7 0 3 1.000 0 7 5 2 .286 -
'19計 41 176 17 0 4 1.000 0 16 12 4 .250 -
2020 21 92 11 0 2 1.000 1 14 12 2 .143 -
2021 8 13 0 0 0 1.000 0 2 2 0 .000 -
2022 6 15 0 0 0 1.000 0 2 2 0 .000 -
通算 421 2023 175 11 23 .995 15 203 158 45 .222 1 2 1 0 0 1.000

[注 3]

記録

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初記録

背番号

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  • 47(2010年 - 2013年)
  • 38(2014年 - 2019年7月1日)
  • 33(2019年7月2日 - 2022年)
  • 97(2025年 - )

登場曲

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脚注

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注釈

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  1. ^ 松井雅は大学卒業後プロ入りしたのに対して、安達は大学卒業後は社会人を経てプロ入りしている。
  2. ^ 前身の阪急ブレーブス時代から、オリックス・ブレーブス、オリックス・ブルーウェーブを経てオリックス・バファローズとなった後の2009年まで、現役時代に20年間、コーチ時代も4年間継続して着用した梶本隆夫を含めて投手のみが着用していたため、捕手の着用は初めてだった(2010年以降はすべて打者が着用している)。
  3. ^ 2021年以降の企図数・許盗塁・盗塁刺・阻止率については参考文献参照。

出典

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  1. ^ 33 松井 雅人 選手名鑑2019」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』。2020年11月26日閲覧
  2. ^ 週刊ベースボール増刊 大学野球2009秋季リーグ戦決算号 ベースボールマガジン社
  3. ^ 竜11回サヨナラ勝ちのドタバタ舞台裏 東京スポーツ 2013年7月26日
  4. ^ マレーロ 長嶋以来59年ぶり“踏み忘れ”翌日弾「盛り上がっていたね」」『スポーツニッポン』2017年6月11日。2018年3月4日閲覧
  5. ^ 【球界ここだけの話(934)】中日・松井雅を有名にした本塁打取り消しの珍事…「ベース踏んでいない」とアピールなかったら?」『SANSPO.COM』2017年6月12日。2018年3月3日閲覧
  6. ^ 【2018中日総括】投手陣総崩れで、球団ワーストの6年連続Bクラス | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2018年12月21日。2024年12月7日閲覧
  7. ^ 2018年度 セントラル・リーグ 【盗塁阻止率(捕手)】 リーダーズ(守備部門)」『日本野球機構』。2022年4月22日閲覧
  8. ^ 【中日】松井雅、キャリアハイの92試合出場も現状維持 谷元も現状維持」『スポーツ報知』2018年11月10日。2022年4月22日閲覧
  9. ^ トレード成立のお知らせ」『中日ドラゴンズ オフィシャルウェブサイト』2019年6月30日。2020年12月22日閲覧
  10. ^ トレード成立のお知らせ」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』2019年6月30日。2020年12月22日閲覧
  11. ^ 松井雅人選手、スティーブン・モヤ選手、松井佑介選手 背番号決定のお知らせ」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』2019年7月2日。2020年12月22日閲覧
  12. ^ 磨かれた宝刀と新たな伴侶を力に…山岡泰輔が登るエースへの階段」『BASEBALL KING』2019年7月17日。2020年12月22日閲覧
  13. ^ オリックス松井雅人、出血性胃炎のため宿舎で静養」『日刊スポーツ』2020年7月1日。2020年12月22日閲覧
  14. ^ オリックス松井雅人が腰痛で抹消 3日に2年ぶり弾」『日刊スポーツ』2020年9月4日。2020年12月22日閲覧
  15. ^ オリックス・松井雅人が300万減で更改「優勝のためのピースに」【NPB】」『デイリースポーツ』2020年12月11日。2022年4月22日閲覧
  16. ^ 出場資格者名簿(オリックス・バファローズ)」『npb』。2022年10月31日閲覧
  17. ^ 来季の選手契約について」『オリックス・バファローズ』2022年10月31日。2022年10月31日閲覧
  18. ^ 【オリックス】来年1月1日付の人事を発表 松井雅人氏、別府修作氏がスコアラー 球団OBの牧野塁氏はスカウト、山本和作氏は広報に」『スポーツ報知』2022年12月28日。2022年12月29日閲覧
  19. ^ 新コーチングスタッフ決定のお知らせ」『オリックス・バファローズ』2024年10月31日。2024年11月26日閲覧
  20. ^ 中日 松井雅人・課題を克服し存在感アップ | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2017年7月6日。2021年6月14日閲覧
  21. ^ 中日Aクラス復帰のキーマン 「ポスト・谷繁」の一番手・松井雅人の球歴とは」『BASEBALL KING』2015年1月24日。2021年10月22日閲覧
  22. ^ オリックス有利に見えるトレード。中日の狙いと松井雅人の数奇な運命。(小西斗真)」『Number Web』2019年7月4日。2021年6月14日閲覧
  23. ^ 松井雅人捕手「闘争心を呼び起こすために…」 | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2015年4月13日。2021年6月14日閲覧

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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